司
咲希……?
嫌な予感がした
司
まだ…帰ってないのか?
司
靴もない…
司
この時間母さんはパートだし、父さんも仕事か…
司
とすると、友達と遊びに行った可能性は…
司
…低いな、
司
とりあえず、探しに行くしかない
司
咲希!!
司
どこだ!!
司
いるなら返事してくれ!!
司
咲……
司
物音がする…
司
なんの音だ?
野犬
グルルルル
司
犬……?
野犬
スタスタスタ
司
…?
司
何だったんだ?それに、口に何か…
司
……もしかして、!
司
咲希!!!
咲希
……
そこには、無惨にも食い散らかされた妹の姿があった。
司
うっ…、
きっとさっきの野犬に違いない
だが、野犬に大人しく咲希が襲われるだろうか。
司
……ん?
司
咲希の手首に…跡がある、
司
縄か……鎖の跡っぽいな、
司
縄…鎖…
司
!
俺は気づいてしまったその可能性に
腸が煮えくり返った
司
絶対…アイツらの仕業だ…!!
司
赦さない……!!
拳を握り過ぎたせいか、手のひらにうっすら血が滲んでいた。
俺は務めて冷静だったつもりだ
司
ふぅ…
司
とりあえず、警察だな、
数分後、警察が来て
アイツらの仕業だと分かっていながら
事故死で解決させた
司
これが、俺の半生だ。
類
野犬に…?
司
ああ、惨いことするよな。
類
その…アイツらって言うのは?
司
…俺らの家の近くに住んでいる、不良グループみたいなヤツらだ。
司
大人だったからヤクザになるのか
司
1度、アイツらのボスの顔を見たことがある。
司
絶対一生忘れないさ。
類
…そうなんですね、
類
(この人は、ヤクザに恨みを持ってる)
類
(これなら、話しても大丈夫かな…)
類
…あの!社長!
類
僕の中学生の時も…聞いてくれますか?
司
…ああ、もちろんだ。
類
やだっ!やめてよ父さん!!
父親
類、頼むから言うことを聞いてくれ。
父親
これはお前の為にしてる事なんだ。
類
どこが人の為なの?!
類
たくさんの人を傷つけてるだけじゃないか!!
父親
確かにそうかもしれないが、それで助かっている人々もいるんだ。
父親
俺たちが始末した人間は、必ず始末された理由がある。
父親
頼む。分かってくれないか?
類
だから分からないよ!!
類
そうやって母さんも追いやって!僕に何も期待しないで!!
父親
お前は母さんに似てるな。
父親
だがここではそんなこと通用しない。
父親
食うか、食われるか、それだけの世界だ。
類
ほんとに、その2択しかないの…?
類
僕は、違うと思うよ!!
父親
類、
類
父さんは…楽しいの?僕にナイフを持たせて、人を襲わせるのが、
父親
類、違う。
類
何が違うのか分からない!!
類
こんな所出てってやる!
父親
類!待ちなさい!!
類
嫌だよ!!
父親
…それ以上動くな。
父親
いいか?お前は俺の息子。次のこのマフィアのボスになるんだぞ?
類
マフィアなんか……大嫌いだ!!
父親
!
父親
類…撤回しなさい。
類
嫌だ!もう僕は、我慢なんかしない!
類
約束したもん!!
父親
撤回しなさい!!!
父親
でないと…私がお前を撃たなければならなくなる…!!
父親
俺はお前まで殺したくないんだ。
類
……殺してよ、
類
もう、いいからさ
類
マフィアのボスになるくらいなら、タヒんだ方がマシだ。
父親
…類、
類
……撃つの?撃たないの?
父親
私は…なぜ、
父親
――――――。
あの時、父さんが何を言ったのか分からなかった。
だけど僕は、父さんの事情も知らずに知ろうともせずに、見捨てて逃げた
類
……家を出たあと、出会ったのが前の旦那です。
類
こんな僕を家に迎え入れてくれて、助けてくれた。
類
それで……結婚して、
類
今に至るんです。
司
…そうか、そんな事があったんだな、
司
マフィアの息子か…
司
通りで強盗が来た時、呆気なく退治したわけだ。
司
あの時言いかけた中学生の時、はこの事か?
類
はい……覚えてたんですね。
司
当たり前だ。気になってたんだからな。
類
あの……この事、誰にも言わないでもらえますか?
司
もちろんだ。誰にも言うつもりは無い
司
だが、俺のことも秘密な。
類
はい!
司
よし!少し話過ぎたな。
司
今日仕事をサボってしまったからな。明日が大変だぞ。
類
ゲッ……社長のせいですからね?
司
はははっ!そういう割にお前も楽しそうだったがな!
類
た、楽しんだもん勝ちでしょう!?
司
ああ、そうだな
類
(社長の事、たくさん知れた気がする。)
類
(もっと知りたいと思うのは、我儘だろうか……)
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