執事
国王ー?
執事
今日は出かける予定とかは聞いてないはず……
執事は手帳を取りだしパラパラとめくり、予定を確認する
執事
おかしいな、何も言わずに出ていくことなんてなかったんだけど……
執事
国王ー!
何回呼んでも執事の声がこだまするだけであたりはしんとしている
執事
んー?どうしたんだろ……
右大臣
執事ー!
執事
はぁ、右大臣。声が大きいんだよ
右大臣
お前もたいがいな。で?そんな大きな声出してどした
執事
国王がいないんだよ……右大臣どっかで見た?
右大臣
ん?国王か、どっか散歩でもしてんじゃないの?
執事
でも何も言わずに外出なんて国王がするわけ……
右大臣
あり、予定入ってないのか
執事
うん。
右大臣
俺なんも聞いてねぇけどなぁ……で?国王になんの用なの?
執事
あぁ、新しい国民がね。あの気持ち悪い人増殖器のなかから溢れててさ。俺らの村では手に負えないって事で新しい村に移すーとか、あぁいうの俺と国王の仕事だから俺が勝手に進めちゃいけないんだよね。
右大臣
うわ、アレまだ壊してなかったんだ
執事
そうそう、国王が壊すなって聞かないんだよ
執事
おい、電話鳴ってんぞ
右大臣
……こくおーからじゃん。ちょっと出てくるわ
執事
うん、
右大臣
通話
03:00
右大臣
お待たせ
執事
国王なんだって?
右大臣
いや、執事に予定言わずに出てってごめんねー!だってさ。別に何かあった訳じゃなさそうだし安心したよ
執事
はぁー!よかったぁぁ!
右大臣
ぬわっ?!おまっ、急に耳元ででけえ声出すなよ……鼓膜破れるわ……
執事
それを俺は毎日受けてんだよ
2人でケラケラと笑っていた時、ギイイイと城の門が開いた。きっと国王が帰ってきたのだろう。
右大臣
おぉ!国王おかえりー
執事
おかえり国王。
国王
ただいま。ごめんね執事
執事
国王が無事なら大丈夫だけど、なんで今回だけ?
国王
……まぁ、色々。
右大臣
濁すなよこくおー!
執事
まぁいいよ。取り敢えず国民増殖器から人が増え過ぎてんだけど……
国王
あぁ、大丈夫!増殖器壊しといたからさ!
右大臣
あれ?国王が壊したくねぇって言ってたんじゃないの?
国王
んー、気が変わった。結構国民増えてたしいいかなって。
執事
えぇ!?俺にも言ってよ!
国王
あはは、ごめんごめん笑
執事
国王……なんでそんなに服汚れてんの……?
右大臣
うわっ!血じゃんこれ!
国王
あ、あぁ、あの、……
きゅうにわたわたし始めた国王。何か隠してるのか?と右大臣と執事が疑う
執事
もしかして……柵の豚……
国王
え?あ、ごめんそうそう、
右大臣
はぁー?それ俺の仕事だしぃー?
国王
ごめん、増えてたから少し狩ってきちゃった
どうやら食べるために柵の中に入れていた豚を狩ったらしい。
右大臣
まぁいいけどよ。
執事
なんで豚肉持ってないの?
国王
あ、あの、チェストに入れたんだよ!
右大臣
そっか。
少し動揺した話し方の国王だが、いつもこんな感じだろうと軽く濁していた
執事
じゃあ国民を村に移す……
国王
あ!安心して!村人移しといたから!
執事
え?!
国王
外にはもう溢れた国民や国民増殖器は無いから大丈夫。
執事
まぁ、あんだけ物騒なものがなくなっただけ良かったけど。1人で全部終わらせないでよね?
国王
はは、ごめんね。
右大臣
じゃあ国王は次から予定は言うように。執事はそんな心配すんな。コイツはガキじゃねぇから。
執事
そだね。分かった。だけど少しは不安だからちゃんと言ってよね。
国王
わかったわかった
執事
じゃあ行こっか
国王
ん、そうだね。
右大臣
おう。
右大臣
……?
右大臣
やっぱいいや。
右大臣
おーい待ってー!