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二つ目、自分についてです
私は母上に逢いたいが為に、幾重を超える死を経験しました。そして今回も、それに変わりはありません。 ですが、傷が増えていくに連れ、胡蝶様に会うたびに
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
初めは何をおっしゃっているのか分かりませんでした。どうして私の心配をするのか。わたしは、死ぬ為に生まれ、母上に逢うために死んでいるのに。
自分は、傷つく為に、死ぬ為に生まれた。ただそれだけ。どれだけ傷ついても、どれだけ死んでも元に戻るのだから
ですがある時、わたしは少しだけ、理解した気がしました。
パァンッ!!
優璃
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
胡蝶様は、わたしの頬に一撃を入れたことで初めて私に怒りを露わにしました。笑顔ではない、怒涛の顔で。
右の頬は赤く腫れ、胡蝶様の手も赤くなっていました。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
優璃
胡蝶しのぶ
パァンッ!!
初めての、感覚だった。こんなにも感情的に怒られたのは、生まれて初めてだった。
2回平手打ちをされ、私の頬は真っ赤。同時に何か纏っていた重たいものが、外れたような気もした。
小さく、溢れるような、声を、だしました……
優璃
優璃
優璃
わたしはその場に膝をついた。抑えていた感情がはちきれそうだった。
優璃
謝ることしか、できなかった。それしか、浮かばなかった。
涙が止まらない。もう泣かないって決めたのに、言うことを聞いてくれない
抑えていた感情が爆発し、赤ん坊のように泣きじゃくる私を、胡蝶様は優しく包み込んだ
優璃
次の日から、私は故意に死ぬことをやめた。
それと、胡蝶様に隠れて自傷をすることが少し多くなった。致命傷を負えば死ねることもできるから……、多分、すぐ気づかれる。
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続きが気になる。