テラーノベル
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────あと少しですね
驕主悉縺ョ蜒…
この先もきっと…驕主悉縺ョ蜒なら……
俺たちは暫くの間 厄災を倒す旅に出た
“前”に厄災がいた場所に行って 倒したら次の場所へ────
────途中、何度か 襲撃やモンスターに襲われてる町や村を救った
その度に町や村をあげて宴が開催されて ハチャメチャに楽しくて、騒がしい日になった
爽は毎回喜んで参加してたし、 俺もなんだかんだ断れなくて 流されるまま参加した
俺はどうも…押しに弱いらしい………
気が付けば
あっという間に5年が経っていた
今日は村の近くで大量に湧いてしまった モンスター討伐に向かっていた
───何故、こんな事になったのかと言うと
────数時間前
たまたまこの村の近くを通った時 廃村と見間違える程に倒壊した家屋と
村人の半数以上が重傷を負っていて 皆、酷く痩せ細りやつれていた
この村をどうしても放っておけなくて 考えるよりも先に、体が動いた
まず、村人たちに食事を配り 重症の村人から順に怪我の手当を始めた
壊れた家屋も、全部と言えずとも 雨風が凌げる程度には修理出来た
───銀さんみたいに、綺麗に建てられれば 良かったんだけどなぁ………、
村人たちに食事を配れば
「美味しい」「ありがとう」
───と、皆から礼を言われて ちょっと嬉しくて、むず痒い気持ちになった
────久し振りの食事だったのだろう、
余りにも美味しそうに食べるので 腹一杯になるまで、たらふく食べさせた
村長と村の守り人達に話を聞けば
「前触れも無く、突然湧いた」
「太陽の下でも燃えなかった」
と、同じような事を言っていた
厄災の可能性を視野に入れ 調査も兼ねて周囲を見回る事にした
案の定、と言うべきか…
やっぱり、厄災が一枚噛んでいた
今回は爽が 「ひとりで戦いたい」と、言うので ひとりで戦わせてみる
素早い動きで攻撃を与えている様だが モンスターの耐久値が高く、体力も多い
思ったより攻撃が効いてないようだ
爽の表情が、かなり曇っている
───パキンッッ───
────今ので何本目か… 短剣が音を立てて割れた
折れた短剣を捨て 新しい短剣を手に取った
深呼吸を数回繰り返し、荒れた息を整える
焦りからか、攻撃に粗が出始めた
────残るは、約4割程度
このモンスターは厄災の強化を受け 強さは……恐らくウォーデン並
全滅は難しいだろうと 何となく察してはいたが
これだけ倒せれば上々と言っていいだろう
───でも……、
もうすぐ、日が暮れる
これ以上、時間をかけられない
────すぐ近くには村がある
勿論、あの村人たちがいる
戦いが長引けば長引くほど 敵の数は増え、自身の体力が削られ
戦況は次第に不利になる
救えた者も救えず 最後にその亡骸を見る事になる
爽には申し訳ないが
完全に日が暮れる前に、カタをつけたい
4割といえど、数は40後半……
ここは一撃で仕留めさせてもらう
あの数を一撃で倒せるスキル……
───────丁度いい
“前”では使わなかったが ここで威力を見ておこう
サラマンダーショット スキル:火蜥蜴射
───ヂッッ───
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