テラーノベル

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テラーノベル(Teller Novel)

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くじら🐋

伸び悩みぃ

くじら🐋

なんだ、ただのスランプか…

くじら🐋

てか今後の結末が異世界転生よりも

くじら🐋

ミステリーとか鬱に近い

くじら🐋

なんでなん…(泣)

くじら🐋

まぁいいや

くじら🐋

ではでは

Let’s go↓

フィンのいる病室のまま、

ナチスに今あったことのすべてを話した

何か、に襲われたこと

その何かが大柄で、斧を持っていたこと

そこをイタ王が助けてくれたこと

スウェーデン

…これで、全部だよ

ナチス

……そう、か

話し終えてから、後悔した

ナチスの目に、光がなくなった気がした

俺も恐れてしまうほどの目。

闇を宿したかのような、真っ黒な目。

フィンが見ても、誰が見ても

WW2のあの時を思い出すだろう

俺の大嫌いだった、国の目。

変な刺激をフィンにもナチスにも与えたくなくて

スウェーデン

…場所、変えよっか

そう提案する

ナチス

……そう、だな

思いを汲み取ってくれたのか、頷いてくれる

スウェーデン

(…これからどうなるものか)

スウェーデン

(少なからずソ連…彼奴に協力してもらわなきゃな)

病室に一人フィンを残し、ある場所へ向かった

着いたのは、開けたロビーのような場所

さっき建物の中をぐるっと回った時、見つけたんだ

スウェーデン

(こんな話をするには丁度いい)

向かい合うようにして椅子に腰かけ

目の前を見ると、ナチスは虚ろな目をしている

沈黙のままでもキリがないだろう

なんとなくそれを察して、話を切り出してみる

スウェーデン

…あのさ、ナチス

俺の声がよく響く

スウェーデン

君は……何をするつもりなの?

ナチス

……

ナチス

…何をするつもり?

ナチスの瞳に今までとは違う、

鋭く冷たい光が宿る

ナチス

別に何もするつもりはないが?

スウェーデン

(…嘘か分かりにくいな)

スウェーデン

(こっちの意図に気付いてるのか…)

スウェーデン

(流石、侮れない)

スウェーデン

ならなんでさっきあんな所に居たの?

ナチス

……単純だ

ナチス

お前ならわかるだろう

イタ王君が死んだと思ったから、か

俺の思考がよくわかって___読まれてるんだな

スウェーデン

イタ王君が死んだと断定してたの?

少しだけ、沈黙が続く

ナチス

……スウェーデン

ナチス

お前は俺があいつら_____

ナチス

仮面の奴らの仲間とでも思ってるんだろう

スウェーデン

観念するしかなさそうだな

スウェーデン

……流石だね

スウェーデン

それを知るためにも、

スウェーデン

だから最初に問うたんだ

ナチス

………

スウェーデン

君は…何をする”つもり”なの?

大事なのは「つもり」だ

つもり、ならある程度計画していることがあるはず

この期間に練れるもののレベルで、相手の実力もわかる

ナチス

……俺は

ナチス

ただこの世界で生きたいだけだ

スウェーデン

……?

ナチス

そもそも俺が仮面の奴らとの仲間なら

ナチス

フィンランドの目の前でお前を殺すだろう

スウェーデン

……確かにね

スウェーデン

でも本当はそうじゃないんでしょ?

スウェーデン

君の本当の狙いは何?

ナチス

…仮面な奴らを全員排除することだよ

ナチス

これは此処にいる奴らもそうだ

どうやらこれが本当の狙いのようだ

仮に何か____裏があったとしても

スウェーデン

(俺が知る由もない…か)

スウェーデン

……そう

ナチス

納得か?

スウェーデン

…100%ではないけど

ナチス

それで?

ナチス

此処と同盟は組むのか?

スウェーデン

…フィンに委ねるよ

もう、フィンと対立したくないんだ

スウェーデン

病室に戻って聞いてみる

フィンの様子も心配だからね

…何かあっても、嫌だし

スウェーデン

…それじゃ、またね

ナチス

嗚呼

スウェーデン

それと_______

ナチス

…何かあるのか?

それと、もう一つ伝えておきたいことがあるんだ

これだけは、直接ナチス、君に言いたかった

スウェーデン

イタ王君はもう、

スウェーデン

君が思う以上に強くなってるよ

ナチス

もう一度だけ振り返ってみたナチスの目は、

暖かく優しい、もとの光が差していた

フィンのいる病室に戻るついでに建物を散策中、

あろうことがソ連に声をかけられた

色々あってちょっと気まずいな…

スウェーデン

お、俺に何か用?

俺を見下す上背の彼にそう問う

ソ連

久しぶりだな

スウェーデン

…言うて半年ぶりだけどね

ソ連

まぁな

ソ連

…それと

ソ連

お前はこの世界でも中立でいるのか?

「中立」

スウェーデン

……へ?

俺がかつて中立でいたのはWW2以前

それって、つまり

スウェーデン

また……戦争を起こす気?

ソ連

戦争、と呼ぶべきかはわからないが

ソ連

俺らに危害を加える仮面の奴らがいる限り

ソ連

「排除」という名の戦争を起こすしかない

スウェーデン

また、その中で枢軸と連合とかに分かれないでね?

スウェーデン

俺はもうフィンにあんな顔をしてほしくないんだ

頭の中に、脳裏についてはこびりつく

此奴のせいで苦しそうな顔をするフィンが浮かぶ

ソ連

…嗚呼、重々承知だよ

ソ連

あの時は…本当に悪かった

スウェーデン

………

そんなことを言われたら、 また、思い出してしまうじゃないか。

あの日の、あの夜の、あの時のフィンを。

スウェーデン

(駄目だ……意識が遠のく…)

スウェーデン

フラッ

ソ連

ソ連

_____‼

急に現れた仮面の何かの対応で疲れていたのか 急に眠気と疲労が襲ってくる

そしてそのまま____

俺の意識は耐えられず、堕ちていった

確かこれは……WW2の時かな

フィンがソ連に追い詰められて、 俺にまで影響が来た時の。

その日の夜のことだったはず。

確か_______

フィンランド

……ごめん、スウェーデンッポロポロ

フィンランド

俺が……弱いからポロポロ

スウェーデン

大丈夫だよ………ね?

スウェーデン

だから、……だから

ぴったりな言葉が見つからなかった

何を言っても、フィンには届かないし似合わない

フィンランド

今までもさッポロポロ

フィンランド

散々、傷つけてッグスッ

フィンランド

押し付けて、罵倒してッポロ

フィンランド

なのに、なんでお前は…ッ

フィンランド

そんなに、優しいんだよポロポロ

スウェーデン

………

スウェーデン

(優しくなんて、ないのにな)

フィンランド

お願い……もう見捨ててッポロポロ

フィンランド

じゃないとッ、

フィンランド

不甲斐ない俺を、許せないッポロポロ

フィンランド

……だからッポロポロ

目の下にある濃い隈と、左手首の包帯と、 白い肌に残された縄の跡と、痩せ細った体。

それに相まって今まで見たことないほどの、 弱り切って目に光のないフィンの顔が、

その時のフィンの顔が、あまりにも辛そうで。

スウェーデン

…………

うまく声が、出せなかった。

慰め一つも、言えなかった。

ただ背中をさすって抱きしめることしかできなかった。

でも、それでも尚、戦争は続いていて

ソ連は今日も普通に生きていて

どれだけ憎んでも事実は変わらなくて

それが今の俺らには、痛いほど苦しくて。

フィンランド

……だから、ごめんなッ

そう言い笑うフィン

どこか苦しそうなのに、 救われることを予知しているかのような 少しだけ優しい、安らかな顔

何が起こるのかは、なんと分かっていた。

スウェーデン

待って……ッ

フィンランド

Hyvästi, rakas.

そう静かに笑って、フィンの姿は海へ消えた

スウェーデン

ガバッ

スウェーデン

フーッ……ハーッ……

暗い部屋の中意識が戻る

呼吸がほんの少しだけ荒い

ソ連

お、起きたか

ソ連

おはよ

スウェーデン

って…ソ連⁉

なんでこいつが………俺を……

駄目だ、そんなこと考えたら 頭がまたくらくらしてくる

ソ連

……その様子じゃ悪夢でも見たようだな

スウェーデン

別に…大丈夫だよ

スウェーデン

(ただの過去の話だ)

スウェーデン

(気にする必要なんて…ないだろう)

そう自分に何度も言い聞かせ、 なんとか乱れた脈を落ち着かせる

スウェーデン

……はぁ

スウェーデン

取り敢えずありがとよ…

ソ連

嗚呼

ソ連

それで…体調は?

スウェーデン

別に悪くない

スウェーデン

(なんで此奴こんな過保護なんだよ…)

スウェーデン

どうせ疲労だろ

ソ連

嗚呼、そのようだな

スウェーデン

……で?何したらいいんだよ

ソ連

取り敢えず今日は二人とも

ソ連

此処に大人しく泊まっていけ

スウェーデン

……わかったよ

そういえば……フィンは?

寝ていたのは推定2時間だし 流石に大丈夫だとは思うけど……

スウェーデン

それと…

スウェーデン

フィンのところ、行ってもいいか?

ソ連

嗚呼、大丈夫だろう

ソ連

案内するぞ

スウェーデン

…ありがとな

スウェーデン

(ソ連も少しはまともになったんだな)

もう二度とWW2のようなことが起きないように、 俺ら”国”も変わってるんだ

それなのに、なんでこんな世界に……

スウェーデン

(……今気にすることでもないな)

そう振り切って部屋を出ようとした際

ソ連

お前は

後ろから声がする

ソ連

この世界で戦争がしたいか?

スウェーデン

……なわけないじゃん

あたりまえだよ、そんなの

ソ連

もう侵攻するつもりはないが

ソ連

……フィンランドをちゃんと守れよ

スウェーデン

……わかってる

変なソ連の気遣いをよそに、

フィンランドの病室へと足を速めた

コン、コンッ

軽くフィンのいる部屋をノックする

…だが数秒待っても反応はない

スウェーデン

(……まだ寝てるのか?)

不審に思いながらも病室に入る

スウェーデン

……⁉

スウェーデン

フィン……?

俺が入った部屋に、フィンの姿はなかった

スウェーデン

(…トイレか?)

スウェーデン

(……でも…ライフルもないな…)

フィンがこの世界で必要かもと購入したライフル

それすらもない、ということは なんとなく何が起こっているかは予想できる

スウェーデン

(……仮面の奴らの元…‼)

でもフィンは自ら危険を冒しに行くか…?

スウェーデン

………どうすれば

行方が分からない以上下手に追うこともできない

だがこのまま危険に晒していていいのか…?

スウェーデン

(今できる、最善を尽くせ…)

スウェーデン

出るとしたら玄関か窓だよな…

スウェーデン

……そうなれば

話を聞く以外に手はなさそうだな

スウェーデン

って……ん?

ベッドの下に一枚の紙切れが落ちている

「Odota siellä.」

スウェーデン

……!

スウェーデン

フィンの字だ……

スウェーデン

(なんで……この状況を見越してるかのような…)

嫌、でも……悪い決断じゃないかもな

フィンの狙いがもし

もし「彼」だとするなら_____

それでもしノルウェーにも会えるなら___

スウェーデン

……此処で待つのが、賢明だよな

そうして一人、病室でフィンを待つことにした

その状況に転機が訪れるのは、数十分後だ。

異世界トリップ、CH!

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