空の下、目指す平和

第二十一話 夜明けまで

ドーン！！

バギィ！

さっきから伊黒さんのお陰で、少しずつ無惨に傷をつけられている

でも、みんな傷だらけで、わたしの体にもガタがきてる

再生にも時間がかかってきた…っ

ドカッ

ダダダダダ

もう何分戦っているんだろう

身体中が痛い

再生しようとする時さえも

とまぁ、怒られながら、

刀身を赫くして戦ったり

いろいろはちゃめちゃな状態だ

空の呼吸　伍ノ天 強風劣化

ザシュッ

見ると、 わたしの頭上には、無惨の手があった

避ける暇もなかった

ザンッ

無傷だった

すると、風向きが変わった

ううん、違う

誰か、通った

その時一瞬、他の柱四人以外の羽織が見えた

黄色の、鱗文様の羽織が

それだけじゃない

『しのぶさん』の髪飾りも

黒い長い髪も、

上半身が裸の男も

みんなが隙を作ってくれたおかげで、

わたしは無惨に一撃をあたえた

空の呼吸　弐の天 晴天の辟易

星の呼吸　肆の流 彗星の轟

合技　流星群

蛇の呼吸　参の型 塒締め

この後、加勢するように、 わたしたちは無惨に攻撃を繰り返した

そう、思ったのに…

パギャ

ドンッ

あまりにも、大きな音と、大きな衝撃で、

わたしはとっさに身構えたけど、

左腕の感覚がなくなった

辺りには何もなかった

何も無くなっていた

わたしの左腕は千切れ、すぐに再生ができる状態ではなかった

そばには、カナヲ以外の姿が見当たらず、

そのカナヲと多量出血と刀の破損で、動けずにいた

遠くで倒れていた冨岡さんは右腕を、

悲鳴嶼さんは左足が斬れていた

呆然としていると、無惨がカナヲに近づいていた

カナヲは動けずにいた

そりゃそうだ みんな周りに吹き飛ばされて、

自分は刀が壊れてしまってるんだから

私はカナヲのところに向かって走った

でも、それと同時に無惨は、カナヲに向かって腕を振り下ろそうとしていた

そう思った時

ヒノカミ神楽 輝輝恩光

見覚えのある姿と舞が、カナヲを救った

紛れもなく炭治郎だった

けど、その顔だけが、いつもの温厚さを消していた

別に、炭治郎の顔が見えてなかったわけじゃない

でも、あれは紛れもなく鬼殺隊の竈門炭治郎で、

生身の人間だ

私は炭治郎のところまで走った

スッ… （左腕治した）

わたしは刀を強く握りしめた

ザンッ

ドギャッ

バキンッ

あいつは十万年は老いてる

近くでは、炭治郎がひたすら、

ヒノカミ神楽の舞をして、無惨に攻撃を繰り返していた

空の呼吸　肆ノ天 霧隠身

サァ…ッ

炭治郎は足を滑らせた

その瞬間、

ふっ

少し聞こえた会話

わたしは伊黒さんに、気休めにしかならないかもしれないけど、

霧隠身を使った

わたしは、鬼殺隊に入ったばかりの頃、

こんな最前線に並ぶなんて、

考えてもなかった

でも、立ったからには、最期までやり遂げるんだ！

悪い鬼の、無惨の討伐を！！

無惨は容赦なかった

それでも、必死にくらいつく

その時、無惨の体に変化が起きた

と、思った瞬間

どんっ

ここにきて逃亡？

炭治郎は、無惨に刀を投げつけ、

わたしは強風劣化で、無惨にだけの向かい風を作った

そして、無惨の真上から、

ドギャッ

伊黒さんが首を狙って、刀を突き刺した

炭治郎はすぐさま、複数の紙を

伊黒さんに渡そうとした

二人は、無惨の反撃も食らった

わたしは、炭治郎の手からこぼれた紙を

鏑丸の方へ投げた

ぱくっ

鏑丸、よくやった！！

・

・

・

ドンッ

ガキャッ

バギィ

メリィ

ドンッ

まわりが真っ白になった

無惨の腹部には、大きな切り傷があった

気づけば、衝撃波で受けた傷は治っていた

気がつけば、善逸も来ていた

みんなで、やるんだ

二人「おう！」

夜明けまで、あと二十五分

第二十一話 夜明けまで　ＥＮＤ