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et

夏に、また引っ越すの

et

遠くに行くからそのうちいなくなる

yan

なんだよ、それ.......

et

昔から転校してばっかりなんだ

et

どうせお別れするから友達も作らないようにしてるの

苦し紛れにしては上手な嘘だと思う

転校ならクラスから 姿を消しても違和感はない

yan

........そう言うことだったんだ

息を吐いてyanくんが手を離す

掴まれていた部分には 指の痕一つ残っていなくて

なんだかとても悔しかった

yan

ごめん、変なこと聞いて

yan

etさんがあまりにも重なったから......不安になったんだ

et

重なったって.......?

聞いてからハッとした

今日の放課後昇降口に向かう廊下で 聞こえた話を思い出す

yan

俺の幼馴染と。

yan

家が近くて、幼稚園の頃からずっと一緒だった

yanくんは一旦間を置いて 少しためらった様子を見せた

そして目の前にかざした 手をぎゅっと握った

yan

でも、いなくなったんだ

yan

小6の冬に。

yan

前日まで普通に学校に来てたのに、突然姿を消した

et

そんな.......

yan

借金を返せなくなって、家族で夜逃げしたんだ

yan

.......って、これも随分経ってから知ったことだけど

yanくんの表情には悔しさが滲んでいた

きっと、幼馴染を失ってしまった ことを後悔しているんだろう

なんで気づかなかったんだろうって

たぶん、私の病気が見つかった時の hrくんとno兄みたいに

et

私と、その子は似てたの?

yan

いや.......

yan

でも、重なった

yan

最後に見たnaさんの姿と、etさんが

重なったと言うのならきっとその子は とっても苦しかったんだろうな

本当はずっとyanくんの 隣にいたかったはずで

でも現実はそれを許してくれなくて

最後にyanくんとバイバイした時 その子はどんな気持ちだったんだろう

私には関係ないと思いながらも

胸が痛んだ

翌日、授業が終わり席を立とうとした 私の前にyanくんが立ちはだかった

yan

保健室には行かせないよ

腕を引っ張り、教室の 後ろの方へ連れて行かれる

誰がどう見ても不思議な 組み合わせの私たちを

クラスのみんなが驚いた様子で 見ているのがわかった

yan

今日からetさんも一緒ね

そんな言葉と共に私が 投げ入れられたのは

yanくんがいつも 一緒にいるグループだった

yanくんの他に 男の子が1人女の子は1人

男の子はいつもyanくんと一緒にいるur

女の子は親睦会の話が出た時に 声をかけてくれた子だった

ポニーテールヘアの元気めな子 夜宮rnちゃん......だったはず

ur

お!いらっしゃい、etさん

rn

urさん、そっちの椅子とってください

突然の私の登場にも関わらず 歓迎ムードの2人

et

ちょっと、yanくん!どういう.......!

なんで勝手なことするの!?

yanくんの制服の裾を引っ張ると 振り返った彼が私を見下ろす

yan

どうせ別れることがわかったって、今etさんが1人で過ごす理由にはならないでしょ

et

え......

ur

いいから、座って!

準備してくれた椅子に強引に座らさせる

yan

お腹すいたー。早く食べよ

rn

そっちの机、もうちょっと寄せてください

私がいても賑やかな空気は相変わらずで

逃げ出すタイミングを失ってしまった

隣に座ったyanくんを見るけど 彼は楽しそうにurと言葉を交わしている

1人でいるって決めたのに.....

そう思う反面、嬉しいと感じて しまっている自分にも気がついていた

複雑な気持ちを抱えながらも、 用意してくれた机の上にお弁当を広げる

すると正面からrnちゃんが 私のお弁当を覗き込んできた

rn

わ、etちゃんのお弁当美味しそう

ur

え、ほんとだー、それ何?

et

えっと、ポテトにベーコン巻いたやつ

et

hrくんが、よく作ってくれるの

rn

え、hrくんって転校してきた3年の先輩のことですか?

et

そ、そうだよ

rn

あの先輩、etちゃんのお兄さんだったんですね....!!

rn

お弁当まで作ってくれるなんていいなぁ!

hrくんを褒められたことが嬉しくて 思わず口元が緩んでしまう

ur

etさんも料理できるの?

et

まぁ、一応。簡単なものだけど

rn

すごいですね!rn、全然できないから尊敬します!

ur

rnさんも、見習えよー

urのからかいにrnちゃんは すかさず噛み付く

rn

余計なお世話です!urさんはさっさとお弁当作ってくれる彼女を作ればいいんじゃないですか!?

ur

無茶言うなよ!そんな簡単にできたら今頃苦労してないだろ

誰かが話して、みんなが笑う

こんな暖かい空間はいつぶりかな

rn

あ、etちゃん!rnの名前は夜宮rnです!

et

知ってるよ

rn

知っててくれたんですか?嬉しいです!

rn

rnのことはrnって呼び捨てにしてくださいね!

et

うん.....rn

rn

っ!可愛いですっ!

こんなに明るく接してくれる子が いるのはいつぶりだろう

ダメだとわかってるのに、 ここにいたいと思ってしまうよ

1人は寂しい

温もりを知らなきゃ、 気づかないままいられたのに

これも全部、yanくんのせいだよ......。

余命半年の私が最後に紡いだ物語

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654

コメント

4

ユーザー

でもある意味yanくんに感謝だよね 最後の時間を楽しもう

ユーザー

神作すぎる…🫶🏻‎💗 ほんとに書くの上手いですね!! 尊敬します!!✨ 続き楽しみです!!

ユーザー
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