蓮汰
見て見て!姉ちゃん!
蓮汰
ほら、四つ葉のクローバー!
優愛
おお、すごいじゃない♪
蓮汰
えへへ、俺四つ葉のクローバー見つけるの得意なんだ!
蓮汰
この前も友達の誠一と遊んでたときに四つ葉のクローバー見つけたんだよ!
優愛
へ~、すごいじゃない♪蓮汰は四つ葉のクローバーを見つける天才ね!
蓮汰
大げさだよ、姉ちゃん..///
蓮汰
あ、知ってる?四つ葉のクローバーを見つけたら願い事が一つ叶うんだって!
優愛
へぇ、そっか
優愛
じゃあ蓮汰はどんなお願いするの?
蓮汰
うーんと...
蓮汰
姉ちゃんと将来結婚できますように!かな?
優愛
わ、私と結婚!?
優愛
蓮汰...あなたと私は姉弟だから結婚できないのよ?
蓮汰
やだ!俺姉ちゃんと結婚する!
優愛
そうは言っても...
蓮汰
...姉ちゃんは俺と結婚したくないの?
優愛
・・・
優愛
(ま、いいかどうせ小さいころの約束なんて大人になったら忘れてるだろうし)
優愛
...わかったよ、蓮汰。それじゃ大人になったらね♪
蓮汰
えっ!本当⁉姉ちゃん!
優愛
うん、ほんと。私はあなたのそばにいるよ
蓮汰
約束だよ!
蓮汰
姉ちゃん!朝だよ!おーきて♪
優愛
・・・
とある日曜日の早朝。
私はいつもの弟の声で起きる。
でも起きるのがめんどいので
寝たふりをしてやり過ごそう。
そう思い、布団に身を包んだ。
蓮汰
...姉ちゃん、起きてるのは知ってるよ!日曜だからってダラダラ禁止だぞ!
優愛
・・・
蓮汰
...ふーん、そうやって弟の親切心を無視するんだ
蓮汰
そ、じゃあ分かったよ
優愛
(お、これは諦めか?そうなら助かる!まだ見たいDVDもあるしあと二時間は寝t..)
蓮汰
それじゃ姉ちゃんに白雪姫みたくキスしたら起きるかな!?
優愛
あーーー!よく寝た!弟のお陰で姉ちゃん幸せよ!!!
蓮汰
・・・
私が突然起きたので、私の体の上を
馬乗りしながら非常に不満げに見下ろしていた。
蓮汰
...姉ちゃん、なんで起きんだよ
優愛
あんたさっき私に起きろって言ったじゃん!
蓮汰
さっきはさっき、今は今!
蓮汰
せっかく姉ちゃんを超格好いい俺が愛の口づけで起こしてやろうと思ったのに
優愛
だから起きたことに気づけ
蓮汰
...姉ちゃんは弟のキスがいらないの?
優愛
いらないね。理由は姉弟だから
蓮汰
...はぁ、姉ちゃん知らないの?欧米じゃこんなの当たり前だよ?
優愛
私日本に生まれてよかったと心底思うわ
蓮汰
ま、いいや。朝飯できたから下の楷に来て
優愛
はいはい、今行くよ
蓮汰は不機嫌そうに部屋から出ていった。私は姉弟として当たり前のことを
したのに何故あそこまで機嫌を損ねられないといけないのか。
優愛
(もっと寝てたい私の方が機嫌を損ねたいよ)
そんなことを思いながら部屋を
出ていきリビングに向かうのであった。
蓮汰
どう?姉ちゃん
蓮汰
俺の朝ごはん美味しい?
優愛
うん、あんたの数少ない秀でてる顔とサッカーと料理の内の一つだからね
蓮汰
...数少ない?
おっと、間違えてそれ以外は問題
があるみたいな言い方が自然とでてしまった。
蓮汰
...ま、いいや。姉ちゃんが俺の料理褒めてくれたのは事実だし、愛する女性が幸せそうなのは男性としては最高に嬉しいよ!
優愛
・・・
今の発言聞いただろうか?
聞こえによってはただのシスコン
なのだろう。しかし蓮汰は違う
こいつは恐らく実の姉にマジな恋愛感情を抱いているのだ。
恐らくと言ったけどほぼそれを確信している。先程のキスも今日に始まったことじゃない。
パターンは変えてくるがあの手この手で寝込みを襲おうとする。
私はこれについて日々頭を抱えている。
私は常識人故に弟に恋愛感情なんて
ないから嬉しい気持ちは一ミリもない。
寧ろ止めてほしいと思っている。私と弟は4つ離れているこいつは高一の弟。それ以上でもそれ以下でもない。
蓮汰
なあ姉ちゃん!今日は日曜日だよ!どっか出掛けよ!
優愛
ごめんね蓮汰。私レポート課題あるから無理
蓮汰
はあ⁉大学の宿題なんて帰ってしろよ!
優愛
宿題じゃなくて課題。それにあんたと出掛けたら夜まで私を連れまわすもの
蓮汰
仕方ないだろ!好きな人と色んなとこに行きたいのは当然なんだからさ!
優愛
あなたのワガママには付き合ってらんない
優愛
私は青春と恋愛と勉強とで忙しい大学ライフを送ってるの
蓮汰
・・・
優愛
なーによ、その顔。そんなに私と出掛けられないのが嫌なの?
蓮汰
別にそれはいいよ。そっちじゃなくてその後の発言だよ
優愛
・・・なんか言ったっけ?
蓮汰
言ったよ!何?恋愛に忙しいって!俺という恋人ががいながら!
優愛
誰が恋人だ
優愛
それに弟がいたら恋愛しちゃいけないという馬鹿な話があるの?
蓮汰
少なくとも我が家ではご法度だ!
優愛
そんなご法度ある家嫌だから家出しようかしら
蓮汰
・・・むぅぅぅ//
優愛
何故そこで膨れっ面するのかがわからん
蓮汰
・・・
優愛
ということで蓮汰。私は誰かを好きになるか好かれて付き合うかするかもだけど、その相手はあんたじゃない
優愛
その権利を弟のあんたは廃止できないの
優愛
私のことが姉弟として好きなら姉ちゃんを見守ってて
蓮汰
姉ちゃんの恋愛を止めさせる権利なら俺持ってるよ!
優愛
・・・は?
そう言うと蓮汰は歩きだし
一つの箱を持ってきた。
そのなかにはクローバーと紙切れが
はいっていた
優愛
...ねぇ 、このクローバーと紙切れは何?
蓮汰
紙切れじゃない!これは将来俺と姉ちゃんが結婚するという誓約書だよ!
優愛
こんな通常なら黒歴史確定なものをなんで持ってるのって私は言いたいの
蓮汰
ということで姉ちゃんと俺は結婚しなくちゃいけない!これは法律で決まってるからな!
優愛
その前に姉弟じゃ結婚できない法律もお忘れなく
蓮汰
...なぁ、姉ちゃん。もしやこの誓約書無視する気か?
優愛
おっ!蓮汰君せいかーい!1ポイントあげよう!
蓮汰
ふざけんなよ!俺はこの誓約書があるから姉ちゃんと結婚できるって思ってたんだからな!
蓮汰
それを今更無しになんてできねえよ!
優愛
そうね♪純粋な弟を踏みにじった最低な姉で結構よ♪
優愛
ま、世間は賢明な判断と言ってくれるでしょうけど!
蓮汰
・・・
優愛
な、なによ。別に普通のことでしょ
優愛
非常識なのはあんただからね
蓮汰
・・・
蓮汰
...なんで俺が...非常識なんだよ...
優愛
・・・え?
蓮汰
俺はただ好きな人と結婚したいって言ってるだけじゃん!それのどこがおかしいんだよ!法律なんて関係ないよ!大事なのは気持ちじゃん!
優愛
(その割には誓約書の法律で脅してきたけどなぁ...)
蓮汰
世間の一般常識とか関係ねえ!俺は正しいと思った気持ちを優先する!だから姉ちゃんと結婚するんだよ!
優愛
(私の気持ちは優先してくんないのかな?)
蓮汰
どうしても結婚しないって言うなら俺死んでやる!
蓮汰
姉ちゃんを他の男に取られて姉ちゃんと結ばれない人生なんて楽しくねえもん!
優愛
(私もあんたと結婚しても新鮮味無くて楽しくないしなぁ...)
蓮汰
...もういい、姉ちゃんは俺に死んでほしいんだな
蓮汰
...俺なんていらないんだろそうせ
優愛
(はーーー!めんどくせえなあうちの弟。仕方ない..ここは...)
優愛
そんなことないよ蓮汰
蓮汰
...え?
優愛
私はあなたが大切よ、今までもこれからも
蓮汰
姉...ちゃん...
優愛
ただそれはあくまで姉弟としてよ。恋人になろうが結婚しようが大切なのは同じでしょ?
優愛
なら今のままで充分よ!もう私達は家族なの、結婚してると同じじゃない!
優愛
だからさ、これからもたくさん思いで作っていこ?もちろん姉弟としてね!
優愛
私はあなたが大好きよ。姉としてね!これからもよろしく。蓮汰!
蓮汰
・・・
蓮汰
...ありがと、姉ちゃん
優愛
分かってくれた?やっぱり蓮汰は理解のあr..
その瞬間、蓮汰はポケットからボイスレコーダーを取り出した。
優愛
えー...そのボイスレコーダーは何?
「私はあなたが大好きよ!」
という私の声が再生された。
優愛
ねぇ..何その断片的に声を切り取ったボイスレコーダーは
優愛
それに切り取りによって意味が変わってくるんだけど...
蓮汰
ありがとう姉ちゃん
蓮汰
俺らが結婚するための新しい証拠を提供してくれて!
優愛
姉相手にアコギな方法を使うなーーー!
優愛
(はあ、まだまだ先は重い...)
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北見 蓮汰
15歳 高一
中々のイケメンでクール形だが
姉相手だとデレデレ
北見 優愛
19歳 大学生
美人だが弟が陰で妨害するので
男が寄ってこない