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初コメ&フォロー失礼します🙋 凄く面白かったです!心が温められました✨✨ これからも頑張って下さい(๑•̀ㅂ•́)و✧
私が見た中で一番泣いた。最後の終わりかたが。やばい思い出しただけでも泣きそうになっている。
初見です!うわあああ!凄い✨感動しました😭フォロー失礼します!
ひとりぼっちで
隅っこの机に座る私は
ある本に魅了された
母
前田 美羽
母
母
ママから貰った一冊の本
夕空 翼という人物が書いた本だった
前田 美羽
母
前田 美羽
母
母
前田 美羽
前田 美羽
三文字の題名にどんな意味が込められているのか
想像もつかない
君のことも
こんな最悪な人生すらも
全部ひとまとめに愛してた
いいや違うな
君がいたから
こんな最悪な人生を愛せたんだ
でも、もう終わりだ
一つだけ願うとしたら
君の幸せだけ
「誰もがこの愛に涙する」
なんてありきたりな帯からは想像もできないくらい複雑で
綺麗な本だった
結論から言うと主人公は
恋人からも人生からも
安楽死という形で終止符を打った
夕空翼
私は彼の文章に魅了されたのだった
前田 美羽
母
前田 美羽
もう一冊、また一冊と
彼の本が増えていく
死ぬ前に想いを伝えなきゃ
なんてそんなの普通に生きてる奴だから言えるセリフだよ
言えないよ
言ったらその言葉は
これからを生きていく彼女にとって「重い足枷」にしかならないんだから
前田 美羽
彼の作品は
どれも余命という期限付きの主人公の作品ばかりだった
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
話しかけてきたのは白岩くん
クラスの中心的存在で私とは縁のない人
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
珍しく大声をあげてしまい
クラスの視線がこちらを向く
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
もっと遺さなきゃ
俺の生きた証を
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
珍しく潤が彼女を連れてきた
俺を見たらどうなるかな?
…わかりきってるけど
白岩 潤
前田 美羽
その時、部屋の扉が開いた
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
冷たい瞳に綺麗な金髪
そして…車椅子
わかっていたよ
その反応
引いたんだろう?
夕空 翼
夕空 翼
邪魔者は退散…
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
一瞬の沈黙の後
彼女は潤の後ろに隠れてしまった
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
途切れ途切れに一生懸命伝えようとする彼女に
どうしようもない気持ちがこみ上げてきた
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
彼は首を横に振る
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
部屋から物を投げた音がした
白岩 潤
戸惑っているんだろう
あんな真っ直ぐな感想初めて言われたのだから
この出会いが上手く行けばいいのに
彼女が兄の希望となってくれればいいのに
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩君が爽やかな好青年なら
彼は人形の様な綺麗さで
今にも消えてしまいそうだった
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
夕空 翼
一瞬、手が動かなかった
怖い
いつ、この体は完全に動きを止めてしまうのだろう
手が動かなくなったら、俺はもう…
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
非常に気まずい
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
白岩君が出掛けてしまった
仲良くしてねと残して
夕空さんと二人きり
でも憧れの人と話せるチャンスだもんね
色々聞こう…!
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
静まり返るリビング
前田 美羽
夕空 翼
いつだってそうだった
前に潤が彼女を連れてきたとき
俺を見て顔をしかめた
それ以来潤は彼女を作らなくなった
俺さえいなければ…
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
パチン
夕空 翼
夕空 翼
頬に鈍い痛みが走った
手がジンジンと痛い
叩いてしまったのだ
目の前の彼を
でも耐えられなかったんだ
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
私は家を飛び出した
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
初めて、向き合ってくれる人と出会った
そんな人を傷つけた
だから
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
叩いちゃった相手にそんな簡単に会えるはずないでしょう!?
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
何かおかしいと思ったときには遅かった
見覚えのある住宅街に入っていく
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
「白岩」と書かれた家の前で止まる
前田 美羽
白岩 潤
彼を睨みそうになって必死に堪えた
初めてだった
ここで家族以外を待つのは
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
俺は怯える彼女に向き合った
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
俺はそうやって今まで殻に閉じこもってた
でも聞きたくなったんだ
殻にこもった俺を救い出す君の言葉を
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
そういうと彼女は小さく笑った
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
君は、俺の欲しい言葉をくれる
夕空 翼
夕空 翼
家族にも見せたことない涙が溢れた
暫くして涙が止まると恥ずかしくなってきた
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
夕焼け綺麗だよな
夕日まで走るやつやる?
俺ら、走れないじゃん
じゃあ、飛ぶ!
何言ってんだよ(笑)
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
久しぶりに見た
兄さんの楽しそうな笑顔
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
数カ月が経って
放課後はここに寄ることが日課となっていた
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
その言葉に否定をせずに目をそらす彼
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
笑っていったはずなのに
胸が、痛い
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
どうしてだろう
彼女に、過去の女性関係なんて聞かれたくなかった
子供じゃないんだし、この気持ちの名前なんかすぐわかる
でも…
夕空 翼
夕空 翼
死にゆく運命の者が告白して
万が一結ばれたとしても
彼女が一人になってしまう
そんな残酷なことできるわけない
今更自分の作品に痛いほど共感するなんて
白岩 潤
前田 美羽
あの変な気持ちになってから
夕空さんに会えそうにない
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
私が彼を好き?
そんなの…
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
気持ちは伝えない
辛くなるだけだから
そっと初恋に蓋をして終わりにするんだ
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
車椅子に乗る夕空さんに違和感を感じる
車椅子が自動式になっている
前田 美羽
その言葉を遮られる
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
病気が発覚してすぐ
入院した俺に同じ病気の友人ができたんだ
屋上で二人で空を見上げたときにね
夕空 翼
夕空 翼
友人
夕空 翼
友人
夕空 翼
その後友人はすぐに亡くなった
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
優しい君に縋ってしまうズルい俺
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
前田 美羽
その先は言わないで
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
振られたんだ
遠回しに
前田 美羽
前田 美羽
玄関で帰ってきた白岩君に会った
涙を見られたけど、無我夢中で走って逃げた
一人の部屋
彼女には伝えられなかった想い
せめて小説の中だけでは正直にいたい
けれど…
夕空 翼
夕空 翼
その時、乱暴にドアが開いた
夕空 翼
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
彼女にはバレてしまったけど
手がうまく動かなくなって、全自動の車椅子に変えた
夕空 翼
白岩 潤
前田 美羽
白岩 潤
あれから、3ヶ月が経った
彼には一度も会えていない
白岩 潤
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
まるで彼女が俺の動力だったかのように
彼女に会えなくなった途端に
俺はあっという間に身体が動かなくなり
寝たきりとなってしまった
夕空 翼
白岩 潤
夕空 翼
白岩 潤
薄れゆく意識の中、救急車に入れられたのを覚えている
白岩 潤
白岩 潤
不在着信
前田 美羽
白岩 潤
白岩 潤
白岩 潤
通話
00:15
前田 美羽
前田 美羽
私は何も聞かされてなかった
まさかそんなに悪い状態だったなんて…
前田 美羽
前田 美羽
目を覚ましそうにない
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
まつ毛が微かに動いた
誰かが泣いている
前田 美羽
彼女だ
ズルいな…最期に名前で呼ぶなんて
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
喜ばせてごめんね
もう行かなきゃ
でも、一つだけ言わせて
夕空 翼
夕空 翼
夕空 翼
大好き、だったよ
前田 美羽
夕空 翼
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
前田 美羽
夕空 翼
夕空 翼
前田 美羽
俺の心臓は動きを止めた
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
四十九日が明け、私は彼の部屋へと入った
白岩 潤
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
白岩 潤
前田 美羽
前田 美羽
その小説は出会いから何から
名前こそ違うもののほとんど私達のことが書かれていた
前田 美羽
前田 美羽
涙を必死で拭き、キーボードを打ち込む
1年後
女性
女性はベストセラーと書かれた小説を手に取った
男性
女性
女性
女性
結ばれてハッピーエンドなんだ
男性
男性
女性
「夕暮れに愛を」 作 夕空翼
わたしは空の事忘れないよ
たしかに美雲はハッキリとそういった
「幸せになるべきだよ…俺なんか忘れてさ」
「もう、言ったでしょう!」
「あなたの
一生側にいるそれが私の幸せなの」
「死が決められていたとしても私の気持ちは変えられない」
手を二人はそっと重ねた
ルビーのように明るい光が二人を照らしていた