アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
「お客様Ⅰ」 〜アリス〜
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
アリス・プロートス!
最初のお客様の名前は 「アリス」
アサーナティ・アゲラタム
いい名前ね
アサーナティ・アゲラタム
買う物は決まった?
アリスは 目に皺を寄せよく悩んでいた
アリス・プロートス
どれも良すぎて分かんない……
アリス・プロートス
この時代は貴族が農民から お金を巻き上げていた
そして、アリスは農民だった
アサーナティ・アゲラタム
今日決められなくても、また後日来ていいわ
アリスはそう言って 一度帰って行った
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
一日、一週間 一ヶ月経っても
アリスはやってこなかった
孤独は「魔女」にとって 当たり前だった
だが孤独は 希望がなかったから平気だったのだ
誰かが来るという期待を 持ってしまっては
アサーナティ・アゲラタム
メンタルは限界になる
ドンドンドンッ!!
その日、荒々しく 魔法屋の戸が叩かれた
アサーナティ・アゲラタム
『アリス!!アリスだよ!! お願い開けて!!!』
アサーナティ・アゲラタム
ガチャッ
戸を開けた瞬間 アリスと他3名が倒れ込んできた
アリス・プロートス
ごめん、少しの間匿ってくれない?
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
農民を強制的に連れてって労働力にしてるの!!
アリス・プロートス
きっとお姉さんの家なら大丈夫と思って……
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
「魔女」は街を離れたが 故郷に対する愛情は残っていた
その故郷で勝手に暴れている事 アリスという『友人』を連れ去られそうになったこと
全てが「魔女」の怒りの 引き金を引けるものだった
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
でも貴族達が……
アサーナティ・アゲラタム
ここで待っていてちょうだい
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貴族
貴族じゃねぇな?農民はこっちだ!!!
アサーナティ・アゲラタム
私がそちらに行かねばならないのだ
貴族
つべこべ言わずにとっとと来い!!
グイッ
アサーナティ・アゲラタム
ドカンッ!!
貴族
俺の腕がぁぁぁぁッ!!
アサーナティ・アゲラタム
無様だな
そして魔女は屋敷の中に入った そこからは一方的だった
「魔女」による粛清 それは……まぁ見た者が一生忘れられない程度には残虐だった
アサーナティ・アゲラタム
貴族
オイどうなってんだ!!!
貴族
無くなってくわッ助けてよ!!!
アサーナティ・アゲラタム
貴族
お前みたいな子供が……!!
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
貴族
有り得るわけない!!
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アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
貴族
災厄の魔女め……ッ!!
この騒がしさに便乗して 農民は脱走
この出来事は歴史に名を刻み
「災厄の魔女事件」 と呼ばれるようになった
ギィィィィィ……
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
さっきみんなで話したんだけど
アリス・プロートス
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
残念だわ
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
待って、今買うから!
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
少しでもしたくて!
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
アリス・プロートス
お姉さん!
アサーナティ・アゲラタム
ギィィィィィ……
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
こうして一人目のお客様 アリスは去っていった
お客様Ⅰ アリス・プロートス 購入商品『学術のペン』
アリスが来てから 推定九十年が経った
その日、「お客様」が来たのは 黄昏時だった
アサーナティ・アゲラタム
少ししたら閉めようかしら
ギィィィィィ……
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
アサーナティ・アゲラタム
珍しいわ
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
アサーナティ・アゲラタム
「魔法屋」は来る者拒まずですから
アサーナティ・アゲラタム
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
エヴィニエス・バシリス
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
貴族の方?
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
つまり貴女も魔女?
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
エヴィニエス・バジリス
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム
11人目のお客様……
アサーナティ・アゲラタム
アサーナティ・アゲラタム……
アサーナティ・アゲラタム
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
魔女はそんなの求めなくってよ?
「お客様Ⅱ」エヴィニエス
彼女は「魔女」が初めて会った もう一人の「魔女」