私の普通

これから始まるのは、私 柚の物語である。

皆はこんな経験しないことを願ってるよ。

私の父は、私が物心付く前に亡くなってしまった。事故だったそうだ。

父が亡くなってから、母はおかしくなってしまった。私に暴力を振るうようになり、家事は何もしない。

私がまるでゴミかのように扱われるようになったのも、お父さんが亡くなってから。

私は、それでもお母さんを心から愛している。

今日も、学校に行って、普通に過ごして…普通に……

菫は、私の幼なじみ。

とっても可愛くて、優しくて。私なんかにも、みんなと同じように接してくれる。

とっても大切な友達だ。

いいなぁ、親と仲が良くて。親が二人いて。

そんなことを考えながら、上靴を履く。

またいつもと同じように、上靴に画鋲の山。

毎日入れられている訳では無いから、余計に厄介だ。菫と話していると、ついつい上靴を見るのを忘れてしまう。

絆創膏の裏を見ると、保健室の先生の文字で

“貴方ならきっと大丈夫”

と書いてあった。