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#アラスター
コメント
1件
上手いねぇ
ふぅ……
__満月のとある夜 ある小さな洋館に住むゼスティーは 一人で外を出歩いていた。
今日は親族同士が関わるダンスパーティー がある。 出発まであと小一時間ほど。 その時間の間にゼスティーは、 夜風に当たろうと一人で外を出たのだ
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洋館の近くにある森の小川で、 ゼスティーは1人呟いた
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満月の煌々とした光にドレスが照らされる。 バラ色のレースが着いたタイトドレスが 風になびいて揺れていた。
ーしばらく月を見ていると、森の奥から 執事の声がかすかに聞こえてきた
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ゼスティーはそう言い、洋館へ戻って行った。
洋館へ戻り、 執事から散々 心配したんですよ、と説教されたあと、 ふと時計を見るとそろそろダンスパーティーが始まる時間になっていた。
思っていたより急がないといけない。 事態が少し重くなっていることに気づいた ゼスティー、はあらかじめ用意しておいた 馬車に合図を送り、そのまま馬車に乗って パーティーの会場へとむかった。
馬車に揺られている道中、窓越しから見える 景色をゼスティーは見ていた。
洋館の近くには森があるので日の入りがはやい。 その時間を逆算して、日が暮れる前に あらかじめ馬車を用意しておいたのだ。 ───まあ、月を1人で眺めているだけでこうも時間が過ぎるとは思ってもいなかったが……
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ガタガタと一定の音を鳴らしながら馬車は 森から都会へと進んでいく。 その音を聴きながら、しばらくの間、 ゼスティーは夜空を見上げていた。 そして、これまで自分が言われてきた言葉を ひとつひとつ、思い出していた──
─ ゼスティーちゃんって、なんでもできるよね、 すごいよホント ─ いつも紅茶飲んで本読んでるけどそんなの 何が楽しいの?ぼーっとしててバカみたい ─ 勉学も読書も、舞踏も!なんでもこなしてて 羨ましいわ〜!! ─ ゼスティー様 また 他の子から誘われた パーティーに欠席したのですか?あなたも そろそろ気の合う友達を作るべきですよ、
このように 周りからは「品格高いプリンセス」や、 「深慮深い」といわれるが その一方で「行動に中々移せない」や、 「ぼーっとしている」ともいわれる。
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馬車の中で1人、ぽつりと呟く。
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なかでも、3歳の頃からしつけられた 「社会教育」は本当に嫌気が刺した。 ドレスの選び方、扇子での会話の仕方、 殿方とはどう接するか、話し方、歩き方、 化粧方法、社交場でのマナー など、 ありとあらゆることを教育させられた。
その度に、教育指導係から言われた。
「あなたはプリンセスになるために勉強しなければならない権利があるのです。 立派なこの街の姫になるために、 プリンセスらしく振る舞いなさい」
どんな時でも、「プリンセスらしく」 という言葉はゼスティーを苦しめた。 どんな痛みに耐えようが、どんな教育を受けても、どれほど頭が良くなっても、 彼女の心は暗くなる一方だった。
─────ガタタンッ
馬車が大きく揺れた。 「目的地 到着です」という御者の野太い声が 外から聞こえた。 気づくと、もう馬車は森をぬけ、パーティーの会場までたどり着いたようだ。 しばらく考え事をしていたからだろうか、 ゼスティーは御者に声をかけられるまで 全く気づかなかった。
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馬車から降りようと、御者は促すが ゼスティは首を横に振った。 馬車を入れるところまで中にいさせてちょうだい、と言い、 御者は驚きながらも馬車を入れるところまで 進んでいった。
御者が馬車を止め、 ゼスティーは馬車からおりる。
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ゼスティーは帰る時間を言い残し、 そのまま会場へとゆっくり入っていった
会場の中に入ると、もう親戚一同は 集まっていたようだ。 ドームのような形になっている会場の あちらこちらからは、楽しそうな話し声や 笑い声が聞こえていた。 テーブルには軽食やワインなどが上品に並べられて おり、舞台の方からは名のある演奏者たちが 美しい音色を奏でさせていた。
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そんなことを考えながら、 ゼスティーは会場の壁際にもたれ、ゆらゆらと 天井で揺れているルビーの着いたシャンデリア を見つめていた。
会場に入った時に取ったカクテルを 1口飲み、息をつく。
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そんなゼスティーの姿を親戚たちは 好奇の目を向けていた。 自覚は無いが、ゼスティーは幼い頃から 上品な品格を持つ立たずまいをしていた。 その一方で、ほとんど社交場に顔を出さなかったこともあり、あまり親戚一同からは知られていないなかった。
どう時間を過ごそうか考えていると、 後ろから声をかけられた
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そこには、身長2mを超える巨大な紳士がいた。 ゼスティーとは少し身長差があるが、 親戚の中では、彼は特段目立っていた。 ドレスの表面を軽く手ではたき、 ゼスティーは彼に向き合った。
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驚いた。 初対面でもあるのに、自分の名前を 言い当てられたからだ。
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ゼスティーが小さい頃、この日のような、 親戚同士が集まる日が1度だけあった。
その時に父親に連れられて、親戚にそれぞれ 挨拶するようにいわれたことがある。 たしか、その日も、彼のような巨大な紳士に 挨拶した覚えがある。
その紳士に挨拶する時、私を前に出そうと うながした父の手が震えていたのを今でも 覚えている。 そして私を彼の前に、恐る恐る押し出した。 まるで神に生け贄をささげるかのように。 その時の父親の表情は、顔は青白く、 ガタガタと肩を震わせていた。
父親が何に対して怯えていたかは今でも 分からないが、 当時の自分は、ただ単にまだ幼かったのもあり、 「巨大な男の人」 ということで覚えていた。
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”ゼスティアル”だ