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ー中庭前ー

敦也と竜也の前に現れたのは、最上級生の宙(かなた)だった。

宙(かなた)

よォ…

四 敦也(あずま あつや)

ども…

四 敦也(あずま あつや)

(軽く会釈して去ろうとする)

宙(かなた)

ちょ!

宙(かなた)

そんだけで帰んの?

宙(かなた)

冷てェな~…

宙(かなた)

(ニヤニヤ)

四 敦也(あずま あつや)

別に…

宙(かなた)

それが、先輩に対しての

宙(かなた)

態度なんか?

四 敦也(あずま あつや)

だから?

四 敦也(あずま あつや)

(苛立つ)

宙(かなた)

まァいいや…

宙(かなた)

隣のヤツは?

宙(かなた)

竜也とか言ったっけか?

宙(かなた)

(ジロジロと竜也を眺める)

四 竜也(あずま たつや)

あっ、はい!

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也です!

四 竜也(あずま たつや)

(カッチコチになる)

宙(かなた)

ふっ…何緊張してんの?

四 竜也(あずま たつや)

ご、ごめんなさい…

四 敦也(あずま あつや)

行こうぜ!竜!

四 敦也(あずま あつや)

(竜也の背中を押す)

宙(かなた)

またじっくり話そうぜぇぇ!

宙(かなた)

(ニヤニヤ)

二人は、その場から逃げるように去った。

四 敦也(あずま あつや)

大丈夫か?

四 敦也(あずま あつや)

(竜也の背中を撫でる)

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

だ、大丈夫!

四 竜也(あずま たつや)

(少し大きな深呼吸をする)

四 敦也(あずま あつや)

さっきのヤツな?

四 敦也(あずま あつや)

4年の宙ってんだ

四 敦也(あずま あつや)

あんまり関わんなよ?

四 竜也(あずま たつや)

4年生だったの?

四 竜也(あずま たつや)

タメ口だったよね?

四 敦也(あずま あつや)

先輩って感じじゃねェもんよ~

四 竜也(あずま たつや)

で、でも…

四 敦也(あずま あつや)

宙…昔は仲良かったんだぜ?

四 敦也(あずま あつや)

ガキの頃は、よく遊んでたしな

四 敦也(あずま あつや)

でも・・・

四 竜也(あずま たつや)

・・・でも?

四 敦也(あずま あつや)

中学に入る前から

四 敦也(あずま あつや)

急に悪くなっちまって…

四 竜也(あずま たつや)

そうなんだ~

四 敦也(あずま あつや)

あァ・・・

四 敦也(あずま あつや)

でも、過去の出来事だ…

四 敦也(あずま あつや)

お袋さんが亡くなってからだな…

四 敦也(あずま あつや)

アイツが豹変したのは…

宙は母子家庭で育ち、その母親は宙が小学五年生の頃に、過労死で亡くなり、その後から宙は悪くなった。

四 竜也(あずま たつや)

大変だったんだね…

四 敦也(あずま あつや)

だろうなァ~

四 竜也(あずま たつや)

宙さんって、親って居ないんだよね?

四 敦也(あずま あつや)

あァ~アイツな?

四 敦也(あずま あつや)

寮長の家に、厄介になってんだよ

四 敦也(あずま あつや)

息子の輝星と、仲いいからな~

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

・・・へぇ…

四 敦也(あずま あつや)

どうした?

四 敦也(あずま あつや)

元気ねェけど…

四 竜也(あずま たつや)

だ、大丈夫!

四 竜也(あずま たつや)

じゃあ、僕は帰るね?

四 敦也(あずま あつや)

あ、あァ…

四 敦也(あずま あつや)

またな~

四 敦也(あずま あつや)

(手を振る)

四 竜也(あずま たつや)

(手を振って走り去る)

ー学生寮前ー

子分を引き連れた輝星(らいと)が、寮の入口から出てきた。

輝星(らいと)

お前、2年生の四 竜也だったよな?

四 竜也(あずま たつや)

は、はい!そうです!

輝星(らいと)

四 敦也ってヤツとは仲良かったっけ?

四 竜也(あずま たつや)

はい。同じクラスなので…

輝星(らいと)

ふ~ん…

輝星(らいと)

輝星(らいと)

アイツとは、関わらない方がいいと思う

四 竜也(あずま たつや)

えっ?どうして?

輝星(らいと)

4年生の宙って知ってるか?

四 竜也(あずま たつや)

あ、はい!

四 竜也(あずま たつや)

さっき、学校で会いました

輝星(らいと)

じゃあ、敦也とも仲良かった事は?

四 竜也(あずま たつや)

それも、敦也君から聞きました

輝星(らいと)

だったら話しは早いな!

四 竜也(あずま たつや)

…えっ?

輝星(らいと)

宙から聞いたんだけどさ…

輝星(らいと)

敦也はお前の事を学校から

輝星(らいと)

追い出そうと企んでるって話しだ!

四 竜也(あずま たつや)

そんなの嘘だ!!!!!!

四 竜也(あずま たつや)

さっきまで、敦也君と一緒に居た!!

四 竜也(あずま たつや)

そんなの、感じらんなかった!!

輝星(らいと)

嘘じゃねェよ…

四 竜也(あずま たつや)

僕は信じない!!

輝星(らいと)

マジだって…

輝星(らいと)

信じらんねェなら

輝星(らいと)

敦也自身に直接聞けよ

輝星(らいと)

じゃ…忙しいんでまた…

四 竜也(あずま たつや)

ちょっ…!!

輝星は、子分達とどこかに行ってしまった。

寮に帰った竜也は、普通では居られなかった。 あの敦也が、竜也を学校から追い出そうとしているなんて、信じられない。

でも

輝星が言った事は、本当なのかもしれない…。

仲良く接して、その後雑巾を捨てるみたいに、竜也を追い出すのかもしれない。

この考えが、頭から離れなくなった。

敦也とどんな顔をして会えばいいのか、分からない。 小さな心は、張り裂けそうになっていた。

次の日から竜也は、学校に行けなくなってしまった。

頭痛から始まり、腹痛、胃痛、風邪と、次から次に仮病を使い学校を休んだ。

寮生活の生徒が病欠した場合は、二次感染防止で、友達等のお見舞いは禁止されていた。

その為なのか、誰一人として竜也を見舞う生徒は居なかった。

ー竜也の部屋ー

学校を休んで、10日を過ぎようとしていた。

四 竜也(あずま たつや)

ふぅ…

カーテンを少し開けた。

寮は高台に建っている。 学校の校庭が、寮の部屋から見えるのだ。

校庭では、敦也のクラスと別のクラスがサッカーをしていた。

四 竜也(あずま たつや)

あっ!!敦だっ!!

四 竜也(あずま たつや)

(その姿を目で追う)

切ない思いが込み上げて、耐えきれなくなった竜也は、ベットに潜り込んだ。

四 竜也(あずま たつや)

うぅぅぅぅ…

四 竜也(あずま たつや)

敦……会いたいよぉ…

誰にも相談てきずに、心に閉じ込めてしまった思いが涙となって流れ出た。

敦也に会いたい気持ちだけが膨らみ、どうすることもできなくなっていた。

ーその日の夜ー

竜也は、窓から寮の部屋を出た。

外灯を頼りに、行った事もない敦也の家を探す。

ー住宅街ー

暫く歩いたら、人影が見えた。

近付いてくる人影。

その人物は、竜也が会いたがっていた敦也だった。

四 敦也(あずま あつや)

…えっ?

四 敦也(あずま あつや)

・・・竜か?

四 竜也(あずま たつや)

敦!!!!

竜也は、敦也に抱きついた。

四 敦也(あずま あつや)

どうしたよ!?

四 敦也(あずま あつや)

なんかあったのか?

四 敦也(あずま あつや)

もう出てきて大丈夫なのか?

普段通りに接する敦也に、竜也は安堵する。

四 竜也(あずま たつや)

聞きたいことが…あって…

四 敦也(あずま あつや)

ん?俺にか?

四 竜也(あずま たつや)

うん!!

四 敦也(あずま あつや)

いいぜ!!

四 敦也(あずま あつや)

取り敢えず、俺の家に行こう

四 敦也(あずま あつや)

そこで話聞くから

四 竜也(あずま たつや)

…うん

敦也は竜也の手を繋ぎ、スタスタと自分の家に向かい歩きだした。

敦也の家は、学校の真裏に建っていた。

四 敦也(あずま あつや)

ただいま~!

ー敦也の自宅ー

冬桜子(とおこ)

あら、おかえり

四 敦也(あずま あつや)

ただいま

四 竜也(あずま たつや)

おじゃまします

冬桜子(とおこ)

敦也のお友達?

四 敦也(あずま あつや)

うん、同じクラスなんだ

冬桜子(とおこ)

そうなのね?

四 敦也(あずま あつや)

そういえば、竜…

四 敦也(あずま あつや)

俺の家って、来たの初めてだったよな?

四 竜也(あずま たつや)

うん、初めて来た

四 敦也(あずま あつや)

俺の部屋2階だから

四 敦也(あずま あつや)

先に上がっててくれ

四 竜也(あずま たつや)

うん

四 竜也(あずま たつや)

分かった

四 竜也(あずま たつや)

(2階へ上がる)

四 敦也(あずま あつや)

母さん、冷たいお茶とかあったよね?

冬桜子(とおこ)

あるわよ~

四 敦也(あずま あつや)

少しもらうから…

冬桜子(とおこ)

どうぞ~

敦也はキッチンで、冷たいお茶とお菓子を持って、自分の部屋へ…。

ー敦也の自室ー

四 敦也(あずま あつや)

お待たせ…

四 竜也(あずま たつや)

あ…うん

四 敦也(あずま あつや)

これ飲んでな?

四 敦也(あずま あつや)

(お茶を渡す)

四 竜也(あずま たつや)

(お茶を受け取る)

四 竜也(あずま たつや)

ありがとう

四 敦也(あずま あつや)

で、俺に聞きたいことって?

四 竜也(あずま たつや)

うん・・・

竜也は、輝星から聞いたことを、泣きながら敦也に全て話した。

四 敦也(あずま あつや)

・・・その話…

四 敦也(あずま あつや)

竜は、信じたのか?

四 竜也(あずま たつや)

信じられなかった!

四 竜也(あずま たつや)

・・・でも

四 敦也(あずま あつや)

なんですぐ、俺に言わなかったんだ?

四 敦也(あずま あつや)

なァ?どうしてだ?

四 竜也(あずま たつや)

敦に相談しようって

四 竜也(あずま たつや)

ずっと思ってたけど…

四 竜也(あずま たつや)

怖くてできなかった…

四 敦也(あずま あつや)

分かってるよ…竜の気持ちは…

四 敦也(あずま あつや)

悩んで悩み抜いて

四 敦也(あずま あつや)

耐えきれなくなって

四 敦也(あずま あつや)

俺の家を探したんだろ?

四 竜也(あずま たつや)

・・・

四 竜也(あずま たつや)

(涙が溢れる)

四 敦也(あずま あつや)

辛かったな…

四 敦也(あずま あつや)

俺は、竜を追い出したりしねェ…

四 敦也(あずま あつや)

だから安心しろ…

四 竜也(あずま たつや)

・・・・・・

ーコンコンー

部屋の扉が開いて、敦也の母親がクッキーを持ってきた。

冬桜子(とおこ)

クッキー焼いたから…

四 敦也(あずま あつや)

あ、ありがとう

冬桜子(とおこ)

あら、なんか暗いわね…

四 敦也(あずま あつや)

な、なんでもねェから…

四 敦也(あずま あつや)

早く出てってよ!

冬桜子(とおこ)

はいはい

冬桜子(とおこ)

(部屋を出る冬桜子)

四 敦也(あずま あつや)

で…ずっと病気で休んでてけどさ…

四 敦也(あずま あつや)

ひょっとして、仮病とか?

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

えっ?…う、うん

四 敦也(あずま あつや)

俺に会いたくなかったから…とか?

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

う、うん

四 敦也(あずま あつや)

仮病までして休んでさ…

四 敦也(あずま あつや)

そんなに俺に、会いたくなかったのか…

四 竜也(あずま たつや)

怖かったんだ…

四 竜也(あずま たつや)

どんな顔して敦と会えばいいのか…

四 敦也(あずま あつや)

宙と輝星のヤツ…

四 竜也(あずま たつや)

敦!喧嘩だけはしないでよ?

四 敦也(あずま あつや)

分かった!分かった!

四 竜也(あずま たつや)

僕、そろそろ帰るよ…

四 敦也(あずま あつや)

やべェな…

時計の針は、夜10時を指していた。

四 竜也(あずま たつや)

寮の先生に怒られちゃう!

四 敦也(あずま あつや)

早く帰らねェと!

四 竜也(あずま たつや)

うん!

四 敦也(あずま あつや)

気ィ付けて帰れよ!

四 竜也(あずま たつや)

うん!

四 竜也(あずま たつや)

今日はありがとう!

四 敦也(あずま あつや)

いいって!いいって!

四 敦也(あずま あつや)

じゃあ、学校でな?

四 竜也(あずま たつや)

うん!

四 竜也(あずま たつや)

おじゃましました!

ー学生寮前ー

門の前に、誰かが立っていた。

比喩(ひゆ)

四 竜也!

四 竜也(あずま たつや)

あ…比喩先生…

比喩(ひゆ)

お前、窓から抜け出して

比喩(ひゆ)

どこに行ってた!?

四 竜也(あずま たつや)

四君の家に…

比喩(ひゆ)

こんな時間にか!?

四 竜也(あずま たつや)

あの…何かあったんですか?

比喩(ひゆ)

何かあったって…

比喩(ひゆ)

君が、窓から抜け出すからだろ?

四 竜也(あずま たつや)

・・・・・・

比喩(ひゆ)

みんな心配してるから…

比喩(ひゆ)

部屋に戻りなさい

そう言うと、比喩は寮の中へ戻って行った。

そして、入れ替わりで輝星が出てきた。

輝星(らいと)

どこに行ってたんだ?

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

さ、さんぽに…

輝星(らいと)

こんな時間まで散歩か?

四 竜也(あずま たつや)

ずっと部屋の中だったから

四 竜也(あずま たつや)

外の空気が、吸いたかった

輝星(らいと)

…まぁいいけど、外出するなら

輝星(らいと)

外出届けを出してくれないと…

輝星はそれだけ言うと、寮の中に戻った。

四 竜也(あずま たつや)

ふぅ…

四 竜也(あずま たつや)

なんとかごまかせた…

竜也も、寮の中に戻った。

ー次の日の朝ー

四 竜也(あずま たつや)

おはよう

竜也は、やや明るい声で、教室に入った。

男子生徒①

竜也~!

男子生徒②

もう出てきて平気なのか?

女子生徒①

竜也君~!

竜也は、クラスのみんなに囲まれていた。

四 竜也(あずま たつや)

大丈夫だよ!

四 竜也(あずま たつや)

心配させてごめんね?

四 敦也(あずま あつや)

よっ!もう平気か?

四 竜也(あずま たつや)

あっ、敦!

四 竜也(あずま たつや)

うん、もう大丈夫!

四 敦也(あずま あつや)

そりゃ良かった!

こうして竜也は、普段の生活に戻ることができた。

しかし、廊下から敦也達を睨んでる生徒が一人。

輝星(らいと)

(クソっ…)

ーその日の放課後ー

敦也は、輝星を校舎裏に呼び出した。

輝星(らいと)

なんか用?

輝星(らいと)

俺、忙しいんだけど…

四 敦也(あずま あつや)

一人で来れたみてェだな!

四 敦也(あずま あつや)

えらいえらい!

四 敦也(あずま あつや)

(ニヤリ)

輝星(らいと)

…っ!

輝星(らいと)

で!何の用だよ!

四 敦也(あずま あつや)

竜也に、変なこと吹き込んだらしいな?

輝星(らいと)

なんの事だよ…

四 敦也(あずま あつや)

何に不満がある?

四 敦也(あずま あつや)

不満があるなら、直接俺に言えよ!

四 敦也(あずま あつや)

聞いてやっから!

輝星(らいと)

お前に不満なんてねェよ…

輝星(らいと)

竜也に、ムカついてるだけだ!

四 敦也(あずま あつや)

ふ~ん…そっか・・・

四 敦也(あずま あつや)

でも、やり方間違えてねェか?

輝星(らいと)

やり方って?

輝星(らいと)

何のやり方?

四 敦也(あずま あつや)

なんで嘘を教える!

四 敦也(あずま あつや)

竜也がどんだけ傷付いたか…

輝星(らいと)

さぁな…

四 敦也(あずま あつや)

しかも、宙から聞いたとか

四 敦也(あずま あつや)

嘘付きやがって!

輝星(らいと)

だから?

輝星(らいと)

何が言いたいの?

四 敦也(あずま あつや)

てめェ!いい加減にしねェか!

四 敦也(あずま あつや)

やっていい事と、悪い事の区別もできねェの?

四 敦也(あずま あつや)

小学生からやり直したらどうだ?

輝星(らいと)

ふっ…手が出せないから口喧嘩?

輝星(らいと)

どれだけ言っても、俺は痛くないよ?

四 敦也(あずま あつや)

四 敦也(あずま あつや)

ーガッ!!ー

四 敦也(あずま あつや)

もう許さねェェェ!!!!

敦也は、脚を壁に押し付け、怯んた輝星は座り込んだ。

四 敦也(あずま あつや)

自分の脚を壁に押し付けた敦也。

ーさてこの後の展開は!?ー

ー輝星はどうなる?ー

ー敦也は輝星に何をする?ー

~3話へ続く~

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