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肩を上に伸ばし、ハァと一息つく。
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横に溜まった資料を見ながら、 ちょっとした達成感に満ちる。
授業休憩の合間にも進めていたから、 想定より早く終えられた。
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終わらないなと思いつつ、そんなものだろうと納得して私は教室を後にした。
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羽を広げて辺りの確認をする。
この時間はまだ生徒が帰っているので、所々に人集りが見える。
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一瞥した後、私はあまり人の居ない道や森の近くへ巡回に向かった。
-5分後-
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時折念子の鳴き声や風の音が聞こえるが、 怪しい音などは特に聞こえない。
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ふと上の方から煙草の匂いがしたので、 軽く目をやった。
エイト
吸っていたのはエイト先生だろうか、私に気付くと火を止めて此方に向かって来た。
エイト
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エイト
嫌われたらどうしようかと、と言いながらエイト先生は煙草を持つ手を くるくると回している。
エイト
一瞬思考が固まった。
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不覚にも返答が遅れてしまい、何とか答えられないかと口を開く。
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そう言うとぱあっと嬉しそうな顔になり、 「じゃあまた後で!」 と言って彼はその場を立ち去った。
別れてからしばらくして、 ぽつり、ぽつりと雨が降ってきた。
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ふと、そういえばエイト先生は大丈夫だろうかと考えた。
雨も強くなってきたし、 集合は無理だろう。
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何の気まぐれかは分からないが、 私は小走りでその場を後にした。
集合予定地に着くと、予想に反した答えが私を待っていた。
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エイト
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エイト
少し口籠ると、エイト先生は口を開いた。
エイト
エイト
彼の手には確かに傘が握られている。 いつから待っていたのかは分からないが、申し訳なくなった。
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エイト
エイト
エイト先生の傘に入れてもらい、 私達は教師寮へ向った。
長い雨だったが、 不思議と不快ではなかった。