蘇枋
蘇枋
桜
いつも儚い雰囲気を 漂わせている君。 消えてなくなってしまいそうで 少しだけ怖さを感じてた。 君の身体から透けて見える フェンス。 確かにそこに君はいるのに、 まるで景色と一体化している様 だった。
蘇枋
桜
説教をする。 そう口にすると 彼はバツが悪そうに俯き、 頬を少し引っ掻いた。
こうなった経緯を辿ると 数分前。 俺たちが廊下で出会った時の 事だ。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
と少し大口を叩いてみたが、 鼻の奥がツンとするのを感じる。 これが何かの悪夢だったら、 俺の幻覚だったらいいのに。
そんな俺を見て、 桜君はまた不器用ながらに 微笑していた。 彼は本当に、 自分のことに関してはは 疎い。
蘇枋
蘇枋
桜
何時もの癖で、 桜君の手首を掴もうとしたが、 自分の手が宙を空ぶった。 思わず体が硬直して 動けなくなってしまう。 そんな俺を見て、桜君も 少しだけ悲しそうな顔をして見せた。
桜
蘇枋
蘇枋
少しの時間をよういて、 やっとでてきた言葉は か細く、情けない物だった。 桜君も、俺の名前を小さく呼び、 その後は下を俯いてしまった。 辛うじて返してくれた返事は、 こくりと小さく 頷いてくれたもののみ。
2人並んで、 この時間帯は人気がない所へと 歩き出した。 桜君は体をフヨフヨ 浮かしながら、 俺は自分の気持ちを シャンとさせる様に 背筋をピンと正して歩いた。
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
念を押す様に ね?と見つめるが、 桜君は顔を真っ赤にして 叫ぶだけ。 そういう所が 可愛くて、つい揶揄ってしまう。
屋上から吹く強い風が、 桜君の事をすり抜けて 吹いてくる。 タッセルのピアスが シャラリと軽く揺れ、 赤みがかった柔らかい髪が、 ふわりと揺れた。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋
桜
顔を赤く染め上げ 顔を隠す様に 手を添えた桜君からは、 はぁ、という 呆れた様なため息が聞こえてきた。 それを見てまた笑みが零れる。
蘇枋
桜
正座していた姿から 気づけば胡座をかいて 腕を組みうーーんと 考える様な素振りを見せる彼 その姿を見るに、 きっと自分の死因は 分から無いのだろう。
蘇枋
桜
幽霊は何かと自分の事について 記憶が抜け落ちる事が あるみたいだ。 この前バカバカしいなぁと思いながら見た幽霊番組を思い出した。 あの時馬鹿にしていたが、 今になって見ていて良かったと 思った。
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
自分の顔の良さを理解している蘇枋は、目を少しうるっとさせ、上目遣いで桜を見詰めた。思いの他桜には効いたようで、顔を真っ赤にして ギャンと吠えた。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
桜君の表情が不安そうになる。 綺麗で光の宿っていたビー玉の様な 両目で違う色の目は 少しモヤがかかり ぼやけた様に暗くなる。
彼を安心させたくて、 でも根拠が無い事は 言えなくて、 俺はあやふやな言葉しか 彼に返せなかった。
蘇枋
彼の綻ぶ様な笑顔を合図に、 俺たちの冒険が始まったのだ。
コメント
5件
涙腺建築士さん見つかりませんでした😭色んな感情で2人の冒険を見守ります(?)
こんにちは。どっかの誰かさんです 皆様に1つお知らせなのですが、 もしかしたら、「桜先生に恋をする。」 の投稿がストップになってしまうかもしれません。漫画家さんで言う打ち切りみたいな感じですかね…? ストーリーは削除しない予定ですが、 投稿についてはあまり期待ができないかもしれません…… 気乗りがすれば、投稿するかもしれません。 という曖昧なお知らせです…。