あれから...どのくらいだ?割と経ってる気がする。
イタリアは相変わらず俺に話しかけに来てくれて、食事にもよく誘われる。
俺はどうしたら良いのかわからない。
突き放したほうがいいのか、甘えてもいいのか。
でも、イタリアが行きたい!!!って言うから...俺は、断れずにいた。
そして、それは今日もそうだった。
イタリア
ドイツ
陽気に、されど透き通った声。
相変わらずの様子だった。
でも、昨日の話が出るだなんて思ってもなかった。
…なぜなら、昨日は一日を部屋で過ごし、イタリアとも会っていないからだ。
イタリア
ドイツ
イタリア
イタリアがスマホを確認する。
おかしーなぁ、なんて呟く彼は、どこか...変、なような。
でもまぁ、イタリアだし。
そんなこともまぁたまにはあるか、と聞き流した。
イタリア
ドイツ
ドイツ
イタリア
ドイツ
イタリア
…久々に、こんなに長くいた気がする。
もうそろそろ夕方だ。
俺はさっさと帰れ、と何度も注意したが、『嫌なんね〜!!!』と駄々をこねて帰らなかった。
………俺は、こんなにも...疲れたのに。
イタリア
ドイツ
何かを覗き込むように、イタリアは俺に近づいた。
手を伸ばせば、彼に触れられる距離。
近い顔。
…俺の顔に、触れる手。
イタリア
きっと、なんの悪気もない。
だけど、思い出してしまう。
視界が、脳が、身体が、揺れ、震える。
あの日の、あの日々の事。
壁に叩きつけた音。
引き裂いた声。
拘束した手。
触れた肌。
押しつけた罪。
涙でぐしゃぐしゃのイタリアの顔。
何度も聞いた、拒否の声。
かつての光景が、フラッシュバックする。
彼に、無理やりやってしまった、あの日々の光景が_____
ドイツ
思わず後ずさる。
また自分が、彼を汚してしまうんじゃないかと、思って。
イタリア
無邪気な顔。
何も知らないみたいな顔。
純粋な瞳。
どうして。
違う。
違う違う違う。
なぜ、何故お前はそんなに軽々しく俺に触れられるんだ。
知っていて、忘れているのか。
それとも、忘れていて、覚えているのか。
はたまた、どちらでもないのか。
分からない。
未知の恐怖が身体を喰らい尽くすかのような錯覚。
周囲の音なんざ何も聞こえなくて、彼以外見てはいけないような気がして、
さらに闇に堕ちていくかのような。
そんな、恐怖。
イタリア
ふと、柔らかな声で、笑った。
何でもないような口調だった。
なのに、喉が詰まり、声が出ない。
呼吸の仕方を忘れる。
イタリアは少しだけ、ほんの少しだけ首をかしげて、
俺の表情を伺うかのように見つめてきた。
その目だけが、何かを測っているみたいで。
だけど、すぐにいつもの笑顔に戻る。
イタリア
イタリア
軽く、柔らかい声。
挨拶のように手を振る。
イタリア
イタリア
まるで天使のように、無邪気に、それでいて美しく。
俺に向かって、そう叫ぶ。
俺は、彼になんて答えたらわかんなくて。
ただ、その場で呆然と立ち尽くしていた
コメント
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投稿頻度高いの凄いし最高……よくよく考えればこの作品何気に近代の歴史学べるな…!うーむ……共依存タイプなのか?この作品は…気長に待ってます〜!