テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
静寂の中、シャワーの水音だけが壁越しに響いている。仁は膝の上に組んだ手を見つめて、今日一日を振り返った。ぶつかった瞬間の、あの笑顔。木から庇った時の体温。ナポリタンの味。指が触れた感触。一つ一つが鮮明に蘇ってきて、仁は両手で顔を覆った。
司波仁
しばらくして、瑠衣が風呂場からリビングに戻ってきた。
物怪瑠衣
仁)顔を覆っていた手を慌てて下ろした。
司波仁
風呂上がりの瑠衣は、ポニーテールを解いた状態だった。その姿に、仁は瑠衣を見ることができなかったのかもしれない。
仁)目を逸らそうとして、逸らしきれなかった。喉が鳴る。
瑠衣はドライヤーを持ってきて
物怪瑠衣
司波仁
物怪瑠衣
仁)一瞬固まった。
司波仁
仁)言いかけたが、瑠衣がドライヤーを構えて待っている姿を見たら、断る気が失せた。のろのろとソファから立ち上がり、瑠衣の前の床に背を向けて座る。
ドライヤーが鳴る。
瑠衣)──そして、仁の髪を乾かし終わった。
物怪瑠衣
瑠衣)次は、自分の髪を乾かす。
司波仁
物怪瑠衣
瑠衣)乾かし終わる。
司波仁
物怪瑠衣
瑠衣)みるみるうちに、顔が赤く染まっている。
物怪瑠衣
仁)咳払いをひとつ。
司波仁
物怪瑠衣
仁)目が見開かれた。
司波仁
さすがの仁も動揺を隠せなかった。風呂を借りるのとは訳が違う。同じベッドで寝るということはつまり──。
司波仁
司波仁
物怪瑠衣
瑠衣)仁の手を引いて自分の部屋に連れてく。
仁)手を引かれた仁の心臓が跳ねた。振り払うことはしなかった。できなかった、が正しいのかもしれない。
#ナイトアウル
#ホーク腐イズ
コメント
1件
ああ、もうこの距離感…!風呂上がりの髪を乾かし合うのも、ベッド同じで寝る話も、「え、そこから!?」って一気に進む感じがたまらなかったです。仁が「似合ってる」ってぽろっと言っちゃうところ、自分でも驚いてるのが手に取るように伝わってきました。つばささんの描く空気感、すごく好きです。次の話も楽しみにしてますね🌷