夏が終わって、少し寒い風が吹くようになったこの季節。
私はいつものように学校の支度をしている。
なぎさ
これがいいかな?
ドアをノックする音が聞こえる。
なぎさ
ん?なな?
私には幼い妹がいる。
ドアがゆっくり開かれると小さな頭が覗かれる。
なな
んばぁ♡お姉ちゃん、驚いた?
なぎさ
何してるの?いい子だから邪魔しないで?これから学校に行くんだから
なな
学校ね……学校なんてなくなっちゃえばいいのに
彼女は俯きながら、小声でぼそっと呟いて家の奥へと戻って行った。
なぎさ
なんなんだ、あいつ
そのまま扉を見てると、別のもう一人の顔が覗かれる。
母
なぎさ。何してるのよ。さっさと学校行く準備しなさい。
そう言うと、お母さんはその場を去った。
なぎさ
二人揃って言わなくてもいいつーの
着替えを済ませて勢いよくクローゼットの扉を閉めた。
なな
クローゼットさん、かわいそう♡
なぎさ
また来たの、なな
なな
うん、来た。ダメ?
かわいい顔されてこちらを見てくる。
なぎさ
邪魔しないで。こっちは急いでるの
なな
消えちゃえばいいね、あの時みたいに
その言葉と共に激しい頭痛に襲われる。
立つのが辛すぎて、よろめいてクローゼットに手をかけてしまったくらいに。
母
ちょっと!?大丈夫?
お母さんの心配そうな顔が下からこちらを覗かせてくる。
なぎさ
ごめん、なながね。でも大丈夫
母
……!?
母
そう、なながね。大丈夫。大丈夫だから。早くおいでね
驚いた表情をしたお母さんはこちらを見たが、ご飯を食べるように促してくる。
ご飯を食べていた。
しかしそこにはななの姿はなかった。
自分の部屋にでもいるのだろうか。
なぎさ
今日はハロウィンか
呟いて軽くその後の身支度を済ませて、家を出た。







