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ふぅ、と重く白い煙を吐き出す。 俺が学生である以上、煙草を表だって吸う事は出来ない。だから夜にはチカチカとウザったいくらいの光を放つ自販機の陰にしゃがんで一服をする。 たかが自販機裏に隠れたくらいで何が隠せるのか、と思う人もいるかもしれないが、さっきも言ったようにこの辺りは治安が悪い。だから大人、それこそ教師なんて滅多に近づく事は無いのだ。 だから少し陰に隠れるくらいでも俺にとっては十分なのだ。
予定通り、煙草を一本だけ吸い終わった俺は、そろそろ潮時だと短くなった煙草を備え付けの灰皿に押し付ける。
重い足取りでこの場を去ろうとしたその時、俺は店の裏の方から何やら揉めているような数人の声を拾った。
シャオロン
様子を影で聞いた限り、一人の男がその集団で中堅位置の男にぶつかってしまい、ぶつかってしまった方の男が今、まさに囲まれている所だった。 またか。と溜め息を吐く まぁこんな場所に来たのが運の尽きだ、と身を翻そうとした時。 背後から何処か聞き馴染みのある声が聞こえた。
⁇
シャオロン
シャオロン
ショッピ
俺が焦って振り返った瞬間、鈍い音と誰かの小さな呻き声が響く。 俺の目に映ったのは羽交い締めにされて身動きが取れない後輩だった。
シャオロン
ショッピ
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
ガッ、 俺を心配してくれている後輩を安心させる為にニコリと笑い、鈍い音を鳴らしてショッピを羽交い締めにしている男を殴り飛ばす。
不良
ドカッ、 勢いのまま、その近くにいた不良を纏めて気絶させる。また、嫌に響く鈍い音がした。
不良
シャオロン
肩で息をして答える。 流石に多勢に無勢が過ぎる。 状況が状況なので何も言えないが、もうそろそろ体力が底を尽きそうだ。 手短に終わらせないと。
他全員は気絶させ、残りの不良はあと一人となった。 だがその一人は冷静さを失ったように、懐から出したナイフを振り回し初めた。
シャオロン
不良
冷静さを完全に欠いた不良が狂った様にナイフを振り回す。 ザクリ、 学ラン越しにナイフを突き刺された。 鋭い痛みについ顔を顰める。 だがそのおかげで至近距離に来た男は反抗する武器を失った。俺はその隙を見逃さず、男を気絶させる。
辺りを見回しても、もうこの不良達の仲間らしき奴は見当たらない。
シャオロン
はぁ、と一息をついてその場にしゃがみこむ。
シャオロン
家でいつも集中的に殴られるのは腕が多い。だから出来るだけ腕に傷はつけたく無かった。 でもお陰で後輩を守れたと思えば、 「まぁ良いか」と思えた。
ショッピ
ショッピ
シャオロン
心配して俺に駆け寄って来てくれた後輩に、「ほら」と立ち上がって見せる。
ショッピ
ショッピ
ショッピ
シャオロン
手当をすると言う事は必然的に家での傷を見られてしまう。 それは何としてでも阻止したい。 その一心で額に汗を滲ませる後輩を止めた。きっと、ショッピ君はコンビニで応急手当セットを買って応急処置をしようとしてくれたんだろう。
ショッピ
シャオロン
ショッピ
シャオロン
シャオロン
俺の押しに、漸く落ち着いた様に息をしたショッピ君が押し黙る。
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
どうか諦めてくれないだろうか、と少し顔を上げる。 だが帰ってきた返事は俺の希望とは真逆の答えだった。
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
シャオロン
ショッピ
ショッピ
ギュッと、と刺された所とは反対の左腕を掴んだショッピ君は、逃がさないと言わんばかりに腕を掴む力を強めた。 昨日に母親から受けた傷がジクリと痛む。 でもその何処か優しい掴み方に、俺はその手を振りほどいて逃げる気にはなれなかった。
シャオロン
ガチャリ
シャオロン
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
シャオロン
控えめに扉を開けると、そこにはとても整理されてきっちりと管理された部屋が広がっていた。
シャオロン
ショッピ君は俺がこの家に入ってから一度も自室に寄らなかった。だから普段からきちんと整理しているんだろう。
と、そんな事を考えていると背後からドアノブが回される小さな音が聞こえた。
ショッピ
ショッピ
ショッピ君が包帯や消毒液の準備をしながらそう言った。
シャオロン
シャオロン
俺は自分の右腕を摩りながらショッピ君に苦笑いを溢す。
ショッピ
シャオロン
シャオロン
ショッピ
そう、言われてドキリと心臓が鳴った。
シャオロン
ショッピ
その言葉に、自分はカマにかかられて居たんだと漸く気がついた。
ショッピ
シャオロン
シャオロン
シャオロン
そう、前置きして俺は袖を傷の場所ギリギリまで捲りあげた。
ショッピ
顕になったそこには、夥しい量の切り傷や変色した痣、丸い点々の火傷痕があった。
シャオロン
何と無く目を合わせづらくて目を逸らす。 特に会話がされる訳でもなく、ただ静かに手当をする音が響く部屋には、言いようのない神妙さが漂っていた。 右腕の治療が終われば次は左腕の治療。 左腕には真新しい打撲傷が青紫に変色して毒々しい見てくれをしていた。
ショッピ
ショッピ
顔色を少し悪くしたショッピ君が、応急処置を施し終わった右腕の袖を弱々しい掴んだ。
シャオロン
シャオロン
ショッピ
シャオロン
シャオロン
シャオロン
すぅ、と息を吸う
シャオロン
そう、言い切って笑った俺に、ショッピ君が納得のいかなそうなに瞳を揺らす。
ショッピ
ショッピ
ショッピ君は控えめだが俺を引きと止めようと、オロオロとした様子でそう提案した。 .....頷くつもりは無かった
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
ショッピ
ショッピ
ショッピ
俺が一言 泊めて欲しい、 と言っただけで、その途端にショッピ君は驚いた様に前のめりになって喜んだ様にキラキラ目を光らせた。 大方、断られるとでも思って居たんだろう。まぁ、最初場所そのつもりだったのだが。
シャオロン
ショッピ
シャオロン
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
ショッピ
ショッピ
ショッピ
シャオロン
ヒヤリと背を汗が伝う中、焦りの感情と混ざるようにして安堵の感情を感じた。 ちょっとだけ、ホントの俺を見つけてもらえた様な気がして嬉しかったのだ。
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
ショッピ
ショッピ
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
既に整頓され尽くした部屋に、何を片付ける物があるのかと疑問には思いつつも、一日の疲れで上手く巡らない思考に諦めて風呂場へと急ぐ。
ぴちゃぴちゃと反響する水音を聞いて、最後マトモに湯船に浸かったのは一体いつだったか、と思考を巡らせた。
シャオロン
シャオロン
シャオロン
肩の位置までゆっくりと湯船に沈めていく。
プカリと水面から顔だけを出す様に浸かり、片腕で目を覆った。
シャオロン
シャオロン
発すれば、その分自分が虚しくなる。 そんな感情を紛らわす様に湯船のお湯を掬っては元に戻した。
シャオロン
シャオロン
ガチャリ、 脱衣所の扉が開かれる音にビクリと肩を揺らす。
ショッピ
シャオロン
ショッピ
ショッピ
シャオロン
ショッピ
ショッピ
作者
作者
作者
作者
作者