疾風
…わぁ…
寝室に入った。中はまるでホテルのよう。 シャワーもあるしトイレもある。 ベッドもとてもふかふかだ。
疾風
メンタルやられてたしこれは助かる〜…
見知らぬ所に突如連れられた恐怖を和らげてくれるかのように ふかふかの布団が僕を包む。
疾風
(…今外では警察が僕たちのことを探しているのだろうか)
…体の奥から不安が込み上げてくる。
疾風
(…や、やめやめ!!こんな常識も通用しないようなところでこんなこと考えても
どうしようもないんだから…!!とりあえず今日は寝よう!!
…うん、きっとそれがいい、はず、)
どうしようもないんだから…!!とりあえず今日は寝よう!!
…うん、きっとそれがいい、はず、)
取り乱してしまわないように、その日僕はさっさと寝た。
-翌朝-
疾風
ん、ふあぁ…朝か…
眠い。まだ起きたくない、と思いつつも僕はベッドから起き上がった。 その時だった。
将
疾風!!
疾風
!?!?
将が僕の部屋の扉を激しく音を立てて開けたのだ。
疾風
…しょ、将?どうしたの?
将
い、いいから!!!!早く来て!!
咲鳥さんが…さとりさんが!!大変なの!!
咲鳥さんが…さとりさんが!!大変なの!!
疾風
(さとりさん…スマイルピン留めした女の子か…)
疾風
(…)
嫌な予感がした。僕はすぐに廊下に出た。 全速力でさとりの部屋へ向かう。
疾風
(いや…でもまさかそんな…)
廊下にツンとした匂いが漂っている。 それが僕をさらに不安にさせる。
察知
あ…!!疾風さん!!疾風さん…!!
海琉
……
玲亜
さとりちゃんが!!…!!
疾風
…う…
…さとりさんが、血を流して倒れている。
海琉
…
玲亜
そ、そんな…!!
察知
な、ななな、なんなんですか!?!??
こんな…ひ、人が死ぬなんて!!聞いてないです!!
こんな…ひ、人が死ぬなんて!!聞いてないです!!
ゲームマスター
…
察知
なんとか言ったらどうです!?
ゲームマスター
…私ハ最初ニ注意シマシタ。
将
…は?
疾風
(注意…?注意なんてしてたか…?)
疾風
(…あ…)
…あれが注意だって言うのか…? だとしたらあまりにも…理不尽だ。
佑奏
あ…あの!!
全員
…!
佑奏
あの、今はゲームマスターを責めるより…わなさんをどうにか…!!
察知
あ…
玲亜
ご、ごめんなさい…💦
わな
……
昨日は元気いっぱいだった彼女が、今は小刻みに震えている。 理由を聞いてみれば、わなちゃんとさとりちゃんは友達同士だったという。 …しかも幼馴染。
疾風
…、
将
…こんなとこ出てってやる…!!
察知
わ…わたしも…!
海琉
…やってられねーよ…
疾風
み、みんな待って!!!
必死に叫ぶ。
玲亜
…あなたもそっち側の人間なの?
疾風
ち、ちがう!!
ただ、逆らったら何されるかわからないし…
さとりさんみたいに…みんなもなりたいの!?!?
ただ、逆らったら何されるかわからないし…
さとりさんみたいに…みんなもなりたいの!?!?
将
…!
海琉
…確かにそうだけど
ゲームマスター
ワカッテクレタナラヨカッタ。
察知
へ?
…やっぱりゲームマスターもその気だったのだろう。 「…逆らうものは全員殺す」
疾風
…こんなのって…ないよ…
__僕たちの悲劇はまだ始まったばかりだ。__