テラーノベル
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お洒落なカフェの薄暗いテラス席。 目の前でメニューを広げる 大好きな人。
なおきり は ただその様子を見つめる
昨日 あんなに泣いたのに
この人の前に来ると 心は勝手に喜んでしまう
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心臓が冷たく跳ね上がる
──やっぱり 彼奴の名前だ
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思い出すのは 昨日の楽屋
たっつんさん が僕を冷たく牽制し、 じゃぱぱさん を独占するように連れ去った あの姿
冷たいんじゃない
彼奴は 僕から貴方を守ろうとして、 余裕を失っているだけなのに
どうすれば 貴方にそんなに思って貰えるの?
そんな 思いが頭に浮かぶ
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最高の "相棒" じゃぱぱさん はまだ付き合っていることを 僕に隠すため、必死でその言葉を使っている
そんな 優しい嘘をつかなきゃいけないくらい、
2人は…
お互いを特別に思い合っている
じわ、と胸の奥が焼けるように熱くなる。
頭の中が、またぐるぐると激しく回りだす
「彼奴は貴方を愛しているだけ」
と、伝えればいいだけ。それだけなのに
僕の口から伝えてしまえば
本当に 僕の恋 は 終わってしまう
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喉の奥から 絞り出すように伝えた アドバイス
これが 僕にできる 精一杯の "優しさ" です
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僕の言葉を信じ、 パッと花が咲いたような眩しい笑顔を 向けてくれる じゃぱぱさん
その笑顔を守れた安堵
そして、
2人の絆を自分の口で肯定してしまった絶望感
この2つの思いで 押しつぶされそうになる なおきり
テーブルの下で、左手小指の四葉の指輪を、
自分を戒めるように強く、強く握りしめた
ああ、痛いな
痛くて、苦しい
こうして 削れていくんだ
こうして 消えてくれない貴方への
「好き」
が、僕の 胸の奥深くに
封印されてしまう その日まで───
コメント
1件
あー…読んだ読んだ、第6話。もうね、なおきりの心情描写が痛いくらいに刺さったわ。自分の本心を飲み込んで、好きな人の恋路を応援する形になっちゃうの、辛すぎる。特に「こうして削れていくんだ」ってとこ、胸がギュッてなった。指輪握りしめる描写も含めて、静かで丁寧な表現がすごく良かった。続きが気になるわ…!