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秘密の放課後バンド

26 - 第26話「怖かった、でも——お前が来てくれたから」

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29

2025年07月22日

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元貴は、人混みに流されながら なんとか屋台の端に逃げ込んだ。

でも……

酔っ払いキモキモおじさん

……お?ひとり?カワイイじゃん、浴衣〜

大森元貴

……っ、誰だよ、近寄んな

酔っ払いキモキモおじさん2

そんな冷たいこと言うなよ〜、せっかくのお祭りなんだからさぁ?
あれ、友達いないの?

大森元貴

……うるせぇ、触んなって言ってんだろ

酔っ払いキモキモおじさん2

ちょ、いいじゃん、ちょっとくらい——

腕を掴まれた瞬間、 心臓が、ズンと重くなった。

大森元貴

(若井っ!!助けて!!)

男の手がさらに近づいて、浴衣の裾を掴まれかけたとき——

???

……その手、どけよ

鋭く冷たい声が背後から落ちる

若井滉斗

その子、俺の恋人。何してんの?

男が目を丸くした瞬間、 滉斗はぐいっと元貴を自分の後ろに引き寄せる。

酔っ払いキモキモおじさん2

な、なんだよ……彼氏?そうならそうと……

若井滉斗

そう言わないと離さねぇって顔してただろ

その声に圧が乗る。 今までどこか甘えてた顔とはまるで違っていた

酔っ払いキモキモおじさん

ち、ちょっと間違えただけだって!
……わりぃよ、じゃあな!

逃げるように去っていった男。 滉斗はすぐに元貴の方へ向き直る。

若井滉斗

元貴……っ、大丈夫?

大森元貴

……ぅ、っ……滉斗……

若井滉斗

元貴、大丈夫……もう、怖くないよ

元貴は、声を震わせながら滉斗の胸にしがみついた。

ぎゅっ、ぎゅっ……って、子供みたいに力いっぱい

大森元貴

…こわかった若井、来るの、遅い……っバカ…

若井滉斗

ごめん、ごめんな……
もう、絶対遅離れねぇから

大森元貴

……ずっと、手ぇ、つないでてって言ったろ……

若井滉斗

……うん。ほんとにごめん
もう、離れない。何があっても

元貴はそのまま、滉斗の胸に顔をうずめて まるで赤ちゃんみたいに、静かにふるえてた

大森元貴

……ん、ぎゅーして……
もっと、ちゃんと、ぎゅー……

若井滉斗

うん、ほら、ぎゅー……
元貴、よしよし…がんばったな…

大森元貴

……もっかい、言って

若井滉斗

好き。めちゃくちゃ、好きだよ
大好き。誰よりも

若井滉斗

絶対俺が守るから

人混みのざわめきも、屋台の明かりも、花火の音も 全部遠くなって。

ふたりの世界だけが、やわらかく、温かく包まれてた。

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