恋する文化祭

きた。

心の中で強く呟いた

この文化祭、私の晴れ舞台

陰キャで体育会系が苦手な私にとって

一番活躍できる場所なんだ

今まではただの自己満足だった

だけど

相変わらず小学生並みの意見が通う

いつもなら、適当に私ができそうなの手を挙げて

その委員長になる

今年もそのつもりだった…

あの人が来るまでは

あの転校生

爽やか系イケメンで、学年からもモッテモテ

陰キャな私に、掃除当番のことで話しかけてくれて

今では私も恋…しちゃってる

だからこの文化祭 私の晴れ舞台で

絶対心を奪ってみせるって決めた…！

今、意見がすれ違って決まりかねないこの時

今私が1つでも提案したら どんなにいい事だろう？

すごい、かっこいい、ありがとうまで言われるかもしれない…

この日の事をずっとイメトレしてた

意見も、言う文も

完全に言えるまで暗記した

もうドキドキするところまでイメージして 克服済みだ

いつでも来い！

まって、いつの間にそんな進んでたの！？

ど、どうしよう

手を上げるか、上げないか しどろもどろしていると

その一言に驚いた

まさか、私の事見ていてくれてたなんて

これは、神様がくれたチャンスなのだろうか？

何度も練習してきたセリフ

今、言う時

心を奪ってみせる時＿！！

みんなの視線が集まる

慣れてない環境はやはり緊張したが

そういう身振りをしてはいけないと自分に言い聞かせ

あえてゆっくり、丁寧に口を開く

私の一言で、静かな空気がザワつく

め、メイド喫茶…

しかも女装ってことは、男子が…

やっぱり

いい意見出したな