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主
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第104話『影は、主になろうとする』
夜は、均等に訪れない。
人のいる場所だけを選ぶように、闇は形を持つ。
照明の届かない角、廊下の継ぎ目、家具の下。
そこに生まれる“濃い影”の中で、二つの存在は並んでいた。
いるまの影と、こさめの影。
主たちはそれぞれ別の部屋で過ごしている。
会話もなく、争いもなく、穏やかな夜だった。
――だからこそ、違和感は際立っていた。
こさめの影
最初に口を開いたのは、こさめの影だった。
声は低く、夜に溶ける。
こさめの影
いるまの影は、すぐには答えない。
視線を動かし、部屋の奥――らんの部屋の方向を見る。
いるまの影
短く、それだけ。
肯定だ。
こさめの影は、ほんの一瞬、影の輪郭を揺らした。
それはため息に近い。
こさめの影
言葉を探すように、間が空く。
こさめの影
こさめの影
いるまの影は、静かに続ける。
いるまの影
いるまの影
影たちは、本来そうは動かない。
主の感情に引きずられ、主の無意識に反応することはあっても、“主の代わりに決断することはない”。
こさめの影
こさめの影が呟く。
こさめの影
沈黙が落ちる。
闇の中で、二つの影は同時に“同じ結論”に辿り着いていた。
――らんの影は、もう“普通”じゃない。
いるまの影
いるまの影が、低く告げた。
いるまの影
こさめの影が、ぴくりと反応する。
こさめの影
いるまの影
淡々とした言葉。
いるまの影
裏切りではない。
反逆でもない。
むしろ、真逆だ。
こさめの影
こさめの影が、ぽつりと言う。
こさめの影
守ることが目的になり、主の意思が二の次になっている。
いるまの影は否定しなかった。
いるまの影
影は、主の延長線上にある存在だ。
主と同一であってはならない。
それなのに――
こさめの影
こさめの影の声は、少しだけ低くなった。
こさめの影
思い出すだけで、輪郭が軋む。
こさめの影
いるまの影が、視線を伏せる。
いるまの影
静かな断定。
こさめの影が、息を詰めた。
こさめの影
いるまの影
いるまの影は、冷静だった。
いるまの影
それは、健全な状態だ。
だが――
いるまの影
こさめの影は、言葉を失った。
こさめの影
小さく、影が震える。
理解してしまった。
らんの影は、主を守りたいのではない。
“主に必要とされ続けたいのだ”。
だから――
いるまの影
いるまの影の声は、低く、重い。
いるまの影
いるまの影
それは、優しさだ。
だが同時に――
こさめの影
こさめの影が、核心を突く。
こさめの影
言葉にした瞬間、空気が冷えた。
否定できない。
否定する材料が、ない。
沈黙の中で、二つの影は理解する。
このままでは――
いるまの影
いるまの影が、ゆっくりと告げる。
いるまの影
こさめの影が、苦しそうに問う。
こさめの影
答えは、すでに見えていた。
いるまの影
いるまの影は、静かに言った。
いるまの影
本体の判断を奪い、
本体の痛みを奪い、
本体が自分で立つ機会を奪う。
それは守護ではない。
“支配だ”。
夜が、さらに深くなる。
こさめの影は、らんの部屋の方向を見つめた。
こさめの影
だが、その言葉に、いるまの影は首を振る。
いるまの影
こさめの影
いるまの影
冷酷な現実。
いるまの影
こさめの影は、唇を噛んだ。
こさめの影
震える声で、尋ねる。
こさめの影
しばらくの沈黙。
そして。
いるまの影
いるまの影は、はっきりと言った。
いるまの影
逃げ場のない結論だった。
闇の中で、二つの影は沈黙する。
その足元で、ひび割れ始めた影が、静かに揺れていることを――
誰も、まだ告げられずにいた。
第104話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡320
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コメント
2件
らんらん気づいて!!