21gを笑う天使

教室

「はい」

「はい」

文化祭が終わり、 ８月を迎えた。

教室はいつもより 閑散としていた。

なぜならば今日から 夏休みの夏期講習が あるからだ。

しかし...

茜がいなかった。

本当は茜もこの夏期講習に 参加する予定だった。

文化祭後、急に容体が悪化し 病院に運ばれたのだ。

何気なく進んでいく時間、 ぽっかりと空いた喪失感は 私を蝕んでいった。

講習後　部室

いつもより早い 部室の雰囲気は 少し違和感があった。

本当は夏休み期間の部活は 強制ではないが 実施したい場合のみ 顧問の許可を得てできるのだ。

今日は茜のことでルルちゃんを 部室に呼んだ。

ルルちゃんは何か言いたげな様子 だったが気にしないでおこう。

それよりも不思議だ。

あんなに他人事だと 思っていたのに...

あんな“約束”のためだけの 関係性だと思っていたのに...

いざ、いなくなると こんなにも空虚な気持ちに 襲われるのもなのだ。

私はルルちゃんに 別れを告げ、教室を後にした。

そして話を終えた私達は 教室を後にした。