春の訪れ

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目を瞑れば彼が桜の花びらにキスしている様子が浮かんでくる。なんだか切なそうに大切な人を思うような瞳をしていた。なんだかかっこよすぎて…

小さく、彼へのカッコよすぎるんだよバカ！という悪態を着いた

ってするつもりだったのに

なんてまた次の日になっても悪態をつく。軽くため息を落とす。すると…

待って…昨日の人…！//また顔が熱くなる。しかも近くのカウンター席に座らされる。店員さん！嬉しくないような嬉しいような…！とりあえず大きめのアイスコーヒーを頼む。絶対顔赤くなって熱くなるだろうから…

彼を知りたい

そう思って会話を盗み聞きしてしまう。良くないことだし罪悪感すごいけど…あ、アイスコーヒー飲んでる。俺と同じだ…やっぱりコーヒーが似合うなぁ…なんて思う

Ifさん…。名前Ifって言うんだ…。知らなかった。名前知れて嬉しかったけど…楽しそうに話している様子を見てお付き合いしているのかな…なんて思う。もしそうだったら俺失恋じゃん…w春が訪れたかと思いきやまた離れてく

やっぱりかっこいい。すごいエレガント。貴族の方見てる気分。そう思うと俺って釣り合わないなぁ…なんて思って落ち込む

なんて叶わない恋をしたのだろうか…そういえば初恋は実らないとか言うよな…なんて悲しい現実だよ…

隣に彼が座ってきた。驚いて反射的に立ち上がってしまったが、Ifさんに優しく座らされる。嘘…//バレてた…？//そう思ってまた顔が熱くなる。飲もうと思っていたアイスコーヒーでもきっとこの熱は冷めないだろう

盗み聞きしてたなんて言えない…なんて誤魔化そうか迷っていた時…

恥ずかしくて体を冷やすためアイスコーヒーを勢いよく飲む。あぁ〜//Ifさんの顔見れないよ〜//俺何言ってんだよ本当に〜//

少し悪戯に唇に人差し指を当てる彼。なんだか幼く見えて可愛いななんて…

内藤。そう呼ばれると同僚や仕事の人が思い浮かぶ。すると…

また優しく笑う彼。この優しく笑うﾌﾌｯて感じすごく好き。さっきももしかしたら俺の顔色伺っ呼び方変えてくれたのかな…仕事のこと思い出しちゃうかもって思ってくれたのかな…

綺麗なピンク色のケーキが目の前に来る。色鮮やかだけどなんだか淡い色をしていて、ケーキいちごの隣には桜の花が乗っている

2人だけの。それがなんだか特別に聞こえて胸が高鳴る。そんな俺に追い打ちをかけるように…

この人はどこまで俺の心を○す気だろうか…もう心臓持たなそうだ。バクバク言ってるし体が熱くて仕方ない。アイスコーヒーのアイスも溶かしてしまいそうだ

すると今度は頬に手を当ててきた。触られたら余計体が暑くなってしまう。でもなんだか嬉しい。そんな感情がぶつかり合って…

結局また目を逸らしてしまった

美味しすぎて黙って黙々と食べてしまった。何も話せなかった…てかむしろ話す方が無理だったような…

口端に着いてたピンクのクリームを取ってくれたがそのまま彼は食べてしまった。さっきまで美味しくケーキを食べてた自分が不思議だ

行かないで…まだお話していたい。って言っても話なんてできるほど心臓は落ち着いていない。でも…この幸せな時間をまだ…

そう言って軽くお辞儀をして、だいぶ多めのお金を置いて立ち去ろうとしていく彼

まだ話したいことは沢山ある、聞きたいことも。もっとIfさんを知りたい。だから…

立ち去る彼の手首を掴んで、昨日聞きたかったことを聞いた。どうせまた顔が赤いんだろうけどもうそんなの知らない。またあなたに会いたい。その一心だけだ

Ifさんの連絡先をゲットしてしまった…！嬉しくて変な声が出てしまった。すると

次は好きなデザート聞きたいな…

ずっと顔真っ赤して、必死に俺のこと知りたいって…言ってくれた

顔が赤いから心配して頬を触ったら、視線を逸らす君。春の日に照らされて、綺麗な桃色。昨日の桜のようだった

美味しそうに桜のケーキを食べる君。食べてるその様子が可愛くて仕方なかった。ずっと君を見ていたなんて口が裂けても言えない

また必死に顔真っ赤にしている君。その様子も愛おしくて仕方なかった

そう思ってベンチに座る。ふぅと一息つく。君のことを考えるとなんだか上手く頭が回らないし心臓がうるさくなる。俺が落ち着かない