母
さきーもう朝よー
浅川さき 13才
さき
はーい
母は私を1人で育ててくれた
父は 私が産まれた時すぐに 亡くなったんだって
私は、死因が気になってね
今思えば
あんな事 聞かなければ良かった
気づきたくもなかったよ
私だけ気づいちゃった
さき
お母さん
母
ん?なぁに?
さき
お父さんって
さき
何で亡くなったの?
母
…
母
そんなの
母
聞かなくて良いわよ
さき
どうして?
母
さきに言っても得が無いの
さき
そんな…私のお父さんの事なんだから、教えてよ!
母
…
母
はぁ…なら
母
話してあげる
さき
ほんと!?
さき
ありがとう
それは
さきが産まれて1年が経った頃
父は昔
ある女と付き合っていたそう
勿論、昔の話
その女とは 別れたらしいんだけど
相手は、別れたくないって
しつこかったから 父は
父
うるさい!
と 強くあたったそう
女はなぜか
ニヤリと笑って 去っていったって
父はその後 何度も不幸な目にあった
母は父をその女は 憎んでいたのではないか
と言っていた
自分(女)が幸せになり 家庭を築きたかったのか
だとすると、母も私も 殺されるのでは
と考えるようになり 聞いた途端
怖くてしかたなかった
だが
不幸なことは 起こらなかった
私と母は
安心していた
女が 後ろにいるのも知らずに
フフ…
フフ…
フフ…
フフ…
フフ…