テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#薬
KMTK
57
689
レイ
486
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
僕はグレン・フリーマン!
病院の中で僕が産声を上げた時に、 お医者さんはびっくりした顔で僕を見たんだ!
なんでかって? それはね、 僕は生まれつき、足がなかったんだ! …わかりやすく言うと、太ももから下がなかったみたい!
医者
母親
父親
お医者さんが難しいことを言っている間に、 お母さんは謝りながら泣いていて、お父さんは難しい顔をしていたんだ! 二人には笑っていて欲しいのにな
それから、 僕は元気な子供に育って、 周りを笑わせるムードメーカーになったんだ!
足がないから、 普段は車椅子を使って移動しているよ!
みんなは僕を指差して笑ってくれるのに、 お母さんとお父さんはお堅い表情をしてばっかり!
窓から聞こえてくる子供達の遊ぶ声と、 公園で走る姿を見ると、 僕を見ながら涙を流していたの!
母親
父親
グレン
僕は「可哀想な子」として見られ続けていたんだ でも、僕はみんなが思っているより、大丈夫なんだよ
だから、 僕はお母さんとお父さんに向かって、 とびきりの笑顔を見せたんだ!
母親
父親
グレン
グレン
母親
足がない僕が暗いと、いけないんだ みんなから邪魔に思われないようにしないと
それに、暗い顔ばかりだと、 せっかくの幸せが逃げちゃうんだ 笑顔でいると、 全てが上手くいくんだ
僕はずっと、 心のどこかで思っていたから、 みんなに向かって笑いかけたんだ
そうすると、 みんなも僕と一緒に笑ってくれる 僕はそれがとても嬉しかったんだ
笑顔でいると全然上手くいくだなんて、 そんないい話があるわけないんだって、 心のどこかでは思っていた
だけど、そう思わないと、 僕の心が真っ黒になっちゃう気がするから、 一生懸命自分にそうやって言い聞かせていたんだ
それから、 僕は学校に通うようになったんだ!
学校は色々な授業をして、 たくさんのお友達がいて、 とっても、賑やかな場所だったんだ!
クラスメイト
クラスメイト
グレン
クラスメイトのみんなは、 僕を見るなり、手助けをしようとしてくれていたんだ!
階段に行く時に手伝ってくれたり、 通りやすいようにドアを開けてくれたり!
でも、助けようとしてくれているみんなの目は、 時々冷たいように感じるんだ 笑っているのは、口だけだったり
でも、たまにね…
クラスメイト
クラスメイト
棘がある言葉を言ってくる子もいたんだ その言葉はナイフみたいに僕の心をグサッと刺したんだ
でも、幸せが逃げちゃいけないから、
グレン
僕は笑いながら、 車椅子を動かしながら、 教室を出て行ったんだ
教室を出て行こうとしている途中に、 「ふん、最初からそうしてろよ」っていう小さな声が、 聞こえた
体育の時間は、 僕はいつも見学していたんだ
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
朱色の太陽が輝く下で、 クラスメイトのみんなは鬼ごっこをして走り回ったり、 はしゃぎすぎて転んじゃったり、 ドッジボールでボールを投げたりして遊んでいたんだ
遠くから見てもわかる、 濁りのないみんなの笑顔 思い切り歯を見せて笑っていた
その姿は、 本当に楽しそうだった
僕は途中で途切れた自分の足を、 撫でるように触った
グレン
グレン
みんなのことを見守っている、 体育の先生に頑張ってそう言ってみた
だけど…
先生
そう言われて、僕は座らされちゃったんだ でも、僕は一回断られただけで、 諦めたくなかったんだ
グレン
グレン
僕は必死に頭を下げてお願いした
すると、 体育の先生は溜息を吐いた
先生
先生
先生は僕の車椅子を指して、 そう言ったんだ
先生はそれだけを言うと、 僕の元から離れて行ったんだ
グレン
さっき言われたことが、 僕の頭の中から離れなかった
その言葉自体が、 僕に「できない」ということを 押し付けたように思えた
僕はさっきまでなんてことなかったのに、 僕の手が自然と車椅子を、 教室内の方向へ動かしていた
僕は放課後になると、 とある練習を始めた
グレン
それは、 腕だけで歩き、 ジャンプする練習だ
生まれてからずっと車椅子に頼ってきたから、 いきなり歩こうとしても当然うまくいかない
腕が震えて体勢が崩れ、 膝に傷を作り、 僕の部屋からは、 ガタッガタッという無機質な音が響くだけだった
グレン
グレン
それから僕は練習を続けた 何日も、 何週間も、 何ヶ月間も
朝から晩まで毎日、 手がマメだらけになろうと、 膝を痛めても関係ない
休憩もしていないから腕は震えるけど、 僕はそれでも練習を続けた
だけど…
グレン
上手に歩けるようにはならなかった いくらそれが簡単なことじゃないとわかっていても、 いざ実感してみると酷だ
母親
父親
グレン
途中でお母さんに持ち上げられ、 車椅子に座らされた
両親の言葉は励ましのつもりかもしれないが、 僕には「できない」ことを押し付けているようにしか感じられなかった
そして、二人は気づかれていないと思っているけど、 僕はわかっているよ
人に突き刺すナイフのように冷たい瞳 僕のことを「手がかかるめんどくさい子」だと思っているんだね
グレン
気づけば窓の外は真っ暗になり、 夜中になると僕は眠りについた
すると、僕はとある夢を見たんだ
グレン
母親
父親
グレン
それは、 足が生えている僕が、 何もない公園で走り回る… ただそれだけの夢だったんだ!
夢の中の僕は雲ひとつない晴天の下で、 思い切り走り回れて、 テンションが上がってきたから、 たくさん飛び回ったんだ!
だけど、調子に乗りすぎちゃって…
グレン
僕は小石につまづいて転んでしまった
母親
父親
グレン
両親は心配して僕の元へ駆け込むが、 僕は裏表のない笑顔で、 いつものように「大丈夫」と言っていた
そして僕はまた立ち上がり、 元気よく走り回った その姿は、 人によっては舞踏会で踊る踊り子のようにも見える
グレン
グレン
僕はそこで、 幸せな夢から目覚めた
眩しい日光に包まれながら、 寝起きの状態の僕はしばらく一点を見つめる
グレン
喋ろうとすると、どことなく感じる違和感 目の周りが濡れている…? そして、自分でも声が震えていることに気がついた
そして、頬が水に濡れているような感覚がある
頬を触ってみると、指が濡れていた 舐めてみると、少しだけ甘かった
グレン
僕は知らぬ間に、 大きな目から涙を流していた
その日の翌日、 僕は一人で散歩へ出かけた
でも、 僕が見る景色に色味はなくて、 全てが灰色に見えた
中には僕のことをジロジロ見たり、 陰口を叩く人がいたが、 僕はそんなことに気づくことなく、 両手で車椅子を動かしていた
グレン
グレン
僕は街で、「ノクターンフリークショー」と書かれた サーカスのテントを発見する
グレン
これで僕が無視するわけがなく、 興味本位でテントの中に入って行った
グレン
僕がテント内で呼びかけると、 穏やかな足音が、 僕の元へ近づいてきた
ヴィクター
すると、シルクハットを被った紳士的な男性が現れた
グレン
ヴィクター
その男性は自らを「ヴィクター」と名乗り、 自分のハットの鍔を摘んだ
ヴィクター
グレン
僕は見ず知らずのヴィクターに、 「足が欲しい」とお願いした それで生えてくると信じているわけでもなかった
しかし、
ヴィクター
ヴィクターはそう言うと、指を鳴らした その瞬間、僕は猛烈な眠気に襲われて、 その場で眠りについてしまった
僕は強い光に起こされて、 重たく感じるまぶたを開く
そこには縫い目が多い腕… 僕は人形になったのだとすぐに理解した
そして、いつもならないはずの足が…
グレン
前からあったのかのように、 生えていた… ずっと欲しかった僕の足が、生えていたんだ!
グレン
僕は嬉しさのあまり、 どれだけ練習してもできなかった ジャンプをしたり、 そこら辺を走り回ったりしたんだ!
すると、ジャンプの衝撃のせいで、 人差し指が取れて、 床に落ちちゃったんだ!
グレン
普通の人ならびっくりして腰を抜かすだろうね! だけど僕は…
グレン
落ちた指を見ながら、狂ったように笑っていたんだ! だって仕方ないよ! 面白いことでしょ?
あれから何日経ったかわからないけど、 僕がショーの仲間入りをした後に、 新しい女の子がやってきたんだ!
その子の名前は「アリス」 僕はアリスにスペアのパーツを渡すけど、 いつもびっくりされちゃうんだ!
そして、アリスは僕のことを心配しているみたい! どうしてだろう?
おっと! 噂をすればアリスがステージを掃除している!
僕は早速、アリスに声をかけた!
グレン
僕はいつものように、 アリスの近くまで行ったんだ!
ミラードール
グレン
アリスは急に「私はミラードール」だとか変なことを言ったけど、 僕は気にしない! 今からスペアを渡すんだからね!
僕は今日もいい感じのスペアを見つけたから、 アリスにプレゼントをした!
ミラードール
グレン
僕は頭のスペアをアリスに渡したんだ! アリスはこの前から、ずっと様子が変なんだ!
だから、このスペアをつけてもらえば、 いつものアリスに戻るんだって思ったんだ!
いつものアリスならびっくりして箱を僕に押し付けてくるけど、 今回はそうしなかったみたい
ミラードール
グレン
ミラードール
グレン
アリスはそれだけを言うと、僕の元から離れて行った 僕が呼び止めようとしても、 振り返ることはなかった
グレン
どこかが凍りついたような感覚を覚えた おかしいなぁ、ここは南極じゃないよ?
グレン
でも、僕は気にしない 僕が笑顔でいれば、アリスも元に戻ってくれるんだ
僕の足だって、 笑っていたら、ちゃんと手に入れたんだよ?
アリスもそうだよね? 僕が笑えていないから、ずっと意地悪をしているんだよね? それならもうやめてよ 僕はいつでもニコニコしているからさ