_ 外 _
私の手で阿の息の根を止めた
最初は曇っていた気持ちも、空も、
今ではもう澄み切った青空が広がっていた
ふと手を見る
そこには阿の遺言が残されてあった
右手には
「ごめんな、あと黒羽が好きだったんだよ」
ユ キ
今更、好きって言っても遅いのよ
ユ キ
返事しても届かないじゃない、、
左手には
「ボスは店長だ、殺してくれ」
ユ キ
大丈夫、絶対阿の願い叶えるよ
そう呟いて
小さく息を吐く
そして空を見上げる
でも空は晴れていて目を開けていられない
それで良いのだけれど。
ユ キ
ごめんね、阿
ユ キ
あとありがと
_ 墓場 _
ユ キ
玲依ー、はやくー
レ イ
ほーい
阿が死んでから一ヶ月毎に、墓参りに来ている
今日は玲依と。叶は用事
レ イ
なぁんで亡くなっちゃったのかな
ユ キ
さぁね、私も解んない
吐かなければいけない嘘もある
レ イ
また遊びたかったなぁ
ユ キ
だね、ゲーセン行きたかった
レ イ
阿、楽しく天国(アッチ)で暮らしてくといいねぇ
ユ キ
うん
ユ キ
また来世で逢いたいね、
ぼそっと言った言葉は多分、玲依の耳に届いていない
でもそれで良いんだ
阿に聞こえていれば
ユ キ
じゃあお参りしようか
レ イ
うんっ
阿へ
聴こえていますか。 あの返事、要らないと思うけど伝えておくね。 私も阿、好きだったよ。 でもこの気持ちは付き合いたいとかよりも好きだけでいいと思うんだ。 阿もそれで許してね。 じゃあ、私はまだ今世を生きるから 先に来世行かないでね。 待っててよ?
レ イ
、き!
レ イ
唯綺ー!
ユ キ
ん?
レ イ
随分長かったね
ユ キ
そう?玲依は早いだけだよ
レ イ
えーっ⁇
レ イ
ま、いいや帰ろぉ
ユ キ
そうだね
墓場を出る
それと同時に新たな祈りが生まれる
阿と次出逢える時は、どうか殺し屋でいないで
普通に、何時も通りに笑い合いたいから
そう、天に強く強く祈った
Fin