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深い闇の中に広がる、異型の空間
何処からともなく響く脈動音
壁も床も、まるで生き物のように蠢いていた
そこは、鬼舞辻無惨の居城
呼ばれること無く来て良い場所ではない
だが、蓮華は自ら足を運んでいた
『 時透無一郎を破壊 』
と言う任務を遂行出来なかった報告のために
鬼 舞 辻
無惨の声は冷えきっていた
その声一つで、空気が重く沈む
圧迫感は、呼吸を忘れさせるほど
蓮 華
蓮 華
静かに頭を下げる蓮華
その背筋を、黒い液体のような触手がなぞる
鋭く、ぬめりを持ち、息づくように
鬼 舞 辻
その問いは一切の感情を含んでいなかった
怒っているのか、失望しているのか、それとも──
もう関心が無いのか
蓮華は唇を微かに噛み締めた
その痛みで、自分がまだ理性を保っていることを確かめる
蓮 華
蓮 華
鬼 舞 辻
──空間が震えた
音も無く、気配も無く、ただ存在だけが蓮華の目に映る
無惨の目が蓮華を射抜くように見下ろす
怒りでも無く、狂気でも無く、ただ──
冷たい無関心の地獄だった
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
蓮 華
鬼 舞 辻
鬼 舞 辻
黒い気配が蓮華の喉元に絡み付く
頚椎を砕く寸前で止まり、皮膚に爪が食い込む
鬼 舞 辻
蓮 華
蓮 華
蓮 華
そう言わなければならなかった
彼の前では、どれだけ気持ちが揺れても、意思は許されない
蓮華の心の奥底で、霞のような痛みが広がっていた
無一郎を殺さなかったこと
殺せなかったこと
鬼 舞 辻
その一言と共に、蓮華の喉を絞めていた触手が音も無く解けていく
蓮華は一礼し、その場から下がる
背を向けたまま、視線を戻さずに
だが、心は確かに叫んでいた
蓮 華
蓮華の中で、鬼としての使命と、人としての想いが、確実に乖離し始めていた
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