夏が終わって、少し寒い風が吹くようになったこの季節。
私はいつものように学校の支度をしている。
なぎさ
ドアをノックする音が聞こえる。
なぎさ
私には幼い妹がいる。
ドアがゆっくり開かれると小さな頭が覗かれる。
なな
なぎさ
なな
彼女は俯きながら、小声でぼそっと呟いて家の奥へと戻って行った。
なぎさ
そのまま扉を見てると、別のもう一人の顔が覗かれる。
母
そう言うと、お母さんはその場を去った。
なぎさ
着替えを済ませて勢いよくクローゼットの扉を閉めた。
なな
なぎさ
なな
かわいい顔されてこちらを見てくる。
なぎさ
なな
その言葉と共に激しい頭痛に襲われる。
立つのが辛すぎて、よろめいてクローゼットに手をかけてしまったくらいに。
母
お母さんの心配そうな顔が下からこちらを覗かせてくる。
なぎさ
母
母
驚いた表情をしたお母さんはこちらを見たが、ご飯を食べるように促してくる。
ご飯を食べていた。
しかしそこにはななの姿はなかった。
自分の部屋にでもいるのだろうか。
なぎさ
呟いて軽くその後の身支度を済ませて、家を出た。
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