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8日目、朝
吹雨希 悠穂
いつも通りの声を聞きながら私は昨晩の夢について思い出していた
―試験はまだ終わらないよ―
―だってまだ“芝居”は終わっていないから―
―舞台からは降りられないよ―
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
なんだか嫌な予感がした
人狼ゲームは終わったはずだが、なんだかまだ何かが続くような…
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
着替えなどを済ませて、食堂に来た
そこでは既に私以外の3人が食事を始めていた
長髪の女性
ボブの女子
毎朝気さくに挨拶してくれるこの2人
日々人が死んでいく中でも変わらず接してくるこの2人に、私は鬱陶しさまで感じていた
狂月 悠羅
食事を受け取り、私は健斗の隣に座る
神谷 健斗
狂月 悠羅
隣に座る健斗も、前に座る悠斗と祐穂も、黙々と食べ進めていく
そんな時、悠斗がポツリと呟いた
鏡狂 悠斗
清本 祐穂
神谷 健斗
狂月 悠羅
3人で一斉に悠斗を見た
私含め、心当たりがあるからだろう
神谷 健斗
健斗が問うと、悠斗は目を見開く
鏡狂 悠斗
清本 祐穂
清本 祐穂
清本 祐穂
清本 祐穂
狂月 悠羅
鏡狂 悠斗
狂月 悠羅
そんなことを考えていると、声が聞こえる
或那 舞婪
長髪の女性
ボブの女子
狂月 悠羅
狂月 悠羅
私たち4人は黙った
空気が凍りついた
生存者は私たち4人だけのはずなのに
今朝聞いたばかりのあの声が聞こえてきたのだ
狂月 悠羅
狂月 悠羅
私は心の中で否定をしながら、恐る恐る声の方を向いた
或那 舞婪
或那 舞婪
その人はこちらに気付くと、食事を持ってこちらにやってきた
或那 舞婪
そう言って微笑む目の前の彼は、確かに昨日殺されたはずの或那舞婪だった
或那 舞婪
目の前の人を見て固まる私達に、舞婪はどこかで聞いたようなセリフを投げかける
舞婪の目を見ていると、まるでミステリードラマの舞台に引きずり込まれているかのようだった
或那 舞婪
舞婪はそう言うと少し離れた席に座って食事をし始める
狂月 悠羅
13時、会議室
人狼ゲームが行われていた時と同じように、私達は時間通り会議室に向かった
するとそこに居たのは──
或那 舞婪
雨葉 由乃
先程見かけた舞婪と、初日に殺されたはずの雨葉由乃だった
狂月 悠羅
狂月 悠羅
この予想が当たっていることを知るのに、そう時間はかからなかった
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
或那 舞婪
或那 舞婪
雨葉 由乃
雨葉 由乃
由乃はニコッと笑う
その笑顔は、1度死んだとは思えないほど純粋な笑顔だった
狂月 悠羅
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
悠穂はコホンと咳払いをし、少し勿体ぶりつつ発表する
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
パチパチパチパチ…
悠穂がペコッとお辞儀をすると、心もとない拍手が聞こえる
舞婪と由乃だけが手を叩き、パラパラと音が散っていく
吹雨希 悠穂
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
悠斗が叫ぶ
吹雨希 悠穂
清本 祐穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
雨葉 由乃
或那 舞婪
神谷 健斗
雨葉 由乃
由乃は、まるで兄に甘えるかのような態度で悠穂に話しかける
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
私は、劇団の狂気にゾッとしつつも、真実のように見せたあの演技をした彼らに、ときめきを感じ始めていた
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
狂月 悠羅
狂月 悠羅
鏡狂 悠斗
鏡狂 悠斗
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
妙にはっきりと聞こえたその言葉は、私達の疑心を煽る
今まで人が居なくなっていく様子を見てきて、舞婪と由乃に関しては目の前で殺された
なのにその舞婪と由乃が生きて目の前にいる
そのせいで、ゲーム中に死んでいった参加者達は本当に死んだのか
今団長が言った「死ぬ」というのは本当に死ぬことなのか──
疑念を持たざるを得ない
狂月 悠羅
どうやら考えていることはみんな同じなようで、悠斗が口を開いた
鏡狂 悠斗
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
吹雨希 悠穂
パチンと手を鳴らしながら、悠穂が言う
吹雨希 悠穂
清本 祐穂
清本 祐穂
祐穂が恐る恐る口を開いた
清本 祐穂
吹雨希 悠穂
狂月 悠羅
全員が息を飲んだ
これ以上振り回されるよりさっさと帰った方が…と思ったのだ
だが、その気持ちはすぐに揺さぶられることになる
或那 舞婪
或那 舞婪
或那 舞婪
或那 舞婪
狂月 悠羅
記憶が過った
ここに来る前のこと
カメレオン演劇団に夢を持っていた時のこと
キラキラ輝く、引き込まれる舞台に憧れて、応募したこと──
狂月 悠羅
狂月 悠羅
狂月 悠羅
心の奥底では許可証を欲しているんだ
狂月 悠羅
狂月 悠羅
吹雨希 悠穂
誰一人として足を動かそうとはしなかった
それどころか、やる気に満ちた目で悠穂を見ていた
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
吹雨希 悠穂
──最終試験、開幕。