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らん
今日はせっかく外出許可が出たということで
いるまから話を聞いていた病院近くのカフェに朝一番で直行
今日は彼女は用事でいないらしく
俺はひとりでスイーツを食べに来ていた。
沢山の種類のメニューが並ぶ中
俺が選んだのはいちごタルトとカフェオレ。
いちごタルトは結構甘めで癒され
カフェオレはいちごタルトと一緒にいただくので甘さ控えめのやつを頼んだ。
久々の街でのご飯に目を輝かせ、次々と口に運ぶ
記憶はなくても味の覚えはあるようで、なんだか懐かしい感じがした。
多分、前もここに来たことがあるのだろう。
分からないけれど、その時は俺以外にもう1人連れて行った気がする。
あまり乗り気では無い相手を俺が無理やり連行して
結局はふたりで爆食い
そんなことをした気がする…w
らん
ふと、俺の頭にいるまのことが思い浮かんだ
いるまは俺と同じこの世界で生きているはずだ。
では、どこに住んでいるのだろう?
そもそも、俺の元の家がどこかも分かっていないけれど。
せっかく外出許可が出たのだから、現実でいるまに会ってみたい。
店員
店員
らん
考え事をしていたところで、追加注文のケーキとプリンが届いた。
今日はひとりで爆食する予定だ
本当はいるまのことを探してみたいが……
頭を働かせるには糖分が必要。
ということで、俺は一旦考えるのをやめにしてテーブルに届いたケーキを頬張った。
いるま
いるま
午前5時20分
俺は今日、なんとなく早起きをして
近所の道を散歩していた。
夏だからかあたりはもう明るくなっていたが
人は見当たらなかった。
俺は眠たい目をこすって
早めの足取りでコンビニへと向かう。
パパっとコンビニでおにぎりでも買って
朝ごはんを食べながら家に帰ろう。
いるま
コンビニへの道を歩き進めていくと、
途中で曲がり道が何個かある。
中にも、この本通りからは何をしているか見えにくいような路地裏も…。
これは俺のなんとなくの勘だけど
そのやべぇ路地裏で
偽彼女野郎がなにかしている気がした。
見えにくいが、どうやら何人かの人影があるし
これが本当に彼奴だったら、相当やばいことをしてそうだ。
いるま
とりあえず、今回はコンビニを後回しにして
俺は急ぎ足で路地裏へと向かった。
いるま
路地裏へと入る曲がり角で俺は立ち止まり
様子を暫く見てみることにした。
手前側には人はいないようだったので、
目線を少し遠くにやると…
彼女?
あぁ、ほら。
俺の予想は的中だった。
路地裏には
偽彼女野郎と、3人くらいのガタイのいい男達がいた。
俺は面倒事に巻き込まれるのは嫌いだが、仕方ない。
"らん"に関わることだったら嫌だから
俺は少しだけ聞く耳立てて盗み聞きしてやることにした。
あいつらに絶対にバレないよう
音が立たない楽な姿勢を取り、絶対にあちらからは見えないような場所で覗き見をする。
キモイ奴
キモイ奴
キモイ奴2
キモイ奴3
"ターゲット"
その言葉が指しているのは俺なのか、らんなのか、はたまた関係ない誰かなのか……
そんなことは分からないが、とりあえず関わってはいけないことに違いはない。
さっさと警察に通報して、俺は家に帰ろう。
キモイ奴2
ゑ??
彼女?
彼女?
女の最後の言葉を聞くと、男3人組は目に怪しい光を宿らせた。
その瞬間、俺の本能が悟った。
これ以上ここにいると確実に"喰われる"。
周りからの空気に圧迫され、体の芯から凍りつくような寒気が襲いかかる
気づかれる前にさっさと逃げよう
俺は急いで立ち上がり、本通りへと駆けていった。
いるま
と、逃げられると思ったのもつかの間
此処は汚いあまり使われない路地裏。
足元にある缶に気づかず、コケてしまった。
狭い道に響き渡る俺の小さな悲鳴、缶の反響音
やばいと思った時にはもう遅かった
そーっと後ろを振り返ると ...
彼女?
俺の人生終了のお知らせが届いた。