夢
蘭
バンバンッ
鶴蝶
蘭
夢
フラフラと後退りをする。
自分が今どんな罪を犯したのか。 考えなくてもわかった、
鶴蝶
それが、私を追い詰めて逃げ出してしまった。
タッタッタッタ
夢
息が苦しい。心拍数が上がって、目の前が涙で溢れて。
立つのが辛くなって、壁に寄りかかった。
夢
夢
そう悟ったのは、呼吸が落ち着いて間もない頃だった。
頭の中いっぱいに言い訳の言葉が溢れて
でもそれも、もう意味のないことに気がついた。
夢
夢
みんな
バンッ
鶴蝶
鶴蝶
その頃、蘭がわたしに打たれたと言うことが、幹部全員に知らされた。
竜胆
鶴蝶
明らかに、鶴蝶が動揺しているのがわかる。
万次郎
鶴蝶
鶴蝶
夢なんだっ…
万次郎
竜胆
ここにいる全員が思った。「夢がそんな事するわけない」と、
鶴蝶
鶴蝶
だが、鶴蝶の必死さを見て、事態の深刻さがわかった。
万次郎
万次郎
万次郎
万次郎は悲しげに、命令を下した。
万次郎
この2人は、蘭の次に夢と仲がよかったのだ。
万次郎は、この2人なら何か理由を明かす鍵を掴んでくれると思ったのだ。
万次郎
春千夜
竜胆
夢
夢
夢
春千夜
竜胆
遠くから、竜胆と春千夜が呼ぶ声がする。わたしのこと殺しにきたのかなぁ、、
本当にバレそうだったので、わたしは、その場からそそくさと姿を消した。
夢
夢
夢
掠れ声でボソッと呟く。
昨日、あのまま一晩中泣いていたので、声が掠れていたのだ。
タッタッタッタッ
万次郎
万次郎
鶴蝶
春千夜
春千夜
視線を隣に回すと、すぐそこに夢が立っていた。
夢
夢
聞くだけでわかる。掠れて震える声。本当は怖いんだ。
夢
夢
春千夜
バレていた。さすが、2年以上の付き合いだ。
夢
竜胆
夢
空気が、冷たく鋭くなる。
夢
夢
竜胆
否定で来さないのも無理はない。だってこれは、紛れもない事実だからだ。
夢
竜胆
竜胆が次々と質問してくる。
竜胆
夢
違うッ!!!
それだけは違うッ、、、
竜胆
夢
夢
夢
これだけは、これだけはわたしの思い。
春千夜
夢
春千夜
夢
また空気がピリつく
春千夜
夢
夢
夢
夢
夢
夢
竜胆
夢
キュッと、力の入った目に涙が滲む。
夢
夢
消えちゃえばいいっ!
夢
自分の思いを思う存分ぶちまけた。
これで本当の終わりだ。
夢
夢
夢
竜胆
竜胆が必死に弁解しようとする。
夢
もう、元には戻れないから、
夢
夢
フェンスを超えて、向こう側に立つ。
竜胆
春千夜
何をしようとしているのか、わかったようで、必死にわたしを止める。
夢
夢
これ以上壊れるのが怖くて必死に話を逸らす。
竜胆
もう、黙ってよッ!!
夢
夢
妨害に入る2人が逆にわたしの、心に追い打ちをかけた。
夢
夢
フェンスをギュッと握る。手に網の跡が付くくらいしっかりと、、
春千夜
春千夜
春千夜
たとえ、嘘でも嬉しかった。わたしは咄嗟に下を向いて、顔を手で覆った。
夢
ここにきて、涙を流してしまった。せっかく我慢してたのに、、、
溢れ出る涙を、繕いながら私は後悔した。
夢
夢
夢
夢
今更、梵天のみんなと仲直りしたいなんて、言えない。
言えるわけ、、ない。
夢
私は、涙を流しながら感謝を伝えた。
もう、我慢ができなかった。ゆっくりとわたしは数十メートルのビルの屋上から飛び降りた。
トンッと、弾みを切らし後ろは振り向かずゆっくりと落ちていった。
竜胆
竜胆
春千夜
グシャ
竜胆
春千夜
春千夜が、咄嗟に下を見るがもう手遅れだった。
横向きに倒れた夢を囲うように人が集まっている。
最上階まで聞こえる、叫び。
なにもが、どーでも良くなった。
夢
夢
夢
もう過ぎたことだ。もう遅い。
そんなのわかってた。
わたしを囲う人だかり。
悲鳴を上げる女性の声
全身の感覚すらも、遠のいていくのがわかった。
夢
夢
夢
夢
わたしの記憶はそこで生き絶えた。
プツンと、テレビを切るような音がして。
万次郎
竜胆
鶴蝶
春千夜
蘭
この部屋にいるみんなが俯いている。
ただ、静かな環境音だけが、鳴り響いて
みんな!
咄嗟に、全員が顔を見合わせる。
蘭
夢
夢
頭の理解が追いついていないみんなを置き去りにして淡々と話を進める。
夢
夢
夢
夢
夢
夢
大好き!
夢
あの時と同じような、掠れ声。
徐々に消えていく声。
でも、最後の言葉ははっきりわかった。
蘭
蘭
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