僕がクジャクヤママユを展翅板に載せて繕っていると、隣の家の子がやってきた。僕は、
エーミール
と、彼に言った。すると彼が、
彼
と、頼んできたので僕らは上に上がった。僕は、何者かにだいなしにされた蝶をろうそくで照らした。
努力して繕った蝶は、もう元には戻りそうになかった。
彼は言った。
彼
と。何か言おうとしていたけれど、それ以上言い訳はしなかった。
エーミール
心の中では少し驚いていた...彼は、展翅は下手だが蝶への愛は本物だと思っていた。いつか語り合える日が来ると思っていた。
だから驚いた以上に悲しかった。
エーミール
つい、言ってしまった。嘘ではなかった。彼が
彼
と言い始めた。そんな物、どうでも良かった。そんな目で見られてももう遅い。
僕は勝手に裏切られた気でいたから、
ただ無言で彼を見つめていた。何故だか分からないが、涙が出てきそうだった。早く1人になりたかった。
彼は少し考え、こう言った。
彼
失望した。
そんな簡単に、大切なものを人に渡すのか...と思った。
そして僕は言った。
エーミール
酷い事を言ったが、彼もそれ以上の事をした。
殺気を感じたが、彼は何も言わず去っていった。
1人になると気が抜けて、やっぱり涙が出てきた。
僕はこの苦い思い出を忘れる事が出来ないでいる。彼もきっとそうだろう。
あれからしばらくして気付いた事がある。
これは「恋」だと
嗚呼、僕はあの時
エーミール
今もこうして、涙を流す。
コメント
3件
そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。
無いんです!!すみません😭でもそう言っていただけると…考えてみようかな…
続きないんですか?