ある年の冬
私の大切な人が亡くなった
’’消えた’’の方が正しいかもしれない
あの日も今日のように
雪が降っていた
10年前の冬
出会いは夜の公園だった
私
私
私
その頃両親が共働きで
家に1人でいるのが嫌だった私は
夜遅く近くの公園に出かけては
独り言を呟いていた
私
私
ふと、公園の入口に 人がいるのを見つけた
私
暗くてよく見えなかったが
それは自分と同じくらいの年の
男の子だった
当時フレンドリーだった私は
迷わず話しかけに行った
私
すると、ビクッとして
ユキト
と、口にした
私
と、自分の名前を言って、
私
と、相手に名前を聞くと
ユキト
それから私たちは毎晩この時間に
公園で会っては どんどん仲を深めて行った
いつしか私は高校生になった
ユキトは背が伸び
イケメンでモテそうだなって
思ったのを今でも覚えてる
ひとつ不思議なのは
なぜ、ユキトは高校に行かないのか
と、いうことだった
1度は聞いてみたものの
すぐ言葉を濁らせて
答えてはくれなかった
少し不思議だなと思うだけで
その時の私は まだわかっていなかった
ユキトにとても重大な 秘密があることに
あるとても晴れた日の朝
なんとなく歩きたくなった私は
まだ夜にしか行ったことのない
あの公園に行ってみることにした
公園に着くと、
そこにはユキトがいて、
誰かと話しているのが目に付いた
私
すぐに呼ぼうと思ったが 言葉を呑んだ
話している時に 話しかけたら迷惑だろうから
ユキトが話終わるのを 待つことにした私は
近くの草むらの 裏のベンチに腰掛けた
だが、
10分…
30分…
1時間…
と、全然話が終わらなく、
不思議に思った私はついに
私
と、呼んで出ていってしまった
次の瞬間───────
私
目の前の光景に私は驚愕した
私の目の前には
少しユキトの面影が残った
とても醜い獣のような顔立ち
そして人間とは思えない
白く冷めた色の肌の
私の知らない幼なじみが立っていた
私
ユキトは悲鳴にならない声で
ユキト
っと、目を見開いて驚いた
それもそのはず、
私たち幼なじみにも 全然守らなきゃいけない
「約束」があった
その「約束」の中に
’’夜以外にこの公園に来ないこと’’
というのが含まれていたからだ
要するに私はその約束を破った
その事でユキトに怒られると
思った私は再度驚くことになった
目をつぶって下を向いていた私は
そっと目を開けて
ユキトの方を向いた
すると、ユキトは涙を流していた
ユキト
私
私
彼は有無を言わず
私にこう言い放った
ユキト
私
私は最初どうしてユキトが 別れを告げたのかわからずにいた
でも、声を殺して 顔がぐちゃぐちゃになるまで
泣きじゃくるユキトを見て
察してしまった
’’ユキトが消えてしまうことを’’
その後 ユキトは全てを話してくれた
自分が、人ではないこと。
雪男の生き残りであること
その全てを知った私は
何故か涙を流していた
私
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
ユキト
私
私
ポンポン
私を撫でるユキトの手が冷たい
ユキト
私
ユキト
その時。
白い雪が降り始めた
今までに見た事のない
白く輝く綺麗な雪
私
私は泣いた
堪えきれたものじゃなかった
その瞬間
朝日の光が一層強くなったと思えば
私の目の前にいた
愛しい幼なじみのユキトは
もう、どこにもいなかった
その代わり
ベンチの上には
クマのぬいぐるみと手紙が1枚
置いてあった
私
私
読んでみると
手紙にはこう書かれていた。
○○○の幸せを 1番に願っています ❆ユキト❆
私
私は一生忘れません
今回のお話も読んでくれた方
ありがとうございますm(*_ _)m
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では、
またのお越しをお待ちしております
コメント
8件
感動的な作品だね… 私、こういう作品大好きだわ
とても素晴らしい作品ですね… 憧れます✨
いいお話だね…最高です。