テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

柊登馬

………また今年も咲いたな

柊登馬

……写真撮って送ってやろうかな

柊登馬

でも…この虫の声は届けられねぇんだよな…

柊登馬

どっちも届けたいのにな…

いつもの場所に今年も貴方の好きな花が咲いたよ

並んで耳を澄ませたあの虫の音も鳴り始めたよ

梅宮一

いやー、もうすっかり冬だね

柊登馬

………うん

柊登馬

寒い……ボソッ

梅宮一

柊、片手貸してごらん?

柊登馬

??

柊登馬

(片手を差し出す

梅宮一

ギュッ(柊の手を優しく握る

梅宮一

こうしたら寒くないでしょ?

柊登馬

聞いてたのかよ…

梅宮一

柊の声ならいくらだって聞いてやるよ

梅宮一

好きな声だからさ

 

柊登馬

寒い……ボソッ

柊登馬

(こう言ったら…梅宮が側に来てくれる気がしてしまう)

柊登馬

(もう…側にいないのに…)

私の小さな声も耳寄せて拾ってくれたね

宛先は変わらないままで宙に消えてく声はどこへ届く

柊登馬

もしもし、梅宮…

梅宮一

おー、柊どうした?

柊登馬

なんか話したくなってさ…

梅宮一

うん、聞くよ

柊登馬

あのさ今日すごいの見つけて…

梅宮一

へぇ、俺も見たかったな…

相槌だけでいいから聴かせて優しく頷く笑顔に逢いたい

どんな言葉も貴方がいないとただのねひとりごと

梅宮一

にしても離れて1年か

梅宮一

ちゃんと防寒対策してるか?

柊登馬

……うん

梅宮一

やっぱり寂しい?

柊登馬

ううん、こうやって話せるから平気

梅宮一

………そっか

柊登馬

俺もう寝ないと…明日バイトだから

梅宮一

そっか、お休みなさい

柊登馬

うん

あの日貴方の隠れた気持ちに気づけていたら今もね

ふたりごとの世界にいれたのかな

柊登馬

ちょうどなのでレシートになります

柊登馬

ありがとうございました

柊登馬

(……あれから梅宮とは連絡を取れてない)

柊登馬

(あっちもあっちで忙しいんだと思う)

柊登馬

(でも…寂しい気持ちはあるんだよな)

柊登馬

(きっと俺はずっと…梅宮のあの笑顔に助けられてたんだ)

柊登馬

(あの笑顔がなくても…生きなきゃいけないんだよな…)

柊登馬

(辛いけど…今まで喋ってたときのことを思い出すしかないか…)

万能薬の笑顔が消えても呼吸は続いていく

癒えきることはないけど思い出たちをかさぶたにして

柊登馬

(どこにいても足音は俺の足音しかない…)

柊登馬

(いつまで経っても慣れないな…)

柊登馬

(だから休日は基本家から出ない)

柊登馬

(外に出たら…梅宮の足音を探しちゃうから)

柊登馬

夜は本当に静かだな…

柊登馬

そうなると本当に1人に……グズッ……

足りない足音ばかり探してた月日を越えても

夜行性の泣き虫だけは今も上手に飼い慣らせずいるの

柊登馬

(梅宮のことを知る度に俺は知らない自分を見つけることができた)

柊登馬

(まさか自分がこんなに寂しがり屋とは思ってなかったし)

柊登馬

(こんなに泣くやつとも思ってなかったし)

柊登馬

(寂しいって…想いすら俺は素直に言えなかった…)

貴方を知って初めて私は私になれたのこんなに大事な

想いさえもね目を見て贈れずにいたんだここでまた

柊登馬

(あの日…梅宮がどんな想いだったのか今でもわからない…)

柊登馬

(寄り添えたら…いなくならなかったのかな…)

あの日貴方の心に寄り添う言葉ばかりを今もね

答えのない世界で探しているの

柊登馬

(梅宮から連絡をもらって俺は内緒で迎えに来た)

柊登馬

(また同じ一日を過ごすと思っていたから…嬉しいな)

柊登馬

(梅宮を信じててよかったとも思った)

同じ明日が平等にまた降り注ぐだなんて思い込んでた

嘘のつけない貴方が「またね」と手を振った姿信じ続けてる

柊登馬

(まだ来ないのか…どれくらい待ったかな…)

柊登馬

(もう大分人が出てきたのにまだ梅宮の姿はない…)

柊登馬

(話したいことが…聞いてほしいことがいっぱいあるのに)

柊登馬

(早く…話したい…!)

相槌だけでいいから聴かせて優しく頷く笑顔に逢いたい

どんな言葉も貴方がいないとただのねひとりごと

柊登馬

あ……梅宮!

梅宮一

柊……なんでいるんだ?

柊登馬

迎えに来た…忙しいっていうのは、嘘

梅宮一

ずっと待っててくれたんだな

梅宮一

ギュッ(柊を抱きしめる

梅宮一

ただいま、登馬

柊登馬

待たせすぎだ…バカ一

梅宮一

大丈夫…これからはずっとこっちにいるからね

梅宮一

だから「お帰り」って言ってほしいな?

柊登馬

……お帰り、一

「さよなら」だけは言わずに待ってる苦しくってもいつかね

ふたりごとの世界で貴方へただ

「お帰り」って目を見つめ贈りたいから

 

 

お前に届けたい言葉 ーENDー

見てくださりありがとうございました

今回は『Omoinotake』さんの『ひとりごと』で曲パロをやらせてもらいました

そしてこれは薬屋のひとりごとの第2期の2クールのときのエンディングとなってます

原曲は切なくもめっちゃいい曲なのでぜひ聞いてみてください

それではまたやりたい曲が見つかり次第作ります

ではではおつぬいです!

この作品はいかがでしたか?

105

コメント

2

ユーザー

おぉ!めっちゃいい話だ!なるほど梅宮さんは出張みたいな感じかな?とても良かったです!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚