〜木之下 side〜
生徒A
生徒B
呆然としている中、周りの野次が 聞こえてきてハッとする
木之下姫乃
木之下姫乃
とうとう焦りが頂点に達して、 机を両手で叩きながら叫んでしまう
彼方
木之下姫乃
一体どういうこと……?
彼方
彼方
カードを1枚取って、それを自分の 口元に当てながらそう言われる
木之下姫乃
もしそうならこいつは、 1回目のゲーム開始から、模様を 認識していたことになる
知らぬふりをして、 ゲームを続けていたんだわ
木之下姫乃
だからって、それにしたって、模様が 出るのはたった2、3分なのよ?
その間に、全ての模様を覚えて、 かつその後、開かれたカードの 中身と模様を結びつける……
木之下姫乃
彼方
木之下姫乃
ぱん、と手を叩いて、にこにこ笑顔で そう言い出した一ノ瀬
彼方
木之下姫乃
その笑顔に恐怖を感じて、体も声も、 震わせずにはいられなかった
彼方
不意に、きょとん、という顔をした
彼方
変わらずの笑顔。けれど、 その蒼い眼の奥に、狂気さえも感じる
木之下姫乃
彼方
つ、次は何……!?
彼方
木之下姫乃
木之下姫乃
彼方
木之下姫乃
彼方
彼方
相手は、ちゃんと勝ったはず
なのに、どうしてそんなに リスクを負ってまでギャンブルを したがるのか、本当に理解不能
彼方
今度は一ノ瀬が思い切り机を叩いて、 バンッと大きな音を立てた
その気迫に押されて、 思わず一歩退いてしまう
彼方
木之下姫乃
彼方
今まで感じたことのない程の圧
頭の中が、復讐よりも 恐怖一色で染まってしまっていた
木之下姫乃
彼方
木之下姫乃
嫌だ……もう……!!
木之下姫乃
目から涙が溢れて、腰を抜かして、 へたりとその場に座り込んでしまった
彼方
木之下姫乃
これ以上何も危害を加えられたく なくて、必死に頭を下げて謝る
瑞樹
彼方
頭上から舌打ちが聞こえてきて、 一層体が震える
こんなことになるんだったら……
最初から、復讐なんて しなきゃ良かった……!
〜冬真 side〜
先輩のプレイに圧倒されている間に、 直ぐにゲームは終わってしまった
けど、イカサマを見抜いたのも すごいけど、それよりもその後のこと
あそこまでの、 ギャンブルへの異常な固執と狂気
どうして自分の身を投じてまでして、 やりたがるのか
そして……
どうしてボクは、 それに魅せられているのか
結局新條先輩が宥めて、お互いの 人権を賭けたゲームは始まらなかった
けれどボクに、そのゲームを 見てみたい気持ちもあってしまった
ボクの主導権も、自分の人生だって、 賭かっていたはずなのに
……これが本物の、リスクを負う 「快感」なのかもしれない
翔太
誰よりも安心して、 そう言ってくれた天ちゃん
冬真
翔太
ボクが家畜に成り下がっても、差別 せず、こうやって友達でいてくれる
翔太君は誰よりも純粋で、 友達想いないい子
それ故の、ギャンブルの場での狂気は あるけど、ボクはそれも好きだ
冬真
新條先輩と一緒にこちらに向かって きているのに気づいて、ボクと 天ちゃんもその方に小走りで近づく
彼方
すっかりいつもの調子に戻って、 笑いながら手を振る一ノ瀬先輩
翔太
彼方
その「楽しい」という言葉の中に、 それだけの単純な意味じゃなくて、 他の色々なモノも詰まっての 「楽しい」のように聞こえる
冬真
実際、ボクが愉しんでいたのも事実
瑞樹
すると、本当に心配そうな眼差しで 新條先輩にそう言われた
彼方
瑞樹
何だか、新條先輩が一ノ瀬先輩の お母さんみたいに見える
彼方
瑞樹
この様子だと、知り合い、と言う わけでもなく、新條先輩が一方的に 一ノ瀬先輩のことを知っていたらしい
彼方
冬真
先輩達が自己紹介をしている間、 ふと、何処かから視線を感じた
冬真
翔太
冬真
考え事をしてる途中、 天ちゃんに話しかけられる
……気にしすぎも、良くないか
彼方
冬真
ボクは家畜だから、 否定することはしない
それにボクも、さっきの ギャンブルで気を張っていたから、 少しお腹が空いた
翔太
彼方
天ちゃんから新條先輩の方に 振り返って、そう聞いた一ノ瀬先輩
瑞樹
彼方
瑞樹
これで、4人で行くことが決まった
彼方
冬真
???
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
コメント
1件
そらるさん、最強すぎやしないかい… かっこいいのと同時に『チッつまんないの』ってセリフで怖い……と思ったw でも……そんなそらるさん…いい好き! 続き、楽しみにしてますー!