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奇譚ルーム  #1

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奇譚ルーム #1

1 - 奇譚ルーム #1

2018年11月24日

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みんなはどのSNSを使っているかな?

LINEやTwitterかな?

え?僕はなにを使っているかって?

ルームだよ

ルームは交流系のSNS。

あるテーマを持った部屋を設置しそこへゲストを招待する形になっている

…ん?

入室用PW:kitanmania

いつの間に…

誰が置いたんだろう…

まぁ今日も小説を書くか

でも…

書くことがないし奇譚に興味があるから…

入ろうかな…

カチャ…カチャ…

最初に出てくるのはドアの画像

その上にルームで使う名前を入れる看板が浮かび上がってきた

まぁいいか

何も入力せずに入力完了を押す

ドアが開いた

中は白い殺風景な部屋で丸いテーブルの周りに9脚の椅子が並んでいた

探偵

やぁやぁこんにちは。

白いクマのぬいぐるみがいた

ルームの中ではぬいぐるみで過ごすことになる

こんにちは。探偵、さんと呼べばいいんですね?

探偵

ああ、よろしく頼むよ

僕はどこかで見たことがある人形だった

コンコン、ガチャ…

アイドル

あの…ここ奇譚ルームです…よね?

探偵

ああ、そうだよどうぞ、どうぞ

ガチャ!

人形遣い

やぁやぁこんにちは。おじゃまするよ

ノックもなしにドアを開けて座ると、休むことなく話す

人形遣い

椅子ばかり多く並んでいるけど、まだ半分も来ていないのか。ずいぶん寂しいルームだな。退屈だったらおれが人形劇を見せてあげるけどこの体じゃ無理だな

人形遣い

ハッハッハ!

コンコン、ガチャ

先生

何も言うことなく座った

その後も

マンガ家

新聞記者

少年

が入ってきた

そして最後に

遊民

遊民が入ってきた

少年

少年

『遊民ってなんですか?』

少年が僕にチャットモードで話してきた

チャットモードだと指定した人だけに話せる

『仕事をしないで遊んでいる人のことだよ』

相手が少年という名札を付けていたので歳が近いんじゃないかと思い気軽な口調で答えた

少年

『そうですか、ありがとうございます』

少年

『やっぱり、あなたは僕より物知りですね。認めます。』

心:え?

心:何だこの言い方?まるでぼくを知っているような口ぶりだ。

人形遣い

まだ始まらないのか!

先生

落ち着きなさい。もう、始まりますよ

先生

9脚の椅子が全部埋まっています。つまりホストも含めて全員集まったということです

探偵

…これはおかしいな

探偵

ホストがいなければ、ルームを開くことはできないのに…

遊民

おれは、ルームというSNSに詳しくないが、たとえばホストが存在せずにルームが開設されることはないのか?

探偵

ないね。

探偵

ホストはルームの運営側にどんなルームを開設するかなど申請しルームの鍵を貰う。だからホストがいないと始められないんだ。

今度はアイドルが手を挙げた

アイドル

ゲストは、必ずルームに来るんですか?招待状だけ受け取って、入室しないって場合もあると思うんですけど…

探偵

それはないだろう。第一にホストは、招待されても来ないような人間に、招待状を出さない。

心:ホストはどうやってゲストを選んだんですか?

心:どうして、僕が奇譚に興味があるって知っているんですか?

聞きたかったけど空気をよんで言わなかった。

人形遣い

なんにしても、ここに来てる奴らは、奇譚が好きなんだ。仲良くやろうぜ

先生

でも、考えてみると奇譚の登場人物は可愛そうですね。永遠に死ぬことなく、奇妙な物語の中で生き続けなければいけないのだから

遊民

おや、もう奇譚を披露するのかい?

先生

そんな気持ちはありません。ただ私は、奇譚を聞くたびに、死ぬことの無い登場人物に同情してしまうんです。

少年

本当に、登場人物は、永遠に死なないのでしょうか?

少年

僕は思うんです。登場人物も死ぬことはあるんじゃないかって。

マンガ家

どういうことだい?

少年

登場人物には、物語を成立させるという存在意義があるんです

少年

もし、自分の存在に意味がないと思った時、登場人物は死ぬでしょうね

マンガ家

なるほど、ストーリー作りの勉強になるな

新聞記者

ホストが誰だかわからないが、このまま進行していっても、いい雰囲気だな。

???

ようこそ、諸君!今日はルームの開設にふさわしい日なのだよ。

ぬいぐるみ達がいっせいに、たがいをみまわす

マンガ家

誰だ、今の…

探偵

誰でもない。でも、この中の誰かがホストモードで発言したのだろう

探偵

あと、私たちが、発言する時、吹き出しには登録したものの名前が自動でつく。でも今の発言は、登録した者の名前がつかなかった

新聞記者

ということは、名前を登録していない者の発言か?

新聞記者の言葉にぬいぐるみ達がいっせいに僕の方を見た

今のは僕じゃありません。僕も招待状をもらった。ゲス…

???

私がこのルームのホストなんだよ。名は「マーダラー」

心:マーダラー…殺人者って意味だ…

???

これから、君たちを殺していくのだよ。

???

だれから殺すかは決めていないのだよ。もし、早く殺してほしい者がいたら、手を挙げて欲しい。優先的に殺してあげよう。

人形遣い

ハハハハハ!

人形遣い

俺たちを殺す?何バカなことを。現実世界じゃないんだ。ここらSNSの世界。どうやって殺すと言うんだ?

???

やれやれ…

???

証拠を見せないと信じないというわけかね。残念なのだよ。せっかく趣向をこらして、ゆっくり殺そうと思っていたのに。

次の瞬間、僕の右隣からヒツジのぬいぐるみが消えた。少年だ!

???

分かってもらえただろうか?今、1人殺したのだよ。

人形遣い

フッ、バカなことを。

人形遣い

彼はログアウトして、ルームから出ただけだ。それを殺しただなんて大げさな

新聞記者

いや、マーダラーの言っていることは本当かもしれない。

新聞記者

私は、ルームを取材したことがあるからわかるんだ。

新聞記者

ルームからログアウトするときはアバターがドアを開けて出ていく仕様になっている

新聞記者

今みたいに、瞬間的に、消えるってのはありえない。

新聞記者

考えられるのは、機会が壊れたか、ユーザーになにかが起きたか…

アイドル

ホストは、アバターのデータを管理出来るんですよね?だったら、マーダラーがデータを消したとか?

新聞記者

そこまでの権限は、ホストに与えられていない。

???

だから言ったのだよ。

???

君たちがルームに入った時点で、私が君たちとアバターを同一化させたのだよ。

???

アバターが消えるということは、君たちの命も消えるの言うことなのだよ。

???

これで理解してくれないかね。

次の瞬間…

シロクマのぬいぐるみの腕が不意に曲がると同時に枯れ木が折れたような音がした。

探偵

ぐっ!

???

骨をおられたのに、派手に叫ばないのはさすがなのだよ。やはり、私の見る目は正しかった。

心:腕を…折った…?

???

これで、君たちがアバターと同一化しているのが理解出来たかな?さすがに骨折レベルだと痛いだろうね

ゾワリと背筋の毛が逆立つ。

???

もう少し、証拠を見せてあげようか。諸君、現実世界の体を見て欲しいのだよ。

マーダラーに言われて僕はゴーグルを外した。

???

今君たちの手の甲に「✕」印を記入したのだよ

心:えっ!

手の甲をみる。

心:…大丈夫だ。何も書かれていない。

???

見えにくいものは、手の甲をこすってみたまえ。

言われるまま手のひらでこする

心:右手の甲…よしなにも現れない

心:左の甲は…

左の手の甲をこする。

…っ!

赤くミミズばれが浮かんだ。

心:「✕」だ…

僕は声が出ない。

ここは、ルームの中ではない。現実世界だ。

あたりを見回しても、誰もいない。

ゴーグルをつけ、ルームにいるみんなをみまわす。

心:みんなも「✕」印がついていたんだ…

???

これでもまだわからない人は、手をあげて欲しい。胸にナイフを突き刺してあげよう。

今、このルームは、マーダラーに支配されている。誰も逆らうことはできない。

???

逃げ出したいかね?ログアウトしたいかね?やめた方がいい。

???

私の許可無しに、そのようなことをしようとしたら、すぐに死を与えるのだよ。

探偵

アイドル

人形遣い

先生

遊民

マンガ家

新聞記者

あたりは沈黙に包まれていた。

マンガ家

警察に…相談しよう…

???

それもやめた方いいのだよ。というのも君たちがログアウトしたあと、ぬいぐるみのデータは私の手元に残るのだ。

???

そして、ログアウトしても同一化は解除されない。君たちのだれか1人でも警察に駆け込んだ段階で、私は全てのぬいぐるみを火の中に放り込むのだよ。

誰も何も発言しないが、空気がザワリと動いたような気がする。

???

自分たちに怒っている事が、分かったようだね。ではこれから、君たちにやってもらうことを説明するのだよ。

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