部屋に咲く桜を眺めて床に手をつく
チラッと残りの2人を見ると
きりやんは落ち着かない様子で隣の子を気にしているし
ぶるーくは隣に座る黒髪の子と楽しそうに話している
ぶるーく、女子じゃないとちゃんと話せるんだよな
華街だと聞いていたから女が関係すると思っていたし
俺は…俺とぶるーくは女の人、というものに苦手意識がある
だけどこの店が男の遊郭だとわかるとぶるーくも少し嬉しそうだった
男と話すだけ、だしな
でも俺にとっては誰かと話す、という事は変わらない
苦手分野だ
はぁ…っとため息を吐きつつ
隣に座る男の子をバレないように見る
パチパチと大きな瞳で何回も瞬きして
背筋をピンッと伸ばす
少しずつ左右に揺れて
揺れるたびに茶色の髪がサラサラと動く
片方の瞳は髪で隠れ、もう片方からは水色の瞳が見える
前を向いていたはずのその瞳が俺を見る
反応した時にはもう遅く、俺は体を跳ねさせる
?
?
Nakamu
聞き取りやすい声…
困った表情でそう言うNakamuは何かありそうで
シャークん
なんとなく堅苦しくなってしまう
初対面でもあるし
Nakamu
Nakamu
シャークん
何話せばいいんだ……?
なんでここで働いてるのか…とか
年齢とか…好きな物、好きな事
趣味、特技…いや無難すぎるか
親しい友達もぶるーくときりやんぐらい
話すこともくだらない事もあれば仕事の事
ゲームは好きだし、よく一緒にやったりもするけど
ここにいる子達ってそういうのやらなさそうだし、な
俺から話題を振るべきなのに
どの話題もいつまでもは続かなさそうで
……だから嫌なんだよ…
来るのも…初めての奴と話すのも
見知らぬ人とここでする事も
俺が黙って下を向くと相手の子は少し動くのが見えた
Nakamu
ッ!
シャークん
わかりやすかったのかと思い
返答がおかしくなってしまう
そうすると耳元で手をパンっと叩く音がする
Nakamu
Nakamu
Nakamu
俺が顔を上げればすぐに目が合う
ニコッと首を傾げて笑うと
右目の綺麗な水色の瞳が見えた
そして釣られるように俺も小さく笑みをこぼした
本当に雑ですね…すいません
next_♡800
コメント
2件
風早様の小説大好きです。 いつも拝見しています.ᐟ 今更ですが、フォロー失礼しますm(_ _)m