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桜の記憶は散ってしまう2

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桜の記憶は散ってしまう2

33 - 105,『影の警告、主の知らない夜』

♥

802

2025年12月31日

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105話目です!

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作

ご本人様には一切関係ございません!
苦手な方はback推奨!

では!

どうぞ!

第105話『影の警告、主の知らない夜』

夜は、静かだった。

街の音も、風の気配も、どこか遠い。

建物の中は穏やかで、灯りは必要な分だけ点いている。

誰も、何も壊れていない。

少なくとも、表面上は。

いるまは、ベランダに立っていた。

手すりに肘をつき、夜風を受けながら、遠くの街灯を眺めている。

ただ、考えるために、ここにいた。

いるま

……なあ

低く、短い声。

影が、足元から輪郭を持つ。

いるま

話、あるんだろ

いるまの影は、肯定も否定もせず、隣に立った。

二つの影が、同じ方向を向く。

しばらく、沈黙。

先に口を開いたのは、影の方だった。

いるまの影

……らんの影が、おかしい

単刀直入だった。

前置きも、婉曲もない。

いるまは、すぐには返事をしなかった。

風が、シャツの裾を揺らす。

いるま

……そうか

それだけ。

驚きはなかった。

否定も、疑問もない。

いるまの影が、わずかに目を細める。

いるまの影

……気づいていたのか

いるま

最近のあいつ、変だ

短く、断定するように言う。

いるま

痛みが出て、急に引く

いるま

その後、何事も無かったみたいな顔する

言葉を選びながら、続ける。

いるま

……前にも見た

それが、いつのことかは言わない。

けれど、“また”という感覚だけで十分だった。

いるま

……また、らんが壊れるのは、嫌だ

低い声。

感情を抑えたぶん、重く響いた。

いるまの影は、否定しなかった。

いるまの影

……あの影は、もう“影”の範疇にいない

いるま

どういう意味だ

いるまの影

らんを守るために、自分がらんになろうとしている

淡々とした説明。

いるまの影

判断を先回りし、痛みを肩代わりし、らんが立ち止まらないよう誘導してる

それは、守護だ。

だが同時に――

いるま

……それ、危ねぇやつだろ

いるまは、即座に言った。

影は、静かに頷く。

いるまの影

境界を超えている

夜の空気が、少し冷えた。

いるまの影

このまま行けば、らんは“守られていることに気づかないまま”壊れる

いるまの指が、手すりを強く掴む。

いるま

止める方法は

即答だった。

感情ではなく、選択としての問い。

影は、わずかに間を置いてから、答えた。

いるまの影

……俺達にはない

いるまは、目を伏せる。

いるま

……だろうな

いるまの影

止められるのは、らんだけだ

はっきりとした断定。

いるまの影

らん自身が気づいて、拒むしかない

夜が、深まる。

いるまは、しばらく黙っていた。

そして、小さく息を吐く。

いるま

……最悪だな

怒りではない。

嘆きでもない。

現実を受け入れた、低い声。

いるまの影

知ってる

影は、そう返した。

ベランダに、再び沈黙が落ちる。

その夜、いるまは――何もできないことを、理解してしまった。

時は遡り夕方。

夕方のリビングは、まだ明るかった。

こさめは、ソファに座り、スマホを弄っている。

画面は見ているが、内容は頭に入っていない。

こさめの影

……ねえ

足元から、声がした。

こさめの影だった。

珍しく、声が低い。

こさめ

なに?

軽く返す。

いつも通りの調子で。

こさめの影

らんくんの影のことなんだけど

その一言で、こさめの指が止まる。

こさめ

……うん?

こさめの影

……かなり、やばい

一瞬、空気が止まった。

こさめ

……どういうこと

反射的に出た言葉。

理解より先に、危機感だけが走る。

影は、頷いた。

こさめの影

守り方が、間違ってきてる

こさめ

……どういう意味?

こさめは、身を乗り出す。

こさめの影

らんくん、最近頭痛あるでしょ

こさめ

あるね

こさめ

すぐ治るけど

こさめの影

それ

短い答え。

こさめの影

治ってるんじゃない

こさめの影

“引き取られてる”

こさめの顔色が変わる。

こさめ

……え

こさめの影

影が、全部引き受けてる

説明は簡単だった。

難しい言葉は使わない。

こさめの影

だから、らんくんは平気そうに見える

こさめ

……それ、言わなきゃダメじゃん!

感情が先に出た。

こさめ

隠すの、よくないよ!

こさめ

だってそれ――

こさめの影

今いえば

影が、静かに遮る。

こさめの影

らんくんは、自分を責める

こさめは、言葉を詰まらせた。

こさめ

……あ

こさめの影

“自分のせいで、誰かが削れてる”って思う主だよ

分かってしまう。

それが、らんだ。

こさめ

……じゃあ、どうすればいいの

声が、小さくなる。

影は、少しだけ視線を落とした。

こさめの影

……見守るしかない

こさめ

それ、つらくない?

正直な言葉。

こさめの影

めちゃくちゃ

影は、即答した。

夕方の光が、少しずつ影を伸ばしていく。

こさめの影

このままだと、あの影は自分が消える前提で動く

こさめ

……止められないの?

こさめの影

影が影を止めることはできない

こさめは、唇を噛む。

こさめ

……らんくんが、気づかなかったら?

影は、答えなかった。

その沈黙が、答えだった。

第105話・了

おかえりなさい!

次回!

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡330

2025、ありがとうございました🥹💞

来年も柚華をよろしくお願いします!!

では!

良いお年を!ばいばい!

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コメント

1

ユーザー

🌸くんの影は最終的には消えると思ってたけど、 それが間違いだったんだ...複雑だなぁ 🌸くん気付いてくれ!! 良いお年を!!!

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