サイレンの音に起こされたのか
夜中だというのに点々と明かりがつく
その中で、唯一暗い部屋があった
ちょっと休むだけのつもりだった
誰もいない、そう思っていたが
中にいたのは、 まるで眠れる森の美女のような
美しい娘だった
サイレンの音に包まれる中
死んだように眠り続けていた
そう言うと、キラキラと目を輝かせてこちらを覗く
彼女は他人事のように淡々と話した
確かに、俺に殺される方が マシかもしれない
どれも大抵の人ならできることだった
もし俺がこのまま逃げたとして
彼女はこの先も犯され続ける
残酷だ
そんな彼女に同情してしまった
彼女は今にも泣きそうな顔で頷いた
ジリリリリリリリ
辛い過去というのは
最強の武器と化す
ちゅっ
彼女の過去に同情したのもあるだろう
なによりこの過去を持ちながら、 何にも縛られない
この彼女の生き様に
強く惹かれてしまった
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!