優太
夜の学校前につくと鍵のかかった校門に 寄りかかるようにして蹲る大飛を発見する
優太
大飛
優太
顔を上げた大飛の顔には 頬に殴られたような痣があり 唇は切れて血が滲んでいた
大飛
思わず手を伸ばすと体を縮こませて怯える大飛
優太
大飛
よく見てみると大飛は裸足で シャツのボタンは外れていて そこから見える体にも痣があった
優太
大飛
自分の奥底から湧き上がる黒い感情 それを抑え込み怖がらせないように 大飛の顔を覗き込む優太
優太
大飛
大飛は言いたくないと言うように顔をそらした
優太
大飛
大飛
優太
持ってきた上着を大飛の肩にかけると 背中を大飛に向けてしゃがむ優太
大飛
優太
優太
優太
大飛
俯く大飛
優太
大飛
優太
優太が返事をすると遠慮がちに肩にかかる腕 ゆっくりと体重をかけてきた大飛をおんぶして 優太は家の方向に歩いて行く
大飛
優太
優太
背中から聞こえる荒い呼吸と ガタガタと震える体を感じながら 優太は来た道を急いで戻った
大飛を連れて家に帰ってきた優太
ソファーに降ろすと膝を抱えて 震える体を抱いて身を小さくする大飛
大飛
優太
優太がそう言うとフルフルと首を横に振った
優太
優太
大飛の顔を覗き込みながら できるだけ優しく問いかける優太
大飛
不安でいっぱいの瞳と目が合う
優(まだ…無理そうだな)
優太
優太
そう言って大飛から距離をとろうとしたとき
大飛
優太
優太の手を震える両手で 弱々しく掴む大飛
大飛
不安に揺れる瞳からぽろぽろと溢れる涙 縋るような表情を見せる大飛を 今すぐにでも抱きしめたくなる
優太
優太
大飛が頷いたのを確認して ソファーに座る大飛の目の前に座る優太
掴まれた手はそのままに 濡れた瞳と見つめ合う
暫くして震えが少し落ち着いてきた大飛
だが、その反動なのか 熱が悪化しているようだった
手は熱く、顔は青白い 呼吸は浅く、目は虚ろだった
優太
大飛
優太
優太
優太がそう言うと掴まれた手が ゆっくり離された
着替えと救急箱、タオルを持って 戻ると顔を膝に伏せている大飛
優太
大飛
優(結構高そうだな…)
大飛に服を手渡したときに 少しだけ触れた手がかなりの熱さだった
大飛
優太
優太が大飛に背を向けると 大飛は着替えだした
大飛が背後で着替えている 布がすれる音だけで 優太の心臓がドクドクと激しく鳴った
大飛
着替え終わった大飛に振り返り 救急箱を手に取る優太
優太
大飛
優太
優(体は見られるの嫌なんだろうな) (顔だけでもさせてくれて良かった)
消毒を終えると大飛をベッドまで 連れていき布団をかけてあげた
ベッドまで運ぶ際、大飛の震えは起きなかった
ベッド際に腰掛ける優太を 不安そうに見上げる大飛
優太
優太
大飛
優太
大飛
優太
優太
大飛
大飛
大飛
大飛
大飛
優太
優太
大飛
優太
優太
大飛
優太
大飛
大飛
大飛
大飛
大飛
不安と恐怖に揺れる光の無い瞳が 優太を真っ直ぐ見上げている
優太
布団ごと大飛を包んで抱きしめる優太
優太
優太
優太
優太
優太
優太
その日優太は初めて 自分の意思で大飛を抱きしめた
腕の中で寝息を立てる大飛を見つめる優太は 先ほどの大飛の言葉を思い出していた
優太
優(人造人間…?) (いや、そんなことは無い) (痛めつけられれば傷付くし) (痣だってできて血も流れる) (怖いことがあれば怯えるし) (悲しいときは涙が出る) (楽しそうに笑っている顔も) (嬉しそうに喜んでる顔も) (俺のことを呼び出すときの) (子供っぽい仕草も) (全部大飛くんのものなのに)
優太
優太
何となく大飛の様子から 家族が関係していると思っていた優太
優太
優太は大飛に内緒で 大飛の家のことを調べることにした
コメント
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書くのうますぎだろ!ダレダヨコンナテンサイウンダノ!
さいこぉぉぉう