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フォルトゥーナとはいろんな話をした

フォルトゥーナ

私ね…好きな人がいるんだ

フォルトゥーナ

デス、なんだけど…

レナトゥス

そうなんだ

レナトゥス

応援するよ

フォルトゥーナ

もー、反応薄いなあ

だって私は知っていたから

レナトゥス

(デスも確か…フォルトゥーナのこと…)

そしてもちろん天に来てからも、ネイバスとは親しくしていた

ネイバス

すごいね、奈々

レナトゥス

だから、私はレナトゥスだって!

ネイバス

レナトゥスか…

そのときも同じく

バチっと電気が走る

レナトゥス

ネイバス?

驚いたネイバスは

ネイバス

…っ

ネイバス

奈々

レナトゥス

だからレナ━━━

ネイバス

俺がいなくなったら…どうする?

フィリウム様とネイバスは仲が良かった

だけどその頃フィリウム様は新しい神や現世のことで忙しくて

そして…ネイバスの存在は薄くなった

レナトゥス

え…?

レナトゥス

やだ、やだよ…っ

レナトゥス

ネイバスがいなくなったら、生きていけない…!

ネイバス

もう奈々にはいっぱい友達がいるでしょ?

レナトゥス

でもネイバスも大事な友達だもん!!!

運がいいのか悪いのか私にはその力があったらしく

ネイバス

その力は…フィリウムにしか使えないはずじゃ…っ

ネイバスの生命を繋ぎ止めた

どうして運が悪いとも思ったのか

それは━━━━

レナトゥス

うっ…

ネイバス

奈々!!!!

人の命を救うのは簡単じゃない

そんなことができるのはミカミ様やフィリウム様だけだ

私はその禁断の力を支えてしまった

だから私の存在は…壊れようとしていた

それだけなら別に私だけの問題なんだけど━━━━

フォルトゥーナ

レナトゥス!!!!!

後から知ったけどこの力は人への想いが形になったもので

だから本気でその人を想わないと使えないらしい

フォルトゥーナも私にその力を使った

そして壊れかけたそのフォルトゥーナの生命は

騒ぎを知って駆けつけたフィリウム様によって繋ぎ止められた

フィリウム

ごめんなさい!!!!

だけど私を通じてフォルトゥーナは実質ネイバスを助けたことになるので

ネイバスにとってフォルトゥーナはいなくちゃ生きていけない存在となった

そしてネイバス自体も弱っていたその体では

自分の領域…つまりあの神社やそこと繋がる水中でしか保てなくなっていた

フィリウム様はその一連の出来事を全て自分の責任だと感じ

ネイバスの存在を消そうとした

けれど、フォルトゥーナはそれを拒んだ

フォルトゥーナとネイバスには領域に入ってしまい干渉できなくなり

フィリウム様は過度な人との関わりを避け、一人を好むようになった

そして二人のことを想い、笑えなくなった

フィリウム

きちんと仕事をしなさい

フィリウム

次にサボるとクビよ

そして、フォルトゥーナがいなくなったことでデスは大暴走を起こした

デス

止めるなよ!!!!

デス

俺もフォルトゥーナに会いにいく!!!!

シルワ

ダメよ!!!やめなさい!

デス

なんで…っ城から繋がってるんだろ!?

シルワ

死んじゃうわよ!!!

デス

…人一人も助けらんねー命なら

デス

喜んで死んでやる!!!

デスの首の傷はそのときできたものだった

…私の生前本当にあの神社の神だったネイバスは掟を破った延命のためその神権を失った

そのためお城から繋がっている神社は実は、ネイバスがいるための虚構だった

フォルトゥーナ以外のニンゲンは入ろうとするとバチバチとしたあれに阻まれ進めなくなる

それは真っ先に入ろうとしたフィリウム様が体感し私たちも目にした

私やデスはそれでも何度もそこに挑んだ

そして━━━━

バチバチバチッ!!

レナトゥス

…ぁぁあぁあっ!

レナトゥス

レナトゥス

…あれ、デスだ

レナトゥス

ね、何してるの?帰ろうよ

デス

━━━━え?

私たちは踏み入れてはいけないその異世界に何度も入ろうとした

━━━━そして私は、入れてしまった

そしてそのことを理解したフォルトゥーナと出会った

デス

レナ…、フォルトゥーナに会えたんだよな!?

想いはデスだって強かった

だけどその"運"のなかったデスはそこで動けなくなるほどの重傷を負っていた

レナトゥス

どうしてそんな話をするの?

レナトゥス

フォルトゥーナには…

レナトゥス

もう、会えないのに

デス

…は?

私の記憶は改変された

"フォルトゥーナはいなくなった"という事実だけが残り

それはもう"変えられない"と思い込んだ

そうしてデスもあまり笑わなくなった

一時期は一言も話さなかったほどふさぎこんだ

デスの体は限界でこれ以上彼方に干渉していたら壊れていただろう

何より、フォルトゥーナ自体はこちらにも来ることができるのに

もう処罰すべきだったネイバスを延命するために彼方で過ごしているわけだから

私たちにはどうにもできなかった

デスはそのうちフォルトゥーナに関わる記憶やお城とネイバスたちの神社について

きっとあの領域に挑む中で私と同じように変えられて、忘れてしまったんだと思う

そして私たちは時が経つごとに少しずつ蘇るフォルトゥーナの記憶を信じ

二月二十九日になると見る夢から散策を今も続けていたのだった

すべては天の仰せのままに

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