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第30話 - 地獄で呼吸する神様たち【アテナ“好きと嫌い”】

2,120

2024年04月20日

#あやかし

#スピンオフ

#伏黒恵のお姉ちゃん

ほのかな湯♨️

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2,120

ほのかな湯♨️

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in4ヶ月後

悠華

ｽｰ…ｽｰ……

馬頭鬼

•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

馬頭鬼

……あ、そういえば＿

ぐいっ

馬頭鬼

うわっ

悠華

…どこ、いくの

馬頭鬼

花瓶の水変えるだけだよ。大丈夫

悠華

…久々に、起きた気がする

馬頭鬼

空気が動くと悠華起きちゃうからね

馬頭鬼

だから1週間くらい僕が付きっきりだった

悠華

ｺﾞﾎｯ、ゥﾞｯ

馬頭鬼

気持ち悪い？

悠華

…だい、じょーぶ

馬頭鬼

…無理はしないでね

悠華

……ん

悠華

今日…何日？

馬頭鬼

………5月28

悠華

！！

馬頭鬼

無理だよ、歩けないんだから

悠華

歩く

馬頭鬼

ダメ

悠華

…いやだ

馬頭鬼

！……

馬頭鬼

……ここで言い争う時間もないんだもん

悠華

…え…？

馬頭鬼

悠華、悠華の最後の日には何がしたい？

悠華

…わ、わからない

悠華

だけど、これだけはいきたい、

悠華

今日が、最後でもいいから

悠華

……いきたい、

馬頭鬼

…………

馬頭鬼

妖は主がこの世で一番大事なんだよ

悠華

…………

馬頭鬼

主が望むなら何でもしてあげる。だけどね

馬頭鬼

……妖だって、化け物だって人間に、生きてて欲しいって思うんだよ

悠華

…！

馬頭鬼

1日でも1秒でも長く、生きてて欲しいんだよ

馬頭鬼

……この世で1番大切は主だから、叶えたいって思うのも事実だし、行かせたくないって言うのも事実なんだ

悠華

………？

馬頭鬼

少し、だけだからね

悠華

！

ｼｭﾝｯ

悠華

……わたしの、つばさ

フリカムイ

…ん、おいで

フリカムイ

“翼”がどこにでも連れて行ってあげる

悠華

…んふっ、わたしのつばさ

フリカムイ

おいで、時間は有限だ

悠華

……連れて行って、くれるの？

フリカムイ

？うん、そうだよ

悠華

………天逆毎は？

馬頭鬼

天逆毎はまだ不安定だから中でお留守番

悠華

……………

悠華

…おるすばん

フリカムイ

大丈夫。鈴鹿御前も天狐もついてる。1人じゃないよ

悠華

………“フリカムイ”はすごいのに

フリカムイ

…ん？いきなり？

悠華

フリカムイは、自分のｹﾞﾎｯ、重要性がわかってない

フリカムイ

今は俺が居なくても大丈夫だって俺含めた3妖が判断したから中(生得領域)から出てきたんだよ

フリカムイ

さ、行くよ

悠華

…いいてんき

フリカムイ

話してると舌噛むよ

馬頭鬼

もう着く？

フリカムイ

もう着く

式場前

悠華

ストップ

フリカムイ

！

ピタッ

悠華

…海の見える式場…ってあれ？

フリカムイ

あれだね

悠華

……あそこだけ、輝いてるよ

フリカムイ

…？一緒じゃない？

悠華

ｹﾞﾎｯ、ｺﾞﾎｯ

悠華

…あぁ、目が使えてよかった

悠華

きれい…

フリカムイ

…………行く？

悠華

ううん…やっぱり顔は出さないことにする

馬頭鬼

………主がそれでいいなら

悠華

よかった、よかったぁ

悠華

ｺﾞﾎｯ...ｳﾞ...ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...

フリカムイ

！

フリカムイ

もう戻ろう

悠華

……………ううん、まだ

悠華

もう少し、見てようよ

悠華

…あっちの世界はさ

馬頭鬼

…え、死後？

悠華

違う、チャペル内

フリカムイ

…世界……

悠華

私が居なくても、完結してるよ

フリカムイ

！

悠華

嬉しいなぁ、わたし、ようやく手放しで安心できる

悠華

私が死んだら思い出して欲しくないな

悠華

あの空間みたいに、あの子たちだけで、生きて＿

悠華

…いきて、それで、

悠華

…やだなぁ、しにたくない

悠華

まだ、死にたくない……

フリカムイ

……………

悠華

…………しにたく、ないなぁ…ｹﾞﾎｯ

馬頭鬼

少なくともまだ死なないから

フリカムイ

だね

悠華

………う、ん

フリカムイ

！……泣かないで、

馬頭鬼

悲しいの？

悠華

…わからない

悠華

もう、分からない…

フリカムイ

…そっか

悠華

…買った方が、いいかな

悠華

もう、寒くなってきた

フリカムイ

……馬頭鬼

馬頭鬼

(20°はあるよ)

フリカムイ

…………

フリカムイ

姫さん

悠華

うん

フリカムイ

………まだ、見てようよ

悠華

…どうして？

フリカムイ

まだ、帰るべきじゃない

悠華

…？フリカムイがそう言うのなら、まだ見てよっか

馬頭鬼

(えー珍しい)

フリカムイ

(何が？)

馬頭鬼

(すぐ帰ると思ってた)

フリカムイ

(……予知で“コレ”を見た。この後に起こることで天国が地獄かが変わる)

馬頭鬼

？

フリカムイ

(俺なりに未来を変えたいって思ったんだよ。あの終わり方は、最悪だ)

馬頭鬼

…………？ま、いいや

馬頭鬼

なら僕ちょっとそこの駄菓子屋で買い物してくるね！

タッタッタッ

…………

悠華

……フリカムイ、

悠華

………わたしほんとうは、

フリカムイ

ん？

悠華

【人間】が、きらい、なの“かも”

フリカムイ

！

フリカムイ

どうして、そう思うの？

悠華

………私が死ぬ、最後の瞬間は

悠華

他の誰でもなく、妖と一緒に、居たい…

フリカムイ

…………

悠華

………でも、その決断を誰が良しとする？

フリカムイ

…？

悠華

………私は、誰からも逃げられない

悠華

…離れないでって、あなた達には言うのに、

悠華

…わたし、ひとりになりたい。誰も、【人間】の居ないところで…静かに、死にたい……

フリカムイ

！

悠華

………はは、でもやっぱり最後まで、1人にはなれない

フリカムイ

！…………

タッタッタッ！

伏黒津美紀

悠華ーーっ！！

フリカムイ

…………

悠華

うん、転んじゃうよ

フリカムイ

……姫さん

悠華

なぁに？

フリカムイ

最後にもう一回聞くよ

五条悟

あれ、悠華！遅かったね

五条悟

もう式終わっちゃったよ？

悠華

………フリカムイ？

フリカムイ

……本当に、これからは俺らでいいの？

悠華

！

フリカムイ

元々妖は主の幸せだけのために動く“化け物”なんだよ

フリカムイ

……主以外は、心底どうでもいい

馬頭鬼

( 'ч' )ŧ‹”ŧ‹”あれ、どうしたの？

恵

悠華？

フリカムイ

馬頭鬼、悠華の中戻って

馬頭鬼

…なん＿＿あー、うん分かった

ｼｭﾝｯ

悠華

…………

フリカムイ

………………

恵

そんなに睨み合って…喧嘩か？

悠華

Why? Why would you go to such lengths?

なんで？なんでそこまでしてくれるの？

フリカムイ

！

五条悟

…それ、どういう意味？何があったの？

フリカムイ

I can give as many reasons as I want, but...

理由なら沢山あるけど…

フリカムイ

...The biggest reason is that I want my loved ones to be happy without a single cloud until the moment they become stars.

…一番の理由は、大切な人たちが星になるその瞬間まで、一点の曇りもなく幸せでいて欲しいからだよ

悠華

！

五条悟

…スター？

フリカムイ

死んだら人は、星になるからね

伏黒津美紀

悠華…？

悠華

ｯ！

悠華

...If there is a God in this world, would he send me to hell for trying to abandon my family twice?

...もしこの世に神がいるなら、二度も家族を捨てようとした私を地獄に送るだろうか？

ｼｭﾝｯ

鈴鹿御前

If there is a god in hell, I, the God of Death, will kill him.

地獄に神がいるなら、死神である私が殺します。

悠華

……なん、で、

鈴鹿御前

love is the driving force behind everything

愛はすべての原動力ですから

フリカムイ

If you want, I'll do anything, even kidnap you.

あなたが望むなら、俺は何でもする。あなたを誘拐することさえも。

五条悟

！！

五条悟

フリカムイ！！

ドンッ!!

鈴鹿御前

あーあーあー、選択を急がせないでくださいよ

五条悟

どけ

フリカムイ

(予知で見れたのはここまで。…さぁ、どう行動しようか)

鈴鹿御前

フリカムイ。私が五条悟抑え込んでるからいいですけどボーッと突っ立ってるのは死にますよ？

フリカムイ

…なんで鈴鹿御前出てきてるの？天逆毎抑え込んでるんじゃなかったの？

ビュンッ

鈴鹿御前

！殺すな！！

ピタッ

フリカムイ

…………これが一番手っ取り早いと思ったんだけどな

鈴鹿御前

結婚式の主役がその日に死ぬのは悲しむでしょう。主に主様が

恵

！津美紀！！

フリカムイ

…………そっか、人間ってそうなのか

五条悟

……一般人に、手を出すの

フリカムイ

未来変えるの難しいし人間面倒臭いし……

五条悟

悠華

悠華

え、

鈴鹿御前

！聞いてはいけない！！！

フリカムイ

………

フリカムイ

(でも要らないでしょ、主を責め立てる人間なんか。死ぬ最後の瞬間に)

鈴鹿御前

(それを決めるのは私たちじゃありません。履き違えるな馬鹿)

フリカムイ

………うん、ごめん

五条悟

まさか死ぬ最後の瞬間に僕らをほっぽって、妖と居るって訳じゃないよね？

伏黒津美紀

！…そう、なの？

悠華

あ…ｯ､ちが、くて、

鈴鹿御前

…よし

フリカムイ

ダメだよ

鈴鹿御前

(どうしてですか？)

鈴鹿御前

(今、主が侮辱されました)

鈴鹿御前

(主様が決めるべき決断に、他人の意見が関与してきた)

フリカムイ

ダメだってば

フリカムイ

(俺らにできるのは、選択肢を与えることと実行することだけ。)

フリカムイ

(命令も決断も、主の仕事だよ)

フリカムイ

選択肢は与えた、なら決断を待つだけだ

鈴鹿御前

…(クソ)

フリカムイ

(……でも、姫さんは何をとれるかな)

鈴鹿御前

え？

フリカムイ

(自己犠牲の上に成り立ってきた姫さんの“人生”、最後も結局自己犠牲で終わるんじゃない？)

フリカムイ

………あれ、聞いてる？

鈴鹿御前

(………何か、様子が変じゃありませんか？)

フリカムイ

は？

悠華

…なんて、言ったの

悠華

悟くん、今なんて言ったの

五条悟

は？だから、妖は所詮呪霊なんだよって、危ないんだよ。

五条悟

これは悠華にはきついかもしれないけど事実で、現実なんだ

悠華

…………なにそれ

五条悟

現に津美紀が呪われてた原因も呪霊のせい

※本誌では違います！！

伏黒津美紀

！

悠華

……………で？

五条悟

酷い言いようかもしれないけど、これは悠華のためでもあるんだよ

悠華

………私のため？妖を貶すことが？？

伏黒津美紀

は、悠華！！

悠華

！

伏黒津美紀

妖は危なくないって私でもわかるよ、でも、でも！！

悠華

…………………

伏黒津美紀

万が一が、あるかも＿

悠華

……ﾌｰｯ……

悠華

万が一？

悠華

…………万が一、私に危険が及ぶとでも？

伏黒津美紀

ｯ！そ、そう…だけど……

五条悟

現実を見て

鈴鹿御前

(…悪役ですね、私たち)

フリカムイ

(そうだね)

フリカムイ

(…でも、言う相手が悪かった)

鈴鹿御前

(ですね)

鈴鹿御前

(あの自尊心育てたのが私達って思うと誇らしくなりますよね)

悠華

妖が？私に手を出して？？私に危険が及ぶ…ね

悠華

良かった、そう思えるくらい妖を不審な目で見てて！

伏黒津美紀

え、？

悠華

いやぁ、良かった良かった！

フリカムイ

！………これは想定外だ

鈴鹿御前

…………

悠華

ほんと、良かった

悠華

良かっ＿＿………。

悠華

……………いや良かねぇよ……………

五条悟

！

五条悟

なんで分からない！！！

悠華

……………逆に、なんで分からないの

悠華

呪われて寝たきりになった津美紀を守ってたのも妖で、私が東雲家で死にそうな時いつもそばに居てくれたのは天逆毎だった

伏黒津美紀

！！

悠華

私がここまで…勉強ができるようになったのもここまで明るく戻れたのも、鈴鹿御前達の、妖のおかげなんだよ

悠華

なのに今更私を傷つける？

悠華

笑えない冗談はやめてよ

伏黒津美紀

でも実際、危険なのは事実でしょう！！！

鈴鹿御前

………だぁー、なんか嫌な感じ

フリカムイ

…………

悠華

危険じゃない

伏黒津美紀

危険よ！！！だって、【人間】じゃないんだから！！！！

悠華

！！

フリカムイ

……いい匂い

鈴鹿御前

は＿

ｼｭﾝｯ

五条悟

津美紀！！！

バチンっ！！！

伏黒津美紀

ﾋｭｯ…

恵

！？フリカムイ！

悠華

なん、は…フリカムイ、なんで、津美紀庇って＿って、ｹﾞﾎｯ違う！！

悠華

フリカムイ、血が出て、大丈＿

フリカムイ

……おはよう、今日は天逆毎に会えたからいい日だ。

天逆毎

あっ、あーっ、

ｽｯ…(しゃがむ)

フリカムイ

天逆毎、殴らないよ。大丈夫。怖くないよ、怖くない。ほら、俺男だし。天逆毎のお母さんはここには居ないよ

天逆毎

う～～

フリカムイ

……うん、いい子だね。どうしたの、そんなピリピリしちゃって

フリカムイ

………うん、え？俺は大丈夫だよ

フリカムイ

泣かないで、別に津美紀を攻撃しようとしてたんじゃないって分かるし

フリカムイ

天逆毎が出てきてくれてよかったよ。俺は冷静になれた

フリカムイ

ほんと？…って、疑わないでよ。俺あのままだと動脈スパって切っちゃいそうだったし

フリカムイ

五条？ほっとけほっとけ。アイツは大丈夫。今ハリネズミ状態だから気にしないであげて

フリカムイ

そ、ハリネズミ。今チクチクなんだよ

フリカムイ

？あぁ、なんかいい匂いがしてさ、天逆毎出てくるかなって思ったら本当に出てきてただけ。これ多分運命だよね

フリカムイ

…えﾞっ、気持ち悪い、嫌い…？

フリカムイ

うん知ってる。俺も大好き

フリカムイ

あ、違う？えぇ違うの？
………知ってる。それ200年前くらいからずっと知ってる。俺もちょー好き

フリカムイ

俺？だから大丈夫だって、うん。だいじょーぶ。血が出てる？大丈夫、俺反転術式使えるよ。天逆毎は自分の呪力大事にして

フリカムイ

……キスして＿あ、ダメ？無理？………………そ

フリカムイ

……ん？泣かないで、大丈夫だよ。怖いの？そっか

フリカムイ

なに？ハグでもする？………ダメですか、そうですか………

フリカムイ

………天逆毎、天逆毎。見てここから海が見えるんだよ。そ、見える？海

フリカムイ

ん、そうだよ。…うん、なぁに？

フリカムイ

……今日は…？前頭葉がおかしい…？？ごめん待って。俺前頭葉が何かわからない、え？脳みそ？

フリカムイ

いや脳みそアイツ右か左しかないよ？え、うん？機能で…？え、右か左じゃないの？

フリカムイ

…え、そう…？あぁ主に感情を司ってるのが前頭葉…。待って脳外科ってこれ＿＿まじかよ…人間やば

フリカムイ

……ちょっと待って！！これは一般常識のうちに入らないと思います！！笑わないで！！！

鈴鹿御前

いや前頭葉くらいみんな知ってますって

フリカムイ

は＿＿＿な、天逆毎笑うな！！

天逆毎

(*≧艸≦)ｸｽｸｽ

フリカムイ

………楽しい？

天逆毎

う？

フリカムイ

そっか、楽しいなら良かった。…うん？うん、俺も楽しい。天逆毎が笑えてればいつでも楽しいよ

フリカムイ

……ん？あぁ、雪菜様じゃないよ。

悠華

！

フリカムイ

…え、俺は認識してる？……黄色い男…あ、そう。

フリカムイ

あれは｢悠華｣だよ、はるか

天逆毎

？

フリカムイ

はーるーか

悠華

天逆毎

天逆毎

((((((;・-・)))

悠華

…はるかだよ、はるか

天逆毎

………う、

悠華

ううん、｢はるか｣

天逆毎

…は、うか

鈴鹿御前

……

悠華

…うん、はるかだよ。…天逆毎

悠華

ごめ＿

天逆毎

…うーっ？う、う？

悠華

…？

フリカムイ

ううん、ちょっと違うよ。｢る｣だよ

天逆毎

……………う……、る、？

フリカムイ

うん、そう。じょーず

天逆毎

•:*+:.\( °▽° )/.:+*:•

天逆毎

は、はる、か！

悠華

！…うん、悠華だよ。

天逆毎

す、き…？

フリカムイ

自信持って

天逆毎

！はる、か、すき

悠華

……ｯ!

天逆毎

すき！

天逆毎

………はう……はる、か？…る……る……

天逆毎

…………

天逆毎

…………す、き？

フリカムイ

…？うん、俺も悠華のこと好きだよ

天逆毎

！(๑`^´๑)ﾌﾟｸｰｯ

フリカムイ

なんでそんなプクプクしてんの

天逆毎

あ～～っ！！

鈴鹿御前

……ふむ。フリカムイ

フリカムイ

……？

鈴鹿御前

…普通にこれ貴方に｢すき？｣って聞いたのでは？

フリカムイ

………だから答えたじゃん、俺も悠華が好きだって

鈴鹿御前

違います。

フリカムイ

……？………は、

天逆毎

！

フリカムイ

……え、まじ？

天逆毎

う？

フリカムイ

………俺“も”天逆毎が好き…だよ

天逆毎

( ¯﹀¯ )ﾑﾌｰ

フリカムイ

わー…当てちゃった……

悠華

……

フリカムイ

ええ、し、死んじゃう…

天逆毎

！あ、う、……う、

フリカムイ

可愛すぎて軽く死ねるよ…やばい好き…可愛い死ぬ……

天逆毎

………？？？

フリカムイ

……神隠し……いや、……うん、よし

鈴鹿御前

フリカムイ

フリカムイ

あ、やべ

鈴鹿御前

実行したら殴り込みに行きますからね

フリカムイ

………ハイ

五条悟

…………

ｼｭﾝｯ

天狐

うたた寝した愚かなアタシを許して！！！！！

フリカムイ

…遅い

天狐

何日も徹夜で赤子の面倒は、流石に無理だったわ…

五条悟

赤子…？

フリカムイ

今の天逆毎は赤子みたいでしょう？

天逆毎

いﾞーっ！！！

フリカムイ

……あれ、何を嫌がってるの？

天逆毎

ฅ(・ϖ・)ฅﾍﾞｰｯ

天狐

あ、こら！！！

天逆毎

……は、はるか！！！

天狐

…お嬢がどうしたの＿＿話してる、この子話してるわ！！

天狐

やーん………決定的瞬間見逃した気がする………

天逆毎

はうか、すき

天狐

そうなのね…！アタシも好きよ…！！

天逆毎

…………すき、？

天狐

えぇ！妖みんな悠華の事好きよ！もちろん、天逆毎の事もね！

天逆毎

！

天逆毎

………すき、すき！

天逆毎

……かぁ、すき

天狐

…違うわよ、アタシはあなたのお母さんじゃないわ

フリカムイ

………………記憶が、蘇ってくるね

天狐

………えぇ、“また”…

鈴鹿御前

……ああなると、嫌なんですよね…泣き声を聞くのはもう耐え難い

天逆毎

………せつな、さま

フリカムイ

！！…早すぎでしょ、

天狐

！天逆毎、悠華の中入るわよ

天逆毎

…………フリ、カムイ

フリカムイ

！…黄色い男から昇格した

鈴鹿御前

そんなこと言ってる場合じゃ＿

天逆毎

……ご、めん、かお、

天狐

あら？いつもの泣きわめきが来ない

天逆毎

………ｯ、ごめん、

フリカムイ

…………天逆毎

フリカムイ

とりあえずさ

天逆毎

………ｯ、

フリカムイ

おはよ

フリカムイ

俺の言いたいことはさっき言ったけど、天逆毎覚えてる？

天逆毎

………ん、

フリカムイ

それを踏まえて、何か言うことある？

天逆毎

…………ない、

フリカムイ

ん、じゃあ天狐泣かせない為に悠華の中入ってくれる？

天逆毎

………………

フリカムイ

………うん、どうしたの。聞くよ、ちゃんと

天逆毎

…………ﾋｯｸﾞ､

五条悟

は？

天逆毎

うわぁぁあんﾞっ

天狐

おーよしよし

鈴鹿御前

飴ちゃん食べますか～？お茶飲みますか～？

天逆毎

う、 …ふっ、ｸﾞｯ､

天狐

あらま、我慢してもいいことないわよ？

天逆毎

んﾞぅ、んﾞ！！

フリカムイ

？

鈴鹿御前

あー、あー…？…………フリカムイ

フリカムイ

え、なに？

鈴鹿御前

ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

フリカムイ

！…うん、そーゆーの大得意

鈴鹿御前

中？外？

天逆毎

うﾞぅぅぅ、

フリカムイ

＿＿外でいいでしょ、羽で隠せばいいし

鈴鹿御前

…便利ですねぇ…あなたの羽

フリカムイ

それなりに面積あるし

フリカムイ

え、改めてやろうとすると緊張する

鈴鹿御前

何言ってんですか。馬鹿なんですか？

フリカムイ

…………いやまじで

ガシッ

天逆毎

…………？

フリカムイ

最近出来てなかったからさぁ、悲しかったんだ？

天逆毎

……ﾋｭｯｯ

天逆毎

た、たいむ！！！！

フリカムイ

あ、はい。どうぞ

パッ

天逆毎

いじめられた！！！！

天狐

あらぁ…

天逆毎

ふりかむいに、いじめられたぁぁぁ

フリカムイ

記憶に無い記憶に無い

鈴鹿御前

いい案だと思ったんですがねぇ

フリカムイ

ねー

フリカムイ

天逆毎

天逆毎

ちかよるな！！！！けだもの！！！！！

フリカムイ

……………………

鈴鹿御前

反抗期ってやつですね！

天狐

フリカムイ死んでるわよ

天逆毎

えﾞっっ

鈴鹿御前

…………あらほんとうだ

鈴鹿御前

近寄るなが効いたのかケダモノが効いたのか…

天逆毎

………わたし、強い…！？

鈴鹿御前

あ、記憶が混濁してる

天狐

もちろん、あなたは天下一よ

天逆毎

ん、へへっ、

鈴鹿御前

ぎゃ！！！！！可愛い！！！！

鈴鹿御前

尊死する！！！！！！

天狐

うるさい

鈴鹿御前

お口チャックします

鈴鹿御前

……………

フリカムイ

………………

天狐

さ、天逆毎

天狐

中戻りましょ

天逆毎

ん！

天狐

気は済んだ？

天逆毎

ん！

天狐

そ、良かった

天狐

今日は機嫌がいいのね

天逆毎

んへへっ、うん

天狐

どうしてなのか聞いてもいい？

天逆毎

みんなはるかが好きだって言うから。ここにいるみんなはるかが好き

悠華

！………

天逆毎

お母さんのいた所はみんなみんな嫌いって言ってたからここは暖かい、すき

天狐

そう、良かったわ

天逆毎

それからね！

天狐

えぇ、どうしたの？

天逆毎

フリカムイがわたしをすきなんだって！

天狐

…えぇ、そうね

天逆毎

(*≧艸≦)へんなの！

鈴鹿御前

…変？

天逆毎

はじめて、すきっていってもらえた！

天狐

！

天狐

…ほんと？

天逆毎

ん！

鈴鹿御前

…フリカムイ、聞いてます？

フリカムイ

…………え、なにが？

フリカムイ

目の前の情報処理で忙しいんだけど…？

鈴鹿御前

あ、聞いてた

フリカムイ

………えーうれし

天狐

…フリカムイは貴方に怒ることはあるけど、殴りはしないわ

天逆毎

それは分からないよ？

天狐

………そうね、そうだったわね

フリカムイ

俺への信頼度0じゃん

鈴鹿御前

どんまい

天狐

でも絶対に殴らないわ

フリカムイ

……

天逆毎

…なんで？

天狐

フリカムイだからよ。フリカムイは他人の痛がる姿を見るの大っ嫌いだからね

天逆毎

え？

フリカムイ

…まぁ、そうだね

天狐

その耳飾り

天逆毎

？

天狐

フリカムイが命よりも大切にしていたものよ

天逆毎

…か、返さないと

天狐

どうして？

天逆毎

…え、？

天狐

それは貴方にプレゼントされた物よ。命よりも大事なものがあなたの手の中にある

天狐

必然的に、天逆毎。あなたも命よりも大事な人なのよ。だからピアスはあなたの手元にある

天狐

命をかけて守りたいものを命よりも大事なもので守る。…簡単でしょう？

天逆毎

………ん～？？

天狐

あははっ！分からないならいいわよ。だけど、フリカムイは絶対あなたを殴らない

天逆毎

…………

フリカムイ

いいよ、信頼も信用も俺自身で証明してく

天狐

………そう？

フリカムイ

そう

フリカムイ

あと俺の心の内を簡単に見破らないで

天狐

どうしてよ

フリカムイ

好きな子の前ではカッコつけてたいじゃん

五条悟

……

天狐

…アンタが？？？

フリカムイ

俺が

天狐

…………大丈夫？熱でも出る？

フリカムイ

……(ㅍ‐ㅍ )

天狐

いやだって、思わないでしょ。他人の、しかも異性の評価なんか気にしてなかったやつがかっこつけたいだなんて…

天狐

……いや本当に思ってなかったわ…

天狐

ごめんなさいね、悪い事をした気がするわ

フリカムイ

いいよ、大丈夫。謝るくらいの事じゃないし

天逆毎

……おこらない？

フリカムイ

？うん、怒る必要ない

天逆毎

……わたしにはおこる？

フリカムイ

……誰であっても、危険だと思う行為をしたら怒るよ

天逆毎

例えば？

フリカムイ

……交差点で右左見ないで飛び出すとか

鈴鹿御前

幼稚ですね

天逆毎

…そっか

フリカムイ

うん、そうだよ

フリカムイ

どう？不安は取り除けた？

天逆毎

？ううん、

フリカムイ

無理か

天逆毎

…ねる

フリカムイ

ん、おやすみ

天逆毎

ばいばい、またね

フリカムイ

！……ん、またね

天狐

あ、アタシもついて行かないと

鈴鹿御前

え、じゃあ私も！！

ｼｭﾝｯ

フリカムイ

………はーっ、どっと疲れた…

フリカムイ

厄災が去った気分………

恵

…天逆毎は、いつからあんな状態なのか

フリカムイ

…さぁ、気がついた時にはもう

フリカムイ

でも通常の時もあるから、…認知症的な感じだよ

五条悟

………

フリカムイ

津美紀、傷ついてない？

フリカムイ

ごめんね、天逆毎に変わって俺が謝るよ

伏黒津美紀

！そ、そんな＿

フリカムイ

……………

フリカムイ

姫さんさ

悠華

…………

フリカムイ

……………

フリカムイ

…………悠華

悠華

！

悠華

あ、うん...ごめんボーっとして、

悠華

……

フリカムイ

………はぁ...

悠華

………

フリカムイ

会話しなよ、会話。これは会話で解決できるよ

五条悟

……………………

フリカムイ

…………

五条悟

フリカムイは

フリカムイ

…は？俺…？？

五条悟

どうして、悠華を信じられるの

悠華

え…？

フリカムイ

は？

フリカムイ

…………逆に聞くけど、どうして信じられないの

悠華

！！

フリカムイ

確かに危ない道を歩んできたけど死にはしてない。約束もこうして守ってる。

フリカムイ

やさしくて、あたたかくて、強くて不器用なこの子を、どうやったら信じなくなるの

五条悟

人間だから暖かいに決まってるじゃん

フリカムイ

なんでそれの尊さが分からない？

フリカムイ

目の前で呼吸してることこそ、奇跡なのに

五条悟

少なくとも、妖よりは人間の僕の方が悠華を理解してる

恵

は…？

フリカムイ

……すごい痛いとこ突くじゃん

悠華

は、？

五条悟

！…大体、悠華を連れ去ったとして、その後はどうするつもり？

五条悟

唯一“人間”が分かる天逆毎だってもうあんな状態で頼れない。

フリカムイ

…………そんな事実、分かりきってるよ

五条悟

分かってない

フリカムイ

……分かりきってるってば

フリカムイ

そんな目に見えてる事実くらい、分かるよ

五条悟

僕ならあの状態の天逆毎はあんな風にはしない

フリカムイ

！………………つまり？

五条悟

すぐ病院で保護してもらう

フリカムイ

人間じゃないのに？

フリカムイ

病院側が、天逆毎をどう扱うかも分からない。一般人が行く病院は天逆毎が見れない可能性がある

フリカムイ

かと言って呪術界側に行くとそれこそ人体実験が起こる可能性だってあるよね。今の呪術界には妖のリーダーは天逆毎だって知れ渡ってる

フリカムイ

リーダーが命令すれば俺たち下っ端は何だってやる。天逆毎は｢地球を滅ぼせ｣って言うなら喜んでするくらい危険なんだよ

フリカムイ

例えそれが天逆毎の、本人の意思じゃなかったとしても天逆毎の口から出た言葉が全てだから何でもする

フリカムイ

妖は低級でも喋る謎個体がいるからソイツらまで人体実験されるかもしれない。そんな所に天逆毎を預けろって？正気の沙汰じゃない

五条悟

…でも妖と一緒にいるより天逆毎は気が楽だと思うよ？

フリカムイ

ｯ！.........

五条悟

どうやら、心当たりがあるみたいだね

フリカムイ

……………

ｼｭﾝｯ

馬頭鬼

なに、うちの子泣かせてんだぁ！！！

ドンッ！！

五条悟

へぶっ、

海坊主

あーあーあー！！！ダメだって！！

海坊主

天狐に、怒られちゃうよ！！？

フリカムイ

なん…いや、どうして外に＿

馬頭鬼

泣くなフリカムイの馬鹿！！！

フリカムイ

は、！？

馬頭鬼

お前まで泣くと誰が悠華慰めんだよ馬鹿！！

五条悟

いや、泣いてな＿

悠華

…泣いてないよ

馬頭鬼

泣いてるじゃん！！！！

馬頭鬼

よーく見て、天逆毎まで泣いてるからね！！？

海坊主

馬頭鬼、ダメだって…！！オイラ達じゃ勝てない、話になら＿

馬頭鬼

勝てない勝負には挑まないのか！？あぁん！？

馬頭鬼

悠華が泣いてる、フリカムイも天逆毎も、みんなみんな泣いてる、話が通じないほど泣いてる！！

馬頭鬼

僕らがケツ叩いてあげないと、みんな泣いてることにも気づかないんもん！

フリカムイ

…泣いてない

馬頭鬼

仮に泣いてないとしても、今の会話を、悠華の目の前で繰り広げるなんて馬鹿だよ！？目の前じゃなくても、馬鹿だけど！！！

海坊主

馬頭鬼！！そ、その辺にしないと＿

馬頭鬼

悠華は今の二人の会話を聞いて、どう思うか考えたことある！！？僕が悠華の立場ならすぐそこの海で首吊って死んでるほど惨めだからね

五条悟

……

馬頭鬼

まず五条悟！！！！

五条悟

は、…

馬頭鬼

僕らが化け物で妖なことは認めるけど、そんな僕らに悠華を取られて悲しんでるのは理解できるけど！！

馬頭鬼

…否定しなくてもいいじゃん

馬頭鬼

そりゃあ僕らだってさ、天逆毎にも、病院に行くことを勧めたよ…でも天逆毎自身がそれを拒否したんだよ

五条悟

………

馬頭鬼

五条のちっぽけな、100年も生きてない頭で勝手に過去を捏造して、勝手に僕らの気持ちを作らないで！！！

海坊主

ﾋｭｯｯ、馬頭鬼、馬頭鬼ぃ！！天狐、怒ってる、早く戻ってこいって悠華の負担になるから戻って来いって！！

海坊主

これ以上、迷惑かけるなって、主様の体が、もう持たないんだよ！！！

馬頭鬼

〜〜ｯ！！お前らみんな人間みんな嫌いだ！！！！なんで僕らと、悠華の邪魔するの！！！！！

馬頭鬼

最後だから、最後だからいいじゃん！！！

五条悟

…僕らだって、最後なんだよ

馬頭鬼

知らない、そんなの知らない！！！

馬頭鬼

ならなんで、生きてるうちにもっと会わなかったの、僕らは1000年も待った、1000年だよ！！？

馬頭鬼

この孤独が、お前ら人間にわかるのか！！？お前らなんか人間なんかやっぱり嫌いだ！！！

海坊主

馬頭鬼！！！！

海坊主

そんな、なんで思ってもないこと言って、言っちゃダメだって、

ｼｭﾝｯ

牛頭鬼

…馬頭鬼

牛頭鬼

帰らないと、怒られる。もうややこしくするな

馬頭鬼

ややこしくするなって、なんで！！？

馬頭鬼

僕が妖だから、人間じゃないから悠華と一緒にいちゃダメなの、悠華と会話しちゃダメなの！！？

牛頭鬼

そういうことじゃない。…そういう事じゃ、ないんだよ

馬頭鬼

じゃあどうし＿

牛頭鬼

……＿＿＿。

馬頭鬼

！………

馬頭鬼

………………

牛頭鬼

帰る気に、なったか？

馬頭鬼

…………………

ｼｭﾝｯ

五条悟

……なんだったの？今の。

フリカムイ

……姫さん泣いてる？

悠華

……泣いて、ないよ

悠華

＿＿ねぇ、フリカムイ

フリカムイ

…うん

悠華

ずっと前から思ってたんだ。…どうして、私が泣いてるのが生得領域の中から分かったの

フリカムイ

……泣いてるって分かるから

悠華

…じゃあ今は？

フリカムイ

…分からない、もう繋がりが薄くなってきてるのかも

悠華

天逆毎は、泣いてる？

フリカムイ

……それも、分からないよ

その人達は幼い自分には世界そのもので

…それらにも終わりがあるのだと、考えもつかなかった。

……親では無い。街中ですれ違うのが容易なほど赤の他人のはずだった

………親ではなかったのだ。なのに最初っから、ずっと居た

生まれ落ちてから物心着くまで側に居た絶対的な庇護者

泣いていれば見つけだしてくれるし。良いことをしたら褒めてくれる。

手を伸ばせば、抱きしめてさえくれる。全てにおいて自分より秀でていて大きな存在

…親では無いのに。……親じゃないのに

フリカムイ

…悠華…？

…親では、無いのに。そんな義務ないのに

悠華

＿＿なんで、なんだろう

フリカムイ

…そんなの簡単だよ。ただ単に悠華のことが心配で、愛しているから

悠華

！

手を...、手を引いてくれ、そうじゃないと歩けない

見ていてくれ。貴方達に認識して貰えないと生きていけない

何処にも行かないでくれ。その義務がもう貴方達にはある

悠華

……はは、確信に変わっちゃった………

五条悟

は…？

悠華

…親が早くに死んだ可哀想な子と言う叔母さん。下の子2人を面倒見るいいお姉ちゃんと言った親戚のお婆さん。学費も払えない可哀想な子と噂する担任。給食費も払えない可哀想な子と言ったスーパーのレジ打ち

悠華

父親に捨てられた可哀想な子と噂する花屋のおばさん。借金取りにおわれる小娘と噂する父さんの浮気相手。あわよくば犯せるであろう小娘と噂する部屋が隣のおじさん

悠華

…毎日鞭で叩いてしつけてくるゴミ、地位にいちゃもんつけてくる無能、実験だなんだって言ってわたしの身ぐるみを剥いだ化け物、月の裏側が見た事ないからって目玉をえぐり出す死に損ない

悠華

掘り返せばもっと出てくる。…私、なんで人間が好きだったんだろう

ねぇ、悟くん。私、人間が大っ嫌いよ。だけどそんなゴミみたいな世界で妖だけはずっとそばに居てくれた

悠華

どうして、人間と妖を比較するの？こんなゴミの多い人間と妖じゃ…話にならないでしょう？

悠華

妖だけよ。ずっとそばに居てくれた、離れないでずっと居てくれた

五条悟

先に離れていったのは悠華の方だ

悠華

そうね、でもそれでも妖は私を守ってくれた

悠華

あの時そばにいなかったフリカムイでさえ、私の絶対的な味方だった

五条悟

！

離れないでそばにいて

…先に離れるのは、私なのに

悠華

悠華、いっきまーす！！

フリカムイ

は？

ダッダッダ！！

悠華

とうっ！！

フリカムイ

ぐへっ、…いきなり飛びかかってくるの危ないって何度も＿

悠華

でもフリカムイなら受け止めてくれる。そうでしょう？

フリカムイ

まぁそうだけどさ…

悠華

フリカムイ！

悠華

わたしのこと、だぁ〜い好き？

フリカムイ

？だぁーい好き

人間は好き

でも嫌い。私を痛めつけてくるやつも妖を痛めつけるやつも、みんな人間だから

悠華

んふふっ！やっぱり！

悠華

うれしい！

フリカムイ

…………

悠華

私、やっぱり人間大っ嫌い！

五条悟

！！

悠華

今までなんで人間が好きだったんだろって疑うほど大っ嫌い

悠華

みんなみんな死ねばいいのに

フリカムイ

…………叶えてあげようか

そんなことしなくていいから…ずっとずっと、一緒に居て

五条悟

フリカムイ！！！

悠華

…なんで邪魔するの？私の愛しい妖が喋ってるのに

フリカムイ

で、どうする？

フリカムイ

俺ならバレずに遂行できるよ。

悠華

…手、繋いで

フリカムイ

？

ぎゅっ

フリカムイ

はい

悠華

私の事見て

フリカムイ

…見てるよ、大丈夫

ﾁｭｯ

フリカムイ

………どうして？

悠華

愛してるよ

愛してるんだよ、この世で1番

フリカムイ

知ってる

フリカムイ

口じゃなくて良かった

悠華

その口は天逆毎の為でしょう？

フリカムイ

そうだね

悠華

でも頬っぺは私に頂戴！

悠華

私も愛情表現したい

フリカムイ

頬でいいのならいくらでも

悠華

ég elska þig

悠華

ég elska ykkur öll

フリカムイ

við elskum þig líka

悠華

！んふふっ、あははっ！

フリカムイ

Ég elska þig síðan áður en þú fæddist

悠華

…随分と熱烈じゃん？

フリカムイ

最後くらい、ちゃんと言ってもいいかなって

悠華

…はーっ、やめやめ

フリカムイ

あれ、そうなの？

悠華

これ以上続けると本気で好きになる

フリカムイ

あははっ！

悠華

きらぁい

フリカムイ

えーごめんって

…手を繋いで離れないで、

悠華

私に酷いことをしてきた【人間】と私の絶対的な味方だった【妖】…最後に一緒にいたいのは明確でしょ？

五条悟

！………

悠華

妖より人間の悟くんの方が私の事を理解してくれてる？…嫌だなぁそんな事実

悠華

それなら私は人間じゃなくていい！私の一番の理解者は妖で、妖の一番の理解者は主の私よ

フリカムイ

…理解者…なれてるの？妖が

悠華

疑わないで。私を小さい頃から見てくれてるんだし、当たり前！

フリカムイ

…うん

悠華

あははっ！泣かないで、最後くらい笑って！にぱって！

フリカムイ

…………難しい

悠華

おら、表情筋動かせ〜！！

フリカムイ

動かしてるって

悠華

妖達、みんな大好き

そう、みんな大好き

悠華

最初っから最後まで一緒に居てくれて、ありがとう

フリカムイ

…まだ最後じゃないよ

悠華

！…ほんと？

フリカムイ

うん、まだ時間はある

悠華

！うれしい

ｼｭﾝｯ

悠華

…全妖、出てくるの久しぶりだ！

天狐

い、良いのかしら…だいじょばないわよね…、い、今からでも中に＿

馬頭鬼

悠華ー！！

悠華

きゃーっ！

鈴鹿御前

……はぁ…口下手なヤツらばっかり

海坊主

し、死んじゃう！！？死ぬの！！？

悠華

うん、死ぬー

海坊主

なんでそんな簡単に言うのさぁ！！

天逆毎

………暇だなぁ

雷神

………暇とは何よ、暇とは

風神

天逆毎やっぱりあなたイカれてる！！

天逆毎

どうもありがとう

風神

どういたしまして！

雷神

え待って褒めてたの！！？

恵

……………何事だこれ…

天狐

ごめんなさいね、恵、五条、津美紀。

五条悟

…何が？

天狐

アタシ達がいなければ今頃幸せだったでしょうに

悠華

妖が居なかったら私はずっと昔に死んでます！！！！

フリカムイ

あながち間違いじゃないから怖い

五条悟

でも東雲に行くことは無かった

悠華

そんな【もしも】知らなーい！

悠華

あははっ！

フリカムイ

…俺らがいても死ぬ可能性は十分にあったよ

天逆毎

そんなもしも、今は違うんだからいいだろ

フリカムイ

！天逆毎…

天逆毎

？

天逆毎

何

フリカムイ

…………………おはよう？

天逆毎

！おはよ

天逆毎

んははっ、あぁ…。おはようっていいな

天逆毎

あははっ！そうだ、そうしよう！！

フリカムイ

は…？

天逆毎

鈴鹿御前！！天狐！！フリカムイ！！

鈴鹿御前

はぁい！

天狐

何よ

フリカムイ

？

天逆毎

【オオカミと兎】

フリカムイ

！！

天狐

……えぇ、えぇ！？

鈴鹿御前

え〜いいんですかぁ？

海坊主

え、今！？今やるの！！？

海坊主

正気の沙汰じゃない！！！！

風神

あはははっ！！私のリーダーはやっぱりイカれてる！！

雷神

野次を飛ばす準備はいつでも出来てるわよ

馬頭鬼

いぇーい！！

大天狗

最後の最後で、とんだでっかい祭りやなぁ！

悠華

なぁに？オオカミと兎って

鈴鹿御前

殺し合い！！

悠華

わぁお

恵

は？

天逆毎

手負いの天逆毎様がお前に稽古をつけてやる

天狐

天逆毎と稽古する時の隠語みたいなものよ。

鈴鹿御前

手負いですって！！勝てますよこれ！！！

フリカムイ

えー...やりたくない…疲れた…

天逆毎

私を殺せたら褒めてやる

フリカムイ

さぁやろう今すぐやろう！！

鈴鹿御前

兎は天逆毎だけですか？

天逆毎

で、いいだろ。捕食される側になってやるよ

フリカムイ

えー食べていいの？

天逆毎

良し

フリカムイ

…え、本気でやろ

天狐

炙るのは！？

天逆毎

それも良し

鈴鹿御前

切り刻むのは！？

天逆毎

それもよーし！

鈴鹿御前

うははっ！！

鈴鹿御前

天逆毎ですって兎。天逆毎が兎ですって！

天狐

育児疲れ天狐、兎を炙るわ

鈴鹿御前

睡眠不足鈴鹿御前、切り刻みます！！

フリカムイ

じゃあ健康体フリカムイ、食い散らかします

五条悟

…え、なんで？？

風神

あははっ！暇だからって何も殺し合いはしなくても！

馬頭鬼

いけーー！！！切り刻めー！！！

風神

炙れ炙れー！！！

大天狗

食せー！！！！

牛頭鬼

ポップコーン食うか？

伏黒津美紀

え、あ…遠慮しときます……え？？

フリカムイ

…よし、オオカミ側OKだよ

天逆毎

兎もおーけー

馬頭鬼

！

馬頭鬼

よーい、はじめ！！！

次回、感動の最終回！！『オオカミ死す』デュエルスタンバイ！