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その日の深夜、ヴィヒトレイは一人で寝床を抜け出した
眠らないヴィヒトレイは、毎日やってくる夜の時間を様々に過ごしていたが
その日はまだ見たことのない、この世界の「海」を見に行こうと決めた
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
日中に比べればマシではあったが、それでも蒸し暑い夜だった。満月が辺りをぼんやりと照らしていた
突然、ヴィヒトレイの脇腹に何かが勢いよくどしんとぶつかってきた
それは、彼でなければよろめいて倒れていたかもしれないほどに 無遠慮な力のこもったタックルだったが
ヴィヒトレイはそんなものではびくともしなかった
見れば、彼と同じく事務所に寝泊まりしていた筈のダークサイドだった
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ダークサイドとヴィヒトレイは、真っ暗な荒川の河川敷を歩き出した
ダークサイドの小さな歩幅に合わせて、ヴィヒトレイはかなり気を使って歩かなければならなかったが
思わぬ同行者が現れたことに、内心嬉しく思った
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ダークサイド
えっじゃあどうするつもりなんだろう。このままこの場で野宿でもしたいのだろうか
と、ヴィヒトレイが思ったその時
ダークサイドはヴィヒトレイの身体をスルスルよじ登り、 腕の中に子供みたいに収まった
ダークサイド
ヴィヒトレイ
それから、ヴィヒトレイはダークサイドを抱えたまま、ひたすら歩いた
先程までとは違う、大きな歩幅で、まるで鉄でできた、疲れを知らないロボットかゴーレムみたいに ずんずんと湿って重い暗闇の空気の中を突き進んだ
ヴィヒトレイはまだ暗い中でギラギラと輝く工場の明かりや、謎めいて行き交う船を興味深く眺めた
途中、何度となくダークサイドを前抱きにしたりおんぶにしたりしたが、全く意に介さず、と言ったように彼は熟睡していた
3時間ほどそうして歩いたところで、いよいよ海が近いな、ということが 彼の鼻に入ってくる強い潮の香りでわかる
とうとう港に出たところで、丁度東から朝日が登るタイミングだった
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ヴィヒトレイはダークサイド優しくゆすぶって起こしてやった
目を開けた途端に、暴力的な朝日に晒されたダークサイドが、ふざけたように雄叫びをあげる
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイドがまさか自分に礼を言うなんて思いもよらず
ヴィヒトレイは少し目を見開いて、彼の顔を見た
ヴィヒトレイ
その年相応なあどけない微笑みをみると、ヴィヒトレイの心に、愛おしさのような感情が湧き上がるのを感じた
二人は朝日が昇りきるまで、黙って海の向こうを眺めて過ごすのだった。
戻らない!!!!!!
ダークサイド
ダークサイド
ダークサイド
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ
ヴィヒトレイ