_______数年後。
戦争は、既に終わっていた。
…俺達の、敗北で。
イタリアは連合国により釈放。
俺もイタリアも厳重警戒のち、再び国の化身として世界に降りた。
あれから一度もイタリアに会っていない。
そりゃそうだ、だって俺は、あんなことをしてしまったから。
しかも、一度に留まらず、二回、三回も。
きっと、嫌われただろうな。
そう思うと、心臓のあたりがぽっかりと開いたような空虚を感じ取った。
もう自らイタリアに会いに行く資格もないんだろうな、なんて思いながら、
気がつけば自分はイタリア本土に訪れていた。
…今更、ここに来てなにをしようとしているのだろう。
そんなことを思ってた、ときだった。
イタリア
ドクンと、脈が打った。
懐かしく、美しい声。
聞きたくなくて、聞きたかった声。
_______イタリアの声。
俺は、なんて言ったら良いかわからなかった。
そもそも、近づいていいのかさえも_____
イタリア
ドイツ
悲しみも、怒りも、震えたりすらもしない。
ただ、元気な彼が、自分に話しかけてきた。
ドイツ
イタリア
陽気な声で、続けた。
イタリア
イタリア
ドイツ
…意味がわからなかった。
どうして、あんな酷いことを、何度も何度もしたのに。
何度も何度も強引に契を結び、交わってしまったのに。
ドイツ
イタリア
きょとん、と驚いた顔を見せる。
しばらくして、にへっと無邪気に笑い、耀は俺にこういった。
イタリア
…満面の、笑みだった。
でも、俺にとって、その言葉は、毒針で。
俺の中で、何かが潰れて。
本来の俺の全てを否定された気がして。
俺は、彼に気づかれないよう、
心の奥で、静かに崩れ落ちていた。
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