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芥川龍之介
芥川龍之介
部下の一人も居ない会議室で、敦を呼び止めるのは芥川だった。
敦は驚いた。
別れてから、芥川の意思で敦に話しかけたのは、もしかすると今日が初めてかもしれない。
だから、敦は余計に驚いたのだった。
中島敦
芥川龍之介
芥川龍之介
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
芥川龍之介
芥川龍之介
芥川龍之介
芥川は踵を返し、会議室から出る。
その後ろ姿さえも、敦の心を揺れ動かすには十分すぎた。
やっぱり、敦は芥川のことが好きなのだ。
今でも恋仲関係であった頃の彼の笑顔が脳裏に浮かんでしまう。
今でも視界に入れば、嫌というほど見惚れてしまう。
彼のどこがそんなに良いのかと問われると、返答に困ってしまうが、
やはりどう抗っても、好きなのには変わりなかった。
また、その覇気のない気だるそうな腕で、しつこく抱いてほしいと願ってしまうほど、
彼を好いている。
中原中也
中原中也
少し赤みかかったような綺麗な茶色の髪の少年が、こちらへ近づく。
心配そうな顔をしていた。
中島敦
中島敦
中島敦
中原中也
恥ずかしそうに口を尖らせ下を俯くのは、敦の弟子である中原中也だ。
彼は敦がこのヨコハマの街を視察している時に出会った人だ。
異能が制御できず苦しんでいたから、芥川の弟子である太宰治を強制的に呼び、まるで英雄の如く中原を拾った。
(その後、芥川にこっぴどく叱られたのだが。)
その英雄気取りがなかなか中原に響いたのか、今ではすっかり敦の虜なのである。
敦も中原のことは良い弟子だと思っており、ここを去るまでは良い扱いをしようと心がけている。
そう、言い忘れていたことがあるのだが、敦は良い頃合いになったら、マフィアから抜け出そうとしている。
先ほどはマフィアに生きがいを感じているなどと申したが、それは昔の敦であり、今の敦ではない。
やはり、目を背けられなかったのだ。
己が、人を殺したという事実に。
今でも、院長先生の言葉が敦を縛り付ける。
だから、今の今になるまで抜け出すという選択を渋った。
院長先生
今でも、心を痛め縛り付けるのだ。
もう、十年もあの人には会っていないのに。
今でもあの人の言葉は敦の中で轟々と生きている。