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監禁区域レベルX~あの夢を越えて~

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監禁区域レベルX~あの夢を越えて~

5 - 監禁区域レベルX~あの夢を越えて~ 第3話前編

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2021年03月07日

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(でも、まさか.....)

(ループなんて、そんな物語みたいな事あるわけないのに.....)

(きっとこれは夢、現実じゃないのよ.....)

そう自分に言い聞かせていると、ふと思い出した。

(そういえば、さっきは皆に連絡をとってなかった....)

(もしかしたら、何か危ない目にあっていたら.....)

頭に嫌な予感がよぎり、私は急いでとある幼なじみに連絡をした。

それは、同い年の幼なじみ、龍斗だった。

(きっとこんな状況なら、あいつが一番力になってくれるはず....)

昔からずっと一緒に遊んだりした彼なら、きっと自分の連絡にすぐ気付くはず。

そう信じて、彼に連絡をした。

龍斗、起きてる?

龍斗

あぁ、今起きたけど。

龍斗

翠、どうしたんだ?

龍斗、Xって分かる?

龍斗

あぁ、なんか敦子が焦って教えてきたやつだっけ?

そう。それでね、皆を無事に脱出させたいから、龍斗に手伝って欲しいの。

龍斗

は?敦子に待ってろって言われたろ?

龍斗

脱出なんてそんなもの、危険過ぎないか?

でも、ここにいたらいつXが襲ってくるか分かんないの。

だから、皆だけでも逃がしたい。

龍斗

そんな危険に晒すような事、もし逃げてる最中に誰かがXに襲われたらどうするんだ?

だからこその私と龍斗なの。

私達は足が速い方だから何とか逃げられると思う。

龍斗

そりゃ、俺らは速い方だけどさ...

凄く怖いのはよく分かる。

でも、私は皆を救いたい。

だから、龍斗が行かないなら私が一人で皆をここから脱出させるよ。

龍斗

....分かったよ。翠はやっぱり頑固だよな。

ありがとう、龍斗。

龍斗

....おう。

龍斗

翠、お前今どこだ?

自分の部屋にいるよ。

龍斗

なら、俺がそっちに行くから待機しててくれ。

龍斗

...うっかり音をたてるなよ?

分かってるわよそれぐらい!

龍斗

それじゃ、また後でな。

うん、気を付けて。

.....ふぅ....。

(良かった、龍斗と連絡とれて...)

これで後は、龍斗と合流するだけとなった。

でも、少しだけ違和感を感じていた。

(龍斗なら、きっと12階の私の部屋じゃなくて2階の龍斗の部屋を選んでいるはず...)

(なんなら、私が部屋に行く最中に皆を連れていけばいいはずなのに....)

(どうして龍斗は、1階より遠い私の部屋を選んだんだろう.....?)

(いいや、私の考えすぎか....)

(このまま大人しく龍斗を待とう...)

そうしてしばらくして、ドアを叩く音がした。

(龍斗かな...?)

私はドアの前に立ち、ドアスコープを覗いた。

確かにそこには、龍斗がいた。

ただ、彼の手には包丁が握られている。

(....龍斗?どうして包丁なんか...)

(...何かおかしい気がする)

違和感はもっと強くなり、不信感へ変わった。

そうして私は、ドア越しの彼に話した。

...龍斗。

龍斗

...翠、早く開けてくれないか?

...なんで包丁なんて持ってるの?

龍斗

なんだ、そんな事か。

龍斗

ただの護身用だよ。無いよりマシだと思ってな。

....そっか。

彼は護身用だと言っている。

しかし、彼の目が少し笑っていたのを私は見逃さなかった。

龍斗

なぁ、そんな事より早く開けてくれ。

...ねぇ、龍斗。

...私の事、好き?

龍斗

....はぁ?

龍斗

今聞くことじゃ無いだろ?

駄目、答えてよ龍斗。

龍斗

....好きだよ、友達として。

龍斗

.....これでいいだろ?早く..

龍斗

はぁ....分かった。

貴方、本当に龍斗?

龍斗

何言ってんだ、本物だよ...

嘘だよ。龍斗は私の事が好きかなんて聞いたら絶対口下手になるよ。

それに龍斗は、意外と照れ屋だからそんなすぐに言うわけがない。

龍斗

チッ.....俺は

龍斗じゃないなら帰って。私は偽物の貴方と脱出する気は無いよ。

だが、ドアスコープ越しの龍斗はニヤリと笑っていた。

龍斗?

...だからどうしたっていうんだ?

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