桃赤

俺が恋したのは

小さく揺れる電車の中の君

8月某日

いつもに増して満員の電車

ｶﾞﾀﾝｯ

と音が鳴ったと思えば電車はグラリと揺れ

隣の人にぶつかってしまった

何事も無かったかのように電車に揺られ続ける

｢大丈夫ですか？」

脳内再生されるあの声

かっこよかったな……、

また、あえるといいな

それからというもの、俺は朝の電車でこの前のあの人を探している

今日はどうも電車がガラガラだ

あの日と同じ時間の電車

同じ号車に今日も足を踏み入れる

電車の中に入ったら

彼を探すためにきょろきょろするのが日課になった

へ、//

目、あっちゃったあ、…//

今日いるなんて…ｯ

ってあれ、ちかづいて…くる、？

よく見ると、いやよく見なくてもだけど

イケメンだなあっ、

やべ、俺そんな見てた？

そーいや…なまえ聞いてねや

初対面とは思えないぐらい話せて嬉しかったなあ

あ、そーいや

彼から渡されたのはぐちゃっとした紙に

とても綺麗とは言えない字が書いてある

080………………

へ、連絡先…？！

追加してみるか…ｯ、

あ、やべ。遅刻になる…、！！！

この為だけに今日1日頑張った…、！！

追加……ｯと、！

やったあ、///

なんか送ろ、！

えへへ…っ、/

早く返信こないかなあっ、！！

ﾋﾟｺﾝｯ

そんな通知音が大きく特別に感じたのは気の所為だろうか

案の定、彼からの返信。

胸の鼓動がﾄﾞｷﾄﾞｷｯ…って、うるさい

自分、そんなに楽しみなんだな

……ぁっ、いたいた、！

君と話せる時間が幸せで

このままずっとこの電車に揺られてたいな

なーんて…ね、

気づいたら俺の学校の最寄りになっていて

別れを告げてホームに降りる

それから毎日彼と一緒に学校に行って

時間だけがすぎていく電車の中

そんなある日

結局彼から貰った手紙読む時間なくて

放課後になっちゃったあ、泣

よしっ、みるか…

はじめてぶつかったあの日からすき ずっとずっと大好き 良ければ付き合って

あ、え、へ……？！///

自分でも信じられないぐらい顔が紅くなっているのを感じる

…あっ、えと……れんらく、！！！

この先2人の薬指が埋まることをまだ誰も知らない_____

なんで！こんなに！！

没しかできないのでしょう！！

コツを教えてください泣泣泣