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桜笑

視力低下か妄想か何かなのかな

あの見習いくんにそっくりな走者を思い返す

桜笑

だけど髪型がそっくりで

桜笑

なんていうか…珍しいのに、あれ

そっとハチマキを握りしめる

学園のハチマキは洗って返すのが通常なのだ

桜笑

…先に洗っとこ

桜笑

桜笑

(…視力…前は1.0超えてたよね)

桜笑

(そんないきなり落ちるもんかな…)

桜笑

(…見習いくんにいてほしくて、都合いいように考えちゃった…とか)

桜笑

いや、だったら恥ずすぎでしょ!!!

あたしは確かめたくて、あることを決めると洗濯機にハチマキを放り込んだ

美桜

はいはーい

桜笑

あ、美桜さんすみません

桜笑

聞きたいことが…あって

見習いくんのこと

あれが本当にそうだとしても会長はきっと何も教えてくれないんだろう

だから見間違えじゃないなら…聞きたい

桜笑

…その、美桜さんも4組でしたよね

美桜

うん

桜笑

(見習いくんが名前ないなんて言うから、聞きづらいな)

桜笑

この前、リレーの代理走ってた人って分かりますか?

美桜

あー、もちろん!

美桜

フツーに友達だよ〜

桜笑

桜笑

だ、だったらその人の写真とか持ってたり…!

美桜

あー…あったかな

美桜

写真撮ろうとしてもじっとしてくれないからなあ────

美桜

今日は学校にも来てないし…あ

美桜

そうだ、家来なよ!中等部のころのアルバムになら絶対あるし───!

桜笑

家…

桜笑

(京介くんと、会っちゃわないかな)

桜笑

(さすがに昨日の今日はあっちもキツいよね)

桜笑

(でも告白されたとかあんまり勝手に言わない方が───)

美桜

京介も今日は空くんと遊びに行くらしーから

美桜

2人で写真見ちゃお☆

桜笑

桜笑

(知ってた…いや、違う)

桜笑

(あたしの態度を見て…気を使ったのかな)

桜笑

(でも京介くんがいないのはほんとだろうし、それなら…)

美桜

…っと、休み時間ももう終わっちゃうなぁ

美桜

じゃあ放課後にまた会おっか

桜笑

桜笑

はい!ありがとうございます!

桜笑

ほんとにごめんね、菜乃

菜乃

大丈夫、私もよりたいとこあったから

桜笑

…あ、あのね、菜乃…それと、1つだけ言いたいことがあって…

菜乃

なに?

桜笑

…っやっぱりいいや!

桜笑

また明日ね!!

菜乃

え?うん…

桜笑

お邪魔します…

美桜

いらっしゃーい

美桜

と言っても後で人が来るからちょっとだけなんだけど…

桜笑

いえ、ありがとうございます!

美桜

アルバムはねー、確かこの辺に…

美桜

あ、あったあった

美桜

確か中等部のころも3年4組だったから…

美桜

これかな?

桜笑

…あ

そっとアルバムに触れる

そのクラス写真にいる見習いくん(仮)は1人だけそっぽを向いていて

写真に興味さえなさそうだった

桜笑

(…じっとしてくれないってそういうことか)

アルバムは更に続いていて

だけど修学旅行とかいろんな行事ごとの写真を見ても、カメラ目線のものは1つもなかった

桜笑

やっぱり髪の毛…長いんですね

美桜

知り合い?

美桜

学校にもロクに来てないのにどうして…

桜笑

…分かんないです

桜笑

知り合い…なのかどうかも

美桜

美桜

あっ!

先ほどから棚を漁っていた美桜さんは何かを見つけ出す

引っ張り出されたそれにはこう記されていた

『高等部2年修学旅行』

桜笑

桜笑

これって…

美桜

去年の私たちだよ

美桜

きっとこれが1番最近の写真だと思う

美桜

どうぞ

封筒から写真を取り出す

そこには美桜さんや、何故か会長もたくさん映っていて

本当に何故か、見習いくん(仮)と3人で映っているものもあった

と言っても周囲にばっかり気を向けていて顔はほとんど映ってはいない

桜笑

(友達って…ほんとに仲良いんだな)

そう思ったときだった

〜〜♪

美桜

…あ、来ちゃった

桜笑

へ?

美桜

ごめんねー、ゆっくり来てって言ったんだけど

美桜

今日さ…実はカレシが来る予定だったんだよね

桜笑

ええ!?

美桜さんは立ち上がると扉の方へ歩いていく

桜笑

え、あ、あたしいてよかったんですか!?

美桜

あはは、あっちが早く来すぎただけだから大丈夫だよ

そして扉を開いた瞬間美桜さんはわっと飛びつく

美桜

ビックリしたー?

 

何度驚かせるなと言ったら分かるんだ、死ぬかと思ったぞ…

美桜

ていうか今日ゆっくり来てって言ったよねー?

 

あれ?…悪い、忘れてた

美桜

もー、せっかく後輩ちゃんといたのに

その聞き覚えのある声にチラリと顔を覗かせると

そこにはやはり、あの人物がいた

きみの笑顔が見たいだけ

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